どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2011年7月9日土曜日

2000年04月28日 「雨降って地かたまる」


こんにちは。

イースター休暇も残すところわずかとなりました。

その後はさして外出もせずひたすら宿題、これまでの復習に真面目に取り組んでいます。
それにしても宿題はやってもやってもキリがないのでホトホト嫌になっちゃいます。

食堂もお休みのためスーパーマーケットで食パン、マーガリン、ハム、マスタードなどを買ってきて朝と昼は簡単なサンドイッチを作り、夜はパブに出かけたり、はたまたフィッシュアンドチップス、あるいはインスタント食品でしのいでいます。

最近はよく雨が降るのですが、一日中シトシトと降るのではなく夕立のようにパッと降ってサッと上がったり、もしくは細く細かいまとわりつくような雨が半日降ったりといった感じです。
そんな中、今日は久し振りに晴れ間が午前中広がったので学校の自分の畑にいって手入れをしておりました。

学校の中に8x3メートルの畑を与えられ、実際に花や野菜を育てるなかで実践的な園芸テクニックを習得し、かつそれらの評価を受けるというものです。

畑の半分で花、残り半分で野菜を育て、花の部分は小さいながらもデザインを施した「ガーデン」です。

野菜の半分は直播きで、半分は温室でしばし育てて霜害のおそれがなくなった頃に外に移植します。

畑は当初与えられたときには前年度の生徒の残した野菜や雑草が繁って荒れ放題だったのですが、それら全てを取り除き、耕して馬糞などの肥料を鋤き込み手間と暇をかけて今の形になりました。
手間を掛けていくうちに徐々に愛着が沸いてきて、ほぼ毎日畑に行って様子をみるのが日課になりました。

これまでこういったことが趣味だったとか、好きだったというわけでもないのに不思議なものです。
畑にはカメラを持参して、その成長に目を細めながらシャッターを切ります。
我が子の運動会にビデオを持っていって熱狂する親みたいなものでしょうか。

全て順調で平和かというと否で、直播したソラマメは芽を出したと思ったら鳩が食い散らかしていき、友人のソラマメは壊滅状態でした。その他リスやウサギたちもウロウロしていて英国に来た当初は「カワイイー」なんて思っていましたが、今はとんでもありません。
憎っくき敵ですので、見つけ次第大声で追いかけて追い払います。

最近の雨続きで雑草も増えたので、今日は心ゆくまで草むしりをしました。
「雨降って地固まる」とはよく言ったもので、畑の土の表面はこの雨で固く締まっており、植わっている植物を傷つけないように細心の注意を払いながら優しく土をHOEという鍬の一種でほぐしました。

植物を育てるときに土が固まってしまうのは空気や水分が浸透しなくて好ましくないのです。
仕上げに畑の縁の芝をピシッと刈り込んでオシマイ。

ここまで3時間。

気持ちよく働きました。

園芸セラピーというのがあるらしいのですが、これはもっともだなと思います。
自分の手でイチから育てていくというのは愛着もわけば責任感や他人の痛みなども分かることに繋がると確信できます。

明日はハロゲイトという街でフラワーショーがあるらしいので出かけようと思います。
5月には英国最大のチェルシーフラワーショーもあって花の季節本番です。

日本でも淡路島や神宮で大規模なフラワーショーがあるとのことで興味は尽きません。

春本番、お忙しいとは思いますがどうぞお元気で。

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