どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2011年7月23日土曜日

2000年07月12日 「畑その後」



言いようのない深い悲しみと虚無感に沈んでおります。

何かと申せば、畑あらしがあったのです。

そもそもの起こりは畑の評価のあった日の夜に学校の講堂で「Summer Ball」(夏の舞踏会)といって皆が着飾って深夜まで飲んで踊って騒いだ晩があったのですが、その晩に誰かが畑に侵入して畑を踏みつけたり花や野菜を引っこ抜いたりという事件がありました。

そのときは幸いにも僕の畑は被害にあわずにすみました。
当時クラスの皆は「ヒドイっ!!」とかなり憤慨したものですが、犯人も分からず手も足もだせませんでした。

その後学校の授業が終了するのにともなって、何人かは自分の畑から早々とレタスやソラマメなんかを収穫していくものもいました。

それは自分の畑で自分が育てたものだけにするのが人の道ってものですが、僕の畑をある日よくよく見てみると大きく育っていたソラマメがあらかた摘まれてしまっていました。

腹は立ったのですが、苗は無事だったのでまた育つだろうと前向きに考えて溜飲を下げました。

そして昨日。
雨の中ちょっと様子を見にいくと8個植えたレタスのうち育ちの良かった3個がなくなっていました。

全身の力が抜けて、めまいすら覚えました。

なんでこうなんでしょうか?
見つけたらぶっ飛ばしてやると思うものの終日畑にいるわけにもいかず手の施しようもありません。

育てているときはマメを鳩から守り、レタスにつくナメクジを取り去り、赤カブを好物とするウサギを追い、アブラムシを寄せつけないように腐心して丹精込めて育てた野菜の最大の敵が「人間」であるとは!

おお、神よ!!(ちょっと大袈裟か)

この悔しさは最近ちょっとない悔しさです。
夏休みの間この学校の寮に残るので引き続き水をやり雑草をとって、これから咲く花を愉しんで野菜の収穫もして・・・と楽しみにしていたのに残念です。

ヘンにこの畑に愛情を注ぎ過ぎたのかもしれません。
たかが畑、もっと気楽に考えれば。
いやーそんなことはないな。
やっぱり盗った人が悪いと断じる次第です。

悔しいッス。

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