どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

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2011年9月8日木曜日

2000年08月22日 「four seasons in a day」



東京は連日雷雨と聞いていましたが、最近はこちらも負けずに天候が不順で夕方雷雨がよく降ります。
とはいってもすぐに止むので大した被害はありませんが、それでもラジオを聴いていると「冠水のため通行止め」などと言っています。

不順というか、ときに狂っているのでは?と思うようなこともあります。

今朝は朝から大雨が降っておりました。

ガーデンデザインの課題を学校の製図室でやったのですが、あまりに外の雨音が激しいので目をやるとバラバラッと大粒の雹(ひょう)が降っています。
かと思えば昼にはカラッと晴れて、夕方には再び雷雨といっためまぐるしさ。

それにしても今日は寒いなぁと思っていたら夕方のラジオで、自分の英語が正しければですが、ヨークシャー州東部では雪が降ったと言っておりました。
製図する手を止めて思わず「なにーっ!?」と叫んでしまいました。

不順な英国の天候を「1日に4つの季節」という言い方をすることがありますが、この真夏の8月に雪が降ったとすればまさにそれは正しいということになります。

隣の芝は青くみえるといいますが、私個人的には夏は夏らしく「今日も暑いねぇ」といいながら冷えたビールを飲んでいるほうがシアワセだったりします。

2011年9月7日水曜日

2000年08月20日 「残暑お見舞い申し上げます」



残暑お見舞い申し上げます。

さて、本日は8月20日。
パスポートを見ますれば日本を出国したのがちょうど昨年の8月20日ということで一周年ということになります。時の経つのはいかにも早いものだと驚かされます。

出発したときには、一年間ヨークの園芸学校で学ぶということしか決めていなかったのですが、こうやって一年を過ぎても次のステップに向けてまだ英国にいるというも想像していなかったことです。
この一年間の成果を振り返ると、まずまずだったかなと思います。

園芸に関する勉強も当初は戸惑うことが多かったのですが、徐々に理解が伴ってついていけるようになりましたし、生活全般においても特に大きな問題もなく健康にこれたことは月並みではありますが何よりでした。
友人、先生など人に恵まれ、英国文化にも抵抗がなくスムーズにとけ込めたことは英国という国、ヨークという街に受け入れられたような気がして嬉しいものです。

9月からはケンブリッジ大学の植物園での生活が始まります。
折角のチャンスですのでより多くを吸収したいと思っています。

9月1日にはヨークからケンブリッジに引越しです。
新たな住まいは駅、街の中心地、植物園にいずれも徒歩10分程度の便利、だけどボロなアパートです。

ロンドンへも電車で約90分ですので英国にお越しの際には是非お声をかけてください。

一年経ちましてお蔭様で元気に楽しくやっておりますことを報告いたします。

2011年8月28日日曜日

2000年08月09日 「土足 vs 土禁」




日本では家にあがるときは玄関にて靴を脱いでスリッパなどに履きかえたりしますね。

英国でも最近はそのほうが清潔だということなのか、家の中では靴を脱ぐというのを何軒かのお宅で見てきました。

でもそのまま土足でドカドカと入りこむことも多くて、それに慣れていない僕は結構ドキドキしてしまいます。
クリーム色のように淡い色合いのキレイな絨毯に土足というのは気が引けるものです。

逆に日本人は異常に「靴離れ」が良いとでも申しましょうか。
例えば電車でおばさんが靴を脱いでくつろいでいたりというのは良く目にする光景です。

日本人は下足といった言葉がしめすように靴とは汚いものだという観念が根強く浸透している国民なのかなと思います。
結構ムチャするヤンキーなお兄ちゃんも愛車は土禁(土足禁止)にしているケースを見かけたりします。
欧米では想像するに土禁の車は存在しないでしょうね。

逆にコチラの方々はその辺の観念が希薄すぎるのではないかと思うことがあります。
電車の対座式のシートでは空いていれば靴のままその上に平気で足を投げ出している人を見かけることはしょっちゅうですし、寮で友人の部屋を尋ねると靴を履いたままベッドに寝そべっていたり。
日本人のわたくしといたしましてはかなり抵抗があります。

そんななか昨日の出来事。
寮の部屋を掃除してくれるおばさんがいて、日中部屋に入ってゴミ箱のゴミを片付けてくれたり、掃除機をかけてくれたりします。

昨晩部屋に戻ると手紙がありました。

「マサヤ 申し訳ないのだけど掃除機にあなたの靴ひもが吸い込まれて絡まってしまい、ご覧の通りちぎれてしまいました。
ゴメンナサイ。
弁償はしますので。
クリスティーヌ」

僕の園芸用のドロにまみれてひもの切れた靴が「机の上」にそのゴメンナサイ・メモとともに鎮座しておりました。

彼女は本当に気さくで良い人で、当然悪気ないのは分かるし、靴ひもはどうでもいいんですけどね。

なんかカラダの力が抜ける一件でした。

為参考(原文ママ)
Masaya.
 Your brown boot lace got caught up in hoover.
 I’m very sorry but if you can get some more I’ll pay for them.
Christine

2011年8月24日水曜日

2000年08月08日 「バーベキュー」



今日はガーデンデザインのクラスメイトのひとりが発起人となって彼女の家で皆が集まってバーベキューをしました。

家族同伴の参加者も多く、いつも学校では見られない表情が垣間見れて興味深かったです。

普段鼻柱の強いオバサンだなぁと思っていたら旦那様も負けていない感じでバランスがとれていたり、更にその子供もそうだったりして一人でウケていました。

「You’re joking!!」を口癖にするオバサンと「You know what I mean~」を連発するオバサンがいるのですが、その二人に一時挟まれて「この前×××は×××ってことに気付いたのよ、分かるでしょ・・・」「ウッソー!!」みたいな会話の応酬のさなかではなかなか落ち着きませんでした。

このオバサンの「You’re joking!!」は特に軽薄な感じがして耳障りで日本語で言う「ウッソー!!」と非常に似ている気がします。

バーベキューとはいってもとてもシンプルかつアッサリしたもので脂身の多い豚肉、ハンバーガーの冷凍パテ、スーパーのソーセージといった程度のもので、仕込みに何時間もかけて云々といったシロモノではありません。

庭の隅にテーブルがひとつ用意されて、その上にはサイドディッシュとしてオーブンで焼いたジャガイモ、中東風の野菜サラダ、チーズ、ピックルス、ポテトチップ、パンなどが。あとはビールやワインを飲みながらひたすら喋るというのがスタイルのようでした。

開始時間が13時で終了時間が15時と、これもアッサリしていました。

庭をデザインするときにバーベキューのためのスペース、設備を設けるか?という話は頻繁にでるのですが、英国人のバーベキュー好きをこうやって目の当たりにするとそれはとても重要な問題なのだと理解できました。

台所に比較的近い庭の隅に15人くらい座れるスペースがあると良いのだな、と勉強になりました。

日本ではこの夏の時期では蚊が多くてちょっと実用的とはいい難い気がしますが。

肝心のコースの先生が欠席でしたが、それはそれで普段の不満や悪口(とはいってもそんなに悪質なものではありませんが)を酒の肴に穏やかな日曜日の昼下がりでした。



2011年8月19日金曜日

2000年08月05日 「悪夢ふたたび・・・」

ヨークからケンブリッジに向かう列車から


昨日は日帰りでヨークからケンブリッジまで行ってきました。

目的は3つ。
①社会保険の申請に関して保険事務所で面接があった 
②アパート探し 
③自分の畑で育てた野菜を世話になった知人宅に届ける

9月からケンブリッジ大学の植物園での生活が始まります。
引越しの時には友人から譲ってもらった自転車を持っていきたいと思い、そのときの手間を減らすべく昨日は電車に自転車をのせて、知人宅に野菜を届けるついでにしばし預かってもらおうという作戦です。

よって寮を出てから目的地まで自転車を伴い、背負ったリュックには畑で収穫したタマネギ、エンドウマメ、ラディッシュなどを満載し、さながら戦時中の買出しといったかんじでした。
タマネギは新鮮なためかとてもニオイがきつくて、特に電車のなかではヒヤヒヤしました。

ケンブリッジの保険事務所は職安と機能が一緒になっているらしく、それっぽいいでたちの人たちが沢山相談にきていました。

相談カウンターは厳重なガラス張りになっていて、例えるならアメリカ映画でよく見かける囚人と面会するようなかんじと申しましょうか。
社会保険の面接は別室なのですが、順番を待つのは同じ待合わせ室で辺りを観察しているとカウンター越しに「今日125ポンド払わねぇとマズイんだよぉ。どうにかしてくれよぉ」と突っかかっているオジサンがいたりして厳重なガラス張りというのも頷けるのでした。

アパート探しは1日では決め難くてもう少し時間が掛かりそうです。

夕方、重い野菜をかついでケンブリッジ市内からおよそ8キロ離れた町の知人宅に野菜を届けて夕食を御馳走になりました。

そもそも彼が「会社を辞めてそういう道をすすむのも良いんじゃぁない?こういう園芸学校もあるよ。」と紹介してくれた張本人で、その彼に一年の成果を報告して自分の育てた野菜を食べてもらいたかったのです。

ヨーク行きの最終電車が19:57で、ケンブリッジ駅まで車で送ってもらいました。

ヨークとケンブリッジはなかなか不便に繋がっており、途中ピーターバラというところで乗り換えなくてはなりません。
乗り継ぎが悪くてピーターバラでは1時間待たねばならなかったので、迷わず近所のパブに行きました。
軽く飲んで頃合いをみて駅にもどると、モニターに「ヨーク行き:キャンセル」と出ています。
駅員に尋ねるとポイント故障だかなんだかで来ませんとアッサリ言い放ちます。
しかし代わりにヨークよりも北のニューカッスルに行く列車がくるのでそれに乗ってくださいとのことで一安心。

遅れてきた電車に乗ってヨークの手前の駅であるドンカスター駅についたころ猛烈な眠気が襲ってきました。
しばしウトウトしてハッと気が付き外をみると電車は止まっていてYorkという看板が見えました。

「ヤバッ!」と慌てて出口に走ったものの非情にも電車はゴトッゴトッと動き始めました。

万事休す。

しばらく頭の中が真っ白でしたが、どうにか我にかえり次の駅で降りるか、それともこのまま乗り続けるか善後策を考えました。

次の駅といっても山手線ではありませんので、ヨークからはかなり離れています。

しかも駅名も Northallerton と聞いたこともなければ、発音もできないような駅で、へたに下車すると本当に何もないところでエジンバラ野宿よりもツライことになりそうでした。

日中は天気もよく日帰りでしたので短パン、ポロシャツ、ウインドブレーカーという軽装であったので今度こそ野宿というわけにはいきません。

「そうだ。車掌に相談しよう!」

なんでこんな簡単なことを真先に気付かないのでしょうか。
そもそも当初予定していた電車がキャンセルになったからこんなことになった、くらいの言いがかりでもつけてやるくらいの気迫が必要だと気合を入れて相談しました。
車掌は時刻表を見て、無線でどこかに連絡して、出てきた答えが次のダーリントン駅で降りなさいでした。

そうすれば02:45にヨークに行く電車がくると言います。

悪夢再び。

最悪のシナリオである野宿は避けられそうですが、2:45ってその時点で2時間以上もあります。
ダーリントン駅に降りると案の定、店などはただの一軒も開いておらず誰もいやしません。
この寒い駅のホームにいるのも耐えられず、気持ちを前向きに切り換えて電車がくるまでの約2時間ダーリントンの町をウロウロと徘徊して寂しい時間を過ごしました。

結局その電車に乗って寮に戻ったのは午前4時でした。
2度あることは3度あると言いますが、もう結構です。


無人のダーリントン駅


2011年8月13日土曜日

2000年08月02日 「ファーストフード考」


暑中お見舞い申しあげます。

いよいよ8月に突入です。
熱中症で病院に運ばれる人が昨年の2倍と聞きました。
植木屋を続けていたら今頃病院にいたかもしれません。

さて、本日は英国におけるファストフードを考えてみようというわけです。

日本と共通しているのはハンバーガーショップではないでしょうか。
これはもはや日本、イギリスに限ったことではないですけど。
ハンバーガー以外ですとフィッシュアンドチップス、サンドイッチ、ドネルケバブ、ピザ、チャイニーズといったところでしょうか。


まず英国を代表するファストフードであるフィッシュアンドチップス(F&C)ですが、これは白身魚のタラ(cod もしくは haddock)に小麦粉をといたコロモをつけて揚げたものをチップスとともに、お好みで塩と麦からできたモルトヴィネガーをドバドバとかけて食べるというもの。
不思議なもので歩きながらハフハフしつつ食べると美味しさがアップすると思うのは私だけでしょうか。

ちなみに英国ではフライドポテトのことをチップスと言い、ポテトチップスのことをクリスプス(crisps)と言います。
カロリーが高くてなんとも栄養バランスが悪そうですが、食べているうちに病みつきになり最近は最低でも週に一回はこれを食べずにはいられません。
英国人に言わせると魚そのものは白身なので言われるほど不健康な食べ物ではないとのことです。

全英には約8,500ものF&C屋があって年間約3億食も食べられているのだとか。
実はこれはこの前聴いていたラジオからの情報なのですが、そこでは加えて乱獲によるタラの減少で今後はタラの保護を考えていかないとF&Cが食べられなくなるというようなことを言っていて、F&Cファンとして真剣にラジオに耳を傾けた次第です。

ファストフードなんだから英国どこで食べても同じ味かというと否で、僕のいるヨークシャー州は英国北東部の代表的な漁業の町であるウィットビーとスカーボロを擁し、新鮮なタラが手に入るので英国で一番F&Cが美味い場所と言われています。

確かに思い出すにロンドンで食べたF&Cは高くてあまり美味いものではありませんでした。

味を決定する主な要因は①魚の鮮度 ②油 ③バターといわれるコロモ だと思いますが油が臭かったり、コロモがサクサクしていなかったりするとガッカリです。

とても興味深いのは油です。
どこは定かではありませんが、僕の見立てですと南ヨークシャー州とリンカンシャー州のあたりに境界線があってそれ以南ですとすべからく植物油、それ以北ですとすべからく動物油を使うのです。
どちらがヘルシーかなんて野暮な議論はさておき、動物の油で揚げたほうがなんともいえない風味があって僕は断然美味いと思います。
ここでいう動物油はラードといって豚からとったものかドリッピングといって牛からのものかがあるようです。


そしてファストフードは安くなければなりません。
せいぜい3ポンド以内。

Take awayといって持ち帰りか立ち食いが基本ですが、なかにはレストラン式になっていて店内で座ってたべるところもあります。
店で座って食べると値段は倍くらいします。

しかし時として座って食べなくてはならない場合があります。
それはタラがデカイときです。
通常のサイズは20センチくらいなのですが、その上のラージで30センチくらい、極めつけジャンボでは40センチ以上あってとても歩きながら食べられるものではありません。
これまでに何度かF&C有名店と誉れ高い店でジャンボを食しましたが、生きていて良かったと思える満足度でした。

英国人の友人などは、タラにチップスが付いてくるのにさらにブレッドアンドバターといって食パンにバターをコッテリ塗ったものを一緒に頼んだりします。
あくなき炭水化物と油への欲求ということでしょうか。
さすがにこれには見ているほうが食傷しましたが。

基本は塩とヴィネガーですが、好みですりつぶしたグリーンピースにミントソースをいれたマッシュドピーとかカレーソースをかけて食べる人もいます。

僕の記憶では、10数年前に英国に滞在していたころはF&Cといえば古新聞に包まっていたものですが、最近は見かけないので聞いてみると食遺品衛生上の見地から現在では古新聞を使ってはいけなくなったとのことでした。
繊細なのか大雑把なのかときどき分からなくなる不思議な国です。

F&C屋では大抵F&Cだけ売ってますという硬派な店が多いのですが、それでもサイドメニュー的においてあるのが①バタード・ソーセージ ②ピクルド・エッグ ③フィッシュ・フィンガー ④フィッシュ・ケーキ といったあたりでしょうか。

(左・タマネギのピクルス 右・タマゴのピクルス)

①はこちらの独特のパフパフの食感をもったソーセージにコロモをつけて揚げてあるもの。
②煎餅屋の店先で煎餅が入っているような、あるいは駄菓子屋でヨッちゃんイカが入っているような、そんな容器にゆで卵が酢漬けになって入っているというもので僕は怖くて食べたことはありません。
一体どんな味がするのか、そしてピクルスとはいえ所詮タマゴゆえにその保存期間は? などと疑いの視線でその怪しげなタマゴを見ています。
③は日本でもスーパーの冷凍食品売り場で売っているすり身魚のフライのようなもの。
④これはついこの前試してみました。
ケーキとはいっても甘いものではなく、ジャガイモを厚めにスライスしたもの2枚の間にほんの少々魚のすり身がサンドされ、さらにまわりにコロモをつけて揚げてあるものでした。
これとF&Cを一緒に頼んでしまい、あとでちょっと後悔しました。

何故かF&C屋というのはインド人、トルコ人、ギリシャ人といった移民系の方々が店を構えているケースが非常に多く、純英国人のやっているF&C屋というのはとても珍しいと思います。
店は一日中オープンしているわけではなく、例えばよく利用する隣村のF&C屋なんてのは16:00から21:00までの営業で、しかも日曜日、月曜日と週休2日を貫いており、どうやって生計を立てているのか他人事ながら気になります。
それは極端な例ですが、日本の牛丼屋のように24時間頑張るF&C屋はこの国には存在しないと思われます。

続いてサンドイッチバーですが・・・といきたいところですがF&Cに対する思い入れが激しい分、相当長く書いてしまいましたのでまたの機会にということで。

かくのごとく相当なF&Cファンになってしまいましたが、日本に帰国したあかつきにはこの味が恋しくなるのは想像に難くないので、この際カラダに悪かろうが心行くまでこの味を堪能しようと思っています。
読んでいて胸焼けしませんでしたでしょうか。

暑さのヤマもあと一息で越えることかと思います。どうぞお元気で。

2011年8月4日木曜日

2000年07月20日 「バラバラ・・・・」



日本は梅雨明けして本格的な夏の到来かと思います。
こちらはいつもはアテにならない天気なのですが今週はどういうわけか厚い雲がなく爽やかで清々しい夏といった風情です。
湿気が少なく、さながら北海道の夏のようで、ラベンダーなどもそこらに雑草のように咲きほこっています。

さて何がバラバラなのかと申しますと数や単位です。
以前にヤード、メートル、ポンド、キロなど混在していてもうメチャクチャですとお伝えしたかもしれませんが今回はその追加です。

まずコーンフレークを食べるため牛乳を買いに行きますれば、ハーフパイント、1パイント、2パイント、4パイント、そして更に1リットル、2リットルとそれぞれ売っています。

スーパーで4パイント(2.27リットル)もの牛乳を3、4個まとめて買っているオバサンを見掛けると、さすが狩猟民族、肉食民族だなぁとヘンに感心してしまいます。
因みにお値段は2リットルで140円位ですので日本に比べると安いと思います。
味もかなり牛乳らしい牛乳のお味で、美味しいと思って飲んでいます。

そして例のティーボーンステーキはオンス表示でした。
本日のオススメ・メニューということで店主が黒板にチョークで「T-bone steak 20oz.」と手書きで書いてあったのですがクセ字であったため「20oz」が「2002」に見えて、「ウーム、2キロは食えんなぁ、いくらなんでも。でも14ポンドという値段を考えるとそのくらいの肉ってことか?」などとドキドキしたものですが、普段オンス表示はそんなにお目に掛からないので困惑したわけです。

単位とはちょっと異なりますが、日本からきて違和感があったのは缶ビールの容量。
500ccと440ccの2種類があってこの60ccの差は何かといつも考えてしまいます。

アルコール度数も日本ではビールは5~5.5%が主流ですが、こちらは3.5~7.0%くらいに幅があってアルコール度数が大きくなると値段も高くなるようです。
7.0%のビールも試したことがありますが僕の口には合いませんでした。

缶ジュースを持ってイッキ飲みする友人を見て「さすがにこちらの人たちは手がデカイなぁ。缶が小さく見えるもの。」と思っていたら缶が本当に小さかったなんてこともありました。
日本では350ccが主流ですが、こちらでは330ccが一般的のようです。

僕はスモーカーではないのでこの国のバカ高いタバコを吸うことはありませんが、一箱ざっと800円位します。
更にスゴイのはパブの自動販売機で買うと20本入っているはずの箱に16本しか入っておらず、お値段は通常の20本入りと同じだという理不尽さ。
この一本のタバコが50円もするのかと思ったら吸えませんね、僕は。
煙で腹は膨れませんので。

そんな数に関するバラバラなお話でした。

2011年8月1日月曜日

2000年07月19日 「贅沢」



学校が休みになって食堂も休業になったため最近は自炊をしています。
とはいっても鍋やフライパンを持っているわけでもなく、オーブンや電子レンジを使ったインスタントやレトルト食ばかりですが。

もっぱら1.50ポンドの冷凍ピザをオーブンで温めるか、チキンティカマサラという2ポンドのチキンカレーをレンジで温めるか、ということを交互に繰り返しているだけのことです。

たまにヨーク市内に出掛けるとあいも変わらずフィッシュアンドチップスかドネルケバブといったファストフードばかり食べています。
これらはお財布にそこそこ優しくて満腹感もあるので僕のような貧乏学生にはピッタリです。

最近は朝の1時間のランニングが日課となり、そのあと朝食としてコーンフレーク、バナナ、リンゴといったパターンか、食パンにマーガリンとマスタードをぬってハムを挟んだサンドイッチなどを作って食べています。

なにせ貧乏学生なので何をするにしても「高い」「もったいない」という気持ちが先行してしまいます。
金に糸目をつけなければそれなりに美味しいものも食べられると思うのですが、ヘンに節制するのでかえって日本でウマイもの食べていたなぁなどと感傷にひたることが多くなっています。

そんなことを言っておきながら、本日相当な贅沢をしました。

行きつけのパブに行く度に、黒板にチョークで書いてあってずっと気になっていた「ティーボーンステーキ20オンス 13.95ポンド也」をついに注文しました! 

今日は昨日に続き晴れ間がのぞく夏らしい気持ちの良い陽気でしたので、芝のビアガーデンで夕陽を浴びながらビールを飲むのはグッドアイディアではないかと一人でパブに繰り出しました。

パブへ向かって歩きながら「今日は天気も良いし、気分も良いからずっと気になってたアレを食べちゃおうか」と思いつき、もうそれからは頭の中がディーボーンステーキ一色に染まりあがってしまいました。

パブに到着してバーカウンターまずはいつものビールを頼んで一口ビールを飲んでから意を決して注文してみました。
黒板を指しながら「このティーボーンステーキくれるかな」と注文した声はこころなしか上ずっていました。
焼き加減もパブへ向かう道中あれこれ考えて決めた肉汁したたるミディアムレアを指定して裏庭にあるビアガーデンの席につきました。

まだ早い時間だったためか誰もおらず、暖かな夕陽を浴びながらビールを飲んでステーキを待ったのでした。

2杯目のビールを買って席についたころについにステーキが運ばれてきました。
このパブで他の食事メニューは5~6ポンドのものがほとんどで、ましてや10ポンドを超える食べ物はこのティーボーンステーキ以外には見当たらず、その特別ぶりが知れます。


肉は20オンス(約570グラム)で付け合せの野菜もしっかりついています。
肉は予想していたよりも柔らかく大満足でございました。

ただ味付けがね・・・。
ここでもやっぱり塩、コショウ、ヴィネガー、マスタードといった調味料しか供されず、醤油があれば・・・とちょっとそこだけが悔やまれました。

ステーキとビール2杯で約17ポンド。
日本でよく行っていたトンカツ屋でロースカツ定食とビールで3000円くらいだったので、まあそれと同じ感覚なのかと思えばそれほど大袈裟に贅沢ってほど贅沢なことでもないのですが。

とはいえ外食時には5ポンドでリミッターが働くため、今回は破格の贅沢だったというわけです。

ごちそうさま。



2011年7月29日金曜日

2000年07月17日 「友人の話」


クラスも一緒で寮でもたまたま隣の部屋同士ということで仲良くなったロブ君の自宅に週末招待されました。

彼は僕よりもひとつ年下ですが、とてもモチベーションが高く、成績もかれがクラスでトップでした。
試験やレポートも彼に随分アドバイスしてもらいましたし刺激にもなりました。

また生活面でも現代英国人気質を身をもって教えてくれました。
秋から僕はケンブリッジ大学に行きますが、彼はエジンバラ大学に行って、来年このカレッジで再会しようと言っています。

昼にお父さんのクリスが車で迎えに来てくれて、彼の家で軽く昼食を御馳走になってからクリス、ロブと僕の3人でゴルフをし、夕食はお母さんのマギーのお手製ローストビーフを御馳走になってその晩は泊めていただきました。

翌日は朝食後彼の住む街Witherbyというこじんまりとして雰囲気のよろしい街を散歩し、家に戻りテレビを見つつ、昼食にピザを御馳走になって、昼過ぎに寮まで送って頂いたという2日間でした。

寮に戻ってあらためて有難いことだったと感激しています。

英国を紹介した本などによくあるように、夕食に招待されるのは特別なことであって、まして一泊まで招待していただいたこと。
そして家族全員でもてなしていただいたことに感激しました。

夕食は典型的な英国のもてなし料理なのだと思われるローストビーフ、ヨークシャープディング、ニンジン、ブロッコリーなどの温野菜、マッシュドポテトを頂いたのですが、本当に美味しかったです。
肉も柔らかくグレービーソースもインスタントではなくて自家製の本物ソースでした。
そんな味覚上の美味しさもさることながら心のこもったホスピタリティに感激したわけです。

食事をしながら、我々の授業の話、思い出深い先生の話、寮の不味い食事の話、日本の話などで大いに盛り上がり、普段の無味乾燥な食欲を満たすためだけの食事とは違うあたたかいひとときを過ごしました。

「こういう食事にお招き頂くのは特別のことと理解していますが、本当に美味しく、そして感激しています。」と言うと、
マギーが「そうね。日本の家庭でお客様をもてなすときにはどういうものを御馳走するのかしら?」と質問されてちょっと考え込んでしまいました。

気のおけない人とする家庭的な食事と言えば鍋ものかなと思って鍋の話をしました。
鍋であれば英国でも素材は揃いそうなので、帰国するまでになんとか鍋料理をふるまいたいものだと思いました。


ゴルフはクリスがメンバーになっているThe Alwoodley G.C.という先週トーナメントもあったという名門コースに連れていってもらいました。
コースはヒースが生い茂る典型的英国ゴルフコースでラフも深くて難しかったのですが、かろうじて100は切れて、クリスに迷惑がかからなくて良かったと胸をなでおろしました。

キャディはいなくて、自分でバッグを担ぐか、カートを引くか。
スタートはインから、アウトからという発想はないようで常に1番から。
自宅から車で10分ほどのところにコースはあって、料金もゲストで15ポンド程度。
18ホールを通して回り、あとは靴だけ履き替えてクラブハウスでビールを飲むといったかんじで、いろんな意味で無駄がないなぁと感心しました。

ロブの家は結構な邸宅で敷地はざっと200坪くらいでしょうか。
1920年に建てられた家だそうでそれを10年前に購入してリフォームしてキレイに使っています。

庭も芝がキレイに刈られて、通好みの植物が植わっているあたりかなりの園芸好きなのでしょう。


庭の隅にレンガ造りでパーゴラが備わった腰掛けるスペースがありました。
聞くとクリスがマギーの誕生日祝いに建てたものだとか。
昼過ぎからそこには陽があたる場所になっているらしく、午後はそこに腰掛けて紅茶でも飲みつつ本を読んだりするのだとか。
気が利いているよなぁと感心ばかりしていました。

ふと彼が日本に来たとして、果たしてどんなもてなしが自分に出来るのだろうかと考え込んでしまいました。
そんな2日間でした。

2011年7月24日日曜日

2000年07月13日 「禅問答」



畑についてもうちょっと。

以前自分の畑の花や野菜が愛おしくて根腐れするほど水をやってしまったという話をしたかと思いますが、
畑実習の主任先生が最近ボソッと

「みんな水を一生懸命やってるみたいだけど、オレならやらないな。
もともと野菜はナマケモノなのだ。
秋に畑に馬糞などを鋤き込んで土壌を改良しただろ。
アレによって畑の表面が乾いているように見えても実は数センチ下は潤っているのだ。
その潤いを求めて植物は根を広く深く広げてそれが逞しいニンジンになったりするのだ。
で、これ以上乾燥させては生育を妨げてしまうという、ここぞというタイミングで適量の水をやるものなのだ。」

と言うのを聞いて感心する一方、水をやりすぎた自分が恥ずかしく感じました。

「で、ここぞというタイミングはどうしたら分かるんでしょうか?」
と尋ねると
「それは自分でいろいろ考えて試すのだ。経験から学ぶのだ。」

となにやら坊主と和尚の会話のようでしたが、なにやら子育て、ペット飼育、植物栽培さらには恋愛などにも共通している人生の真理にも思えたのでした。

2011年7月23日土曜日

2000年07月12日 「畑その後」



言いようのない深い悲しみと虚無感に沈んでおります。

何かと申せば、畑あらしがあったのです。

そもそもの起こりは畑の評価のあった日の夜に学校の講堂で「Summer Ball」(夏の舞踏会)といって皆が着飾って深夜まで飲んで踊って騒いだ晩があったのですが、その晩に誰かが畑に侵入して畑を踏みつけたり花や野菜を引っこ抜いたりという事件がありました。

そのときは幸いにも僕の畑は被害にあわずにすみました。
当時クラスの皆は「ヒドイっ!!」とかなり憤慨したものですが、犯人も分からず手も足もだせませんでした。

その後学校の授業が終了するのにともなって、何人かは自分の畑から早々とレタスやソラマメなんかを収穫していくものもいました。

それは自分の畑で自分が育てたものだけにするのが人の道ってものですが、僕の畑をある日よくよく見てみると大きく育っていたソラマメがあらかた摘まれてしまっていました。

腹は立ったのですが、苗は無事だったのでまた育つだろうと前向きに考えて溜飲を下げました。

そして昨日。
雨の中ちょっと様子を見にいくと8個植えたレタスのうち育ちの良かった3個がなくなっていました。

全身の力が抜けて、めまいすら覚えました。

なんでこうなんでしょうか?
見つけたらぶっ飛ばしてやると思うものの終日畑にいるわけにもいかず手の施しようもありません。

育てているときはマメを鳩から守り、レタスにつくナメクジを取り去り、赤カブを好物とするウサギを追い、アブラムシを寄せつけないように腐心して丹精込めて育てた野菜の最大の敵が「人間」であるとは!

おお、神よ!!(ちょっと大袈裟か)

この悔しさは最近ちょっとない悔しさです。
夏休みの間この学校の寮に残るので引き続き水をやり雑草をとって、これから咲く花を愉しんで野菜の収穫もして・・・と楽しみにしていたのに残念です。

ヘンにこの畑に愛情を注ぎ過ぎたのかもしれません。
たかが畑、もっと気楽に考えれば。
いやーそんなことはないな。
やっぱり盗った人が悪いと断じる次第です。

悔しいッス。

2011年7月20日水曜日

2000年07月05日 「ガーデンデザインの話」


お話しておりますように授業のほとんどを終了して最終成績を待つのみとなりました。
寮でもポツポツ帰省する学生を見掛けるようになり、夏休みモードへと雰囲気が変わりつつあります。

しかしながら僕は一般のコースに加えてガーデンデザインのコースをオプションでとっているため、現在その課題に追われています。

こういった創造力を働かせなければならないことというのは一旦エンジンが掛かるとドッーっと進むのですが、それまでが結構大変だったりします。

現在取り掛かっているのがファイナルプロジェクトといってその名のとおり本コースの仕上げになるプロジェクトです。

「ファイナルに相応しい歯ごたえのあるやつを見つけてきた」先生が言うだけあって難しいです。

まず皆でマイクロバスに乗って現場の大きな個人邸に行って測量から始めました。

お金持ちのお宅らしく個人邸のくせして敷地の広さが1エーカー(ざっと1200坪!)もあります。
当初はそんなに広いとはつゆ知らずクライアントと台所で話をしながら見えた景色は庭ではなく近所の森だと思って眺めていました。

クライアントのおばさんと話していると「川に面しているのよ」と言うので、どこに川なんかあるかしらと目を凝らすと森の向こうに川らしきものが多少見え隠れします。

まさか!?と思っていたら見ていた森は今回のプロジェクトの対象地だったというわけです。

ちなみにその台所から川までざっと70メートルくらいありますでしょうか。
それを12人のクラスメートで手分けして測量したのですが、これが川に向かって相当勾配があって、雑草とぬかるんだ足元でなかなかはかどりません。

デザインといっても紙にデザインする作業は全体の半分ほどでしょうか。

あとは測量、それを紙に書けるように数値を検証しながら現場の枠図をつくる、植栽プラン作り、工事明細作り、仕様書作り、排水・散水システムの検証などに裂かれることが多く、「ガーデンデザイン」という言葉の響きからは随分かけ離れています。

英国人であればナルホドという常識的なことも僕にはそういうバックグランドがないので、工事明細作りや仕様書作りは正直言って半分くらいしか理解できていません。

デザインも平面図、立体図、断面図、植栽図、構造物仕様図など描かねばならないものが多くていつもくじけそうになります。

特に今回のように勾配のきつい場所のデザインは更に大変です。
デザインのクラスメートの友人も火曜日の夜はいつも憂鬱な気分になるとこぼしていました。

こんなメールを書いているというのは少々行き詰っているからでしょうか・・・。

2011年7月14日木曜日

2000年07月01日 「終了」

昨日畑の審査がありました。

1等賞に選ばれました。

感激です。

思えば昨年の秋コース開始と同時に3×8メートルの細長い畑を与えられ、前年度の生徒が残していった荒れ放題の畑を整地し、馬糞などの有機物を鋤きこむ一方で温室で苗の準備をし、耐寒性のある野菜は2月に直播きし、5月には温室から苗をだして畑に植え替え、雑草取りや水遣りといった世話をし、ついに昨日の評価の日に至ったわけです。

小学生のころアサガオ程度は育てたことはありましたが本格的に屋外で種から育てたのは初めてです。

当初は授業で行われる一連の作業の理由、理屈、用語もサッパリ分からなかったのですが、この一年で園芸全般に共通する原則を学んだ気がします。

そして毎日彼らに水をやったり、成長を確認したり、畑にでて雑草を取ったり、ナメクジを取り除いたりするうちに、なんとも言いようのない愛着がわいてきて3×8メートルに植わっている花や野菜たちが心から愛おしくなりました。

愛おしさが裏目にでた部分もあって、例えば水遣りでは「オマエ達、たっぷりやるからネー」と可愛さのあまり少々たっぷり過ぎて根腐れを起こしたこともありました。

僅かながらの経験ではありますが、教科書や授業の理論だけではカバーできない多くを学んだ気がします。

そんなわけで昨日の評価はひたすらに嬉しかったです。
一年間やってきたことが認められたわけですから。
夜はクラスの仲間と担任の先生とまたしてもパブに繰り出して浴びるほど飲みました。

そんなことで一年のコースを終えようとしています。

2011年7月13日水曜日

2000年06月27日 「腰」


最後のレポートも今日ですべて終わって後は畑を入念に仕上げる・・・計画していたら、この週末にあまりに熱心に草むしりをしていた結果かなり深刻な腰痛になってしまいました。

昨年の今頃も植木屋修業中に持病のヘルニアが再発し、謎の「名」鍼灸院に通ってなんとか回復したのですが、ここはヨーク。
鍼灸院があるわけもなくひたすら治まるのを待つしかありません。

寝返りするのもキビシイほどで寝ていても痛みで目が覚めてしまうほどです。

困りました。

歩いていてもヘッピリ腰でとてもカッコ悪いです。
とはいっても少しずつは快方に向かっているようなので水曜日の午後くらいからは畑に戻れると楽観的に思っているのですが。

試験などから解放されて心置きなく畑いじりができると思いきやなんたること。
何事もホドホドにということでしょうか。

では、次回は畑品評会報告をさせていただきます。

2011年7月10日日曜日

2000年06月22日 「夏至」


御無沙汰しております。お元気ですか。

昨日ようやく試験が終わりました。

合計8科目、4日間の試験でした。
毎度のことながら、試験そのものに対する準備に加えて設問を理解する準備、それを英語で表現する準備もしないと対応できないためドッと疲れました。

「×××について定義せよ」などというのは丸覚えするしかなくて、何度も何度も繰り返し紙に書いてカラダで覚えました。
あまりに覚えがよくないので、書いた紙を食ったろかと切羽詰ったものです。

ここ一ヶ月はレポートと試験勉強におわれほとんど寮から出ることがなかったので、この週末は久し振りにヨークの街の空気を吸ってこようかと思っています。

試験一週間前より「禁酒」を敢行していたため、試験から解放された昨日はクラスの友人3人と夕方5時から夜12時までパブに繰り出して浴びるほど飲みました。

その内の一人であるロブ君は酔って寮にもどると普段寮の若いやつらが深夜まで騒いでなかなか寝付けなかったので「今日はオカエシだ!」といって寮の廊下を大きな足音をたてて徘徊し、挙句にイスを廊下に投げつけてて日頃の鬱憤を晴らしていました。

学校は7月7日までなのですが、試験が終わった今となっては授業はほとんどなくて2つのレポートとガーデンデザインの課題を描くという程度です。

6月30日にはひとりひとりに与えられた畑の最終評価がくだります。
まだ寒いころから温室にて種まきをして愛情を注いできた花たちもいよいよ最終評価を受けるのかと思うと感慨もひとしおです。

審査の日には畑の縁の芝を刈り込み、畑の雑草を取り除いてピッカピッカの状態にします。
評価は学校の先生はもちろんですが外部からも審査員を招いてのビッグイベントになるとのこと。

花部門、野菜部門のふたつに分かれてそれぞれの部門で1~3位の賞が設けられていて、特に優勝となるとこちらの履歴書に書くだけの価値があるのだそう。
実は花部門にはかなり自信があって優勝を狙っております。

昨日6月22日は夏至で日没は21:30ころだったでしょうか。
夕食後にも畑仕事ができてとてもいい季節です。

花もこれからがベストシーズンですので学校が全て終ったらいろいろ見てまわろうと思っています。

一方で今日からまた冬に向けて日が短くなっていくのだなぁと思うと切なくもあります。
ともあれ無事に試験を終えてコースも終わりに近づき元気にやっておりますことを御報告申し上げます。

2011年7月9日土曜日

2000年04月28日 「雨降って地かたまる」


こんにちは。

イースター休暇も残すところわずかとなりました。

その後はさして外出もせずひたすら宿題、これまでの復習に真面目に取り組んでいます。
それにしても宿題はやってもやってもキリがないのでホトホト嫌になっちゃいます。

食堂もお休みのためスーパーマーケットで食パン、マーガリン、ハム、マスタードなどを買ってきて朝と昼は簡単なサンドイッチを作り、夜はパブに出かけたり、はたまたフィッシュアンドチップス、あるいはインスタント食品でしのいでいます。

最近はよく雨が降るのですが、一日中シトシトと降るのではなく夕立のようにパッと降ってサッと上がったり、もしくは細く細かいまとわりつくような雨が半日降ったりといった感じです。
そんな中、今日は久し振りに晴れ間が午前中広がったので学校の自分の畑にいって手入れをしておりました。

学校の中に8x3メートルの畑を与えられ、実際に花や野菜を育てるなかで実践的な園芸テクニックを習得し、かつそれらの評価を受けるというものです。

畑の半分で花、残り半分で野菜を育て、花の部分は小さいながらもデザインを施した「ガーデン」です。

野菜の半分は直播きで、半分は温室でしばし育てて霜害のおそれがなくなった頃に外に移植します。

畑は当初与えられたときには前年度の生徒の残した野菜や雑草が繁って荒れ放題だったのですが、それら全てを取り除き、耕して馬糞などの肥料を鋤き込み手間と暇をかけて今の形になりました。
手間を掛けていくうちに徐々に愛着が沸いてきて、ほぼ毎日畑に行って様子をみるのが日課になりました。

これまでこういったことが趣味だったとか、好きだったというわけでもないのに不思議なものです。
畑にはカメラを持参して、その成長に目を細めながらシャッターを切ります。
我が子の運動会にビデオを持っていって熱狂する親みたいなものでしょうか。

全て順調で平和かというと否で、直播したソラマメは芽を出したと思ったら鳩が食い散らかしていき、友人のソラマメは壊滅状態でした。その他リスやウサギたちもウロウロしていて英国に来た当初は「カワイイー」なんて思っていましたが、今はとんでもありません。
憎っくき敵ですので、見つけ次第大声で追いかけて追い払います。

最近の雨続きで雑草も増えたので、今日は心ゆくまで草むしりをしました。
「雨降って地固まる」とはよく言ったもので、畑の土の表面はこの雨で固く締まっており、植わっている植物を傷つけないように細心の注意を払いながら優しく土をHOEという鍬の一種でほぐしました。

植物を育てるときに土が固まってしまうのは空気や水分が浸透しなくて好ましくないのです。
仕上げに畑の縁の芝をピシッと刈り込んでオシマイ。

ここまで3時間。

気持ちよく働きました。

園芸セラピーというのがあるらしいのですが、これはもっともだなと思います。
自分の手でイチから育てていくというのは愛着もわけば責任感や他人の痛みなども分かることに繋がると確信できます。

明日はハロゲイトという街でフラワーショーがあるらしいので出かけようと思います。
5月には英国最大のチェルシーフラワーショーもあって花の季節本番です。

日本でも淡路島や神宮で大規模なフラワーショーがあるとのことで興味は尽きません。

春本番、お忙しいとは思いますがどうぞお元気で。

2011年6月29日水曜日

2000年03月29日 「BBC日本案内」

妹からのメールで「そんなにくだらないメール書いていてチャンと勉強してるの?」というスルドイというか、ちょっと腹立たしい指摘を受けました。

このメールを書いているのは、日頃日本語で話す相手もここヨークにはおらず、ストレス解消と申しますか、とてもリラックスして楽しい時間なのですが。

今朝食堂で友人から「19:00から日本のことをやる番組があるけど見に来る?」と誘われてBBCの観光案内番組を見たのですがこれが面白かったです。

若いイギリス人女性のレポーターが東京と京都をまわるというもの。
冒頭に「日本は世界有数の長寿国である」「日本では4という数字を忌み嫌う」という大雑把な紹介があり番組は始まりました。

中国風のBGMにのって新宿駅の雑踏のようす、コギャル達の厚底靴の紹介と続き、夜は六本木でカラオケ、宿泊はニューオータニといった具合。

ニューオータニの部屋の窓には障子があり「エキゾチック!ファンタスティック!」と大々的にとりあげ、ベッド脇のサイドボードにあるスイッチひとつで「Don’t disturb」というサインが廊下にでる仕組みで「ハイテクだ!オドロキ!!」と大騒ぎでした。

さらに一行は足を伸ばして芦ノ湖へ。
いざこうやって見てみると、芦ノ湖で運行されている海賊船のような大袈裟な船は説明に困りますね。
友人から「あれは何だ?」と聞かれしどろもどろでした。
白鳥の形をした船は映らなかったので助かりましたが。

京都では清水寺を訪れ「清水の舞台」ではなく「縁結びの石」をとりあげていました。
そんな石のことは見たことも聞いたこともなかったのですが、自分の勉強不足でしょうか。

宿泊は旅館で「ナント、床ニ寝マース!!」とこれまた大騒ぎ。
レポーターは一応浴衣を着ているのですが、どうにもぎこちないのです。
浴衣、着物の似合う西洋人はめったにいませんね。

その後は回転寿司に行って「ベリーナイス」と口で言っておきながら、顔はかなり渋かったのは笑えました。
京都への移動は新幹線なのですが、途中に見える富士山はやはり絶賛していました。

30分の番組のなかの僅か7,8分のコーナーだったでしょうか。

予想通り誇張気味の内容でしたがブラウン管をとおして見る祖国は僕の目にはかなり魅力的に映りました。

2011年6月26日日曜日

2000年03月28日 「ヨークは千葉?」


なんとなく感じていたのですが、ここヨークは千葉に似ているなと。

もうほとんど終りそうなのですが今ジンチョウゲが咲いています。
普段街を歩いていたりしてフワッと風が吹いたりしたときに、その風の温度や肌触りなどでフト昔の一瞬を思い出すことはありませんか?

僕はこのジンチョウゲの香りとまだキリッと冷たい空気のあいまった春独特の雰囲気に無性に胸が締めつけられるのです。

風景を見ていても、昔どこかで見た懐かしい風景というのがあります。
個人的に千葉の外房が大好きで、よく一人でドライブがてら犬吠崎方面に出かけたものですが、道中の農道の雰囲気、牧場や肥料のニオイ、屏風ヶ浦の切り立った断崖、平坦ながらもゆったりとうねった土地・・・。

ときおり感じていたのですが、ジンチョウゲの香りとキリッとした冷たい春風に吹かれていたら、ここは千葉か?と思ってしまったというわけです。

さてサマータイムが始まって最初の月曜日です。
これまでの月曜日とは変わりないのですが、習慣となっている夕方17時の夕食の時間にはまだ燦燦と日が射していて「ハテ今食べたのはなんだっけ?昼食だっけ?」と混乱してしまいます。

ある日を境に「ハイ、今日から1時間変わります」という風変わりな習慣にもこの国の人は慣れているらしく何の混乱もないように見えます。
日本だったら何日も前からテレビ、ラジオ、新聞などで告知が続き大騒ぎするかな、などと想像してしまいます。

1時間変わったのを知らなくて・・・と約束の時間に遅れる人もいるでしょう。
こちらでも混乱を最小限にするために週末の夜中にコソッと時間を調整しています。

それにしても日が長いというか、暗くなってから寝るまでが短いというか不思議な感覚です。

このままですと夏場には明るいうちに就寝となるのではと思ってしまいます。


2011年6月23日木曜日

2000年03月27日 「ミスターサマータイム再び」


現在3月26日21:30です。
日曜日恒例の夕食メニュー、冷凍ピザを平らげたところです。

ピザだけではいかにも身体によろしくないのではと心配になり、セロリひと束75ペンスのところ今日は半額というのを買ってきて半分食べました。

小遣帳をつけているので、今日のそのレシートをみていたら半額のはずのセロリが全額の75ペンスでうたれておりムショーに腹が立ちましたが、とても37ペンスのために自転車で隣村までいく気になれず泣き寝入りしました。

さて3月も残り僅かとなりました。
日の長さもこの前読んだ新聞によりますと日の出5:54、日没18:21とありずいぶん延びてきました。

今朝起きてパソコンのスイッチを入れると 「サマータイムを調整します・・・」 と前回サマータイム終了時と同様の賢いメッセージが出てきて、ラジオをひねるとやはり自分の時計より世間は1時間進んでいました。

これからどんどん日が延びるのかと思うとワクワクしますね。

まだ経験がありませんが夏の最盛期には夜10時過ぎても明るいのだとか。

楽しみです。

というわけで、今日から夏時間という平和な日曜日でございました。

2011年6月21日火曜日

2000年03月24日 「闘っています」


植物の名前を覚えるのに闘っています。

これは授業科目のひとつでPlant Identification Test といって毎週20個の植物が課題として与えられ、試験の時には机の上に並んだ植物をみてラテン語でこれは何かと解答用紙に書き込むというものです。

僕は要領が良くないのだと思いますが、この試験の準備にかなりの時間を費やしてしまいます。

まず全体をつかみ、そしてスペルを覚える、次に写真で撮影した20個の植物たちをパソコンで眺めながらこれは何と紙に何度も書いてカラダで覚えるわけです。
一度カラダに浸透したらあとは反射的にパッパッと答えられるようになるまで反復して試験にそなえます。

いつも高得点連発のデキル女の子に食事のときに、試験準備にどのくらい準備するのか尋ねたところ「そうネー90分くらいかしら」と人の苦労も知らずに涼しい顔。
羨ましい反面、ちょっとムッとしてしまいました。

この学名のラテン語というのは普段の生活には一切接点がなくて、もはや理屈ではなく丸覚えするしかないように思われます。
寿限無寿限無のようなもんです。

せめて日本語でヒノキと言ってくれれば90分で20個覚えられると思うのですが Chamaecyparis と言われても「チャマエシィパリス」とそのまま発音して、更に「お茶をパリで飲む」「朝飯前=お茶飯前」のようにかなりひねった連想記憶術まで動員せねば頭に入らないのです。
ときどきひねりすぎて自分でも訳が分からなくなることがあります。
ヒノキ=Chamaecyparisと頭の回線が繋がるように鋭意努力中です。

因みに植物名には「科」「属」「種」「品種」とありますので、Chamaecyparisで満足してはいけません。
CUPRESSACEAE Chamaecyparis lawsoniana “Winston Churchil”とここまで覚えねばならないのでございます。
属は大文字で始まり、種は小文字、品種は大文字で始まり更に「“ ”」をつけねば減点です。
当然スペルミスも減点。

そして切ないのはこれだけ苦労して覚えたものを忘れるスピードの速いこと。
ひとつ試験を終えて次の週の準備に取り掛かるころには、ついこの前覚えたのを半分以上正確に思い出せないというていたらく。

僕の現在の年齢からすると記憶モノは明らかに限界があると思い知る今日この頃です。