どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2012年10月31日水曜日

2002年02月11日 「連休でしょうか」


さて今日は日曜日でしたが、植物園の週末当番だったために普段どおりに働いていました。

週末の当番は必ず二人一組でやることになっていて、今日の相棒はジョンでした。

昼飯のときに「今日仕事が終ったらウエルニーに野鳥の餌付けを見に行かないか?」と誘われ、仕事終了後、ジョンとジョンのお母さんを乗せて3人でウエルニーという湿地帯にある野鳥センターに餌付けを見に出掛けました。

ここは以前一人で出掛けてバードウオッチングの楽しさに目覚めた場所で、今の時期はアイスランドから白鳥が大群で飛来し、自然保護団体が決まった時間に餌付けをするのです。

観察小屋には餌付けの一時間半前に到着し、特等席を確保しました。

その後どんどん人が増えて18;30の餌付け開始時刻には押すな押すなの大盛況でした。


あたりが漆黒の闇に包まれた中で投光機に照らし出された水面におびただしい白鳥たちが餌が今か今かと待ち構えているのが分かります。

暗闇に白鳥たちの白い身体がまるで浮き上がるかのように目に映り、とても幻想的な光景でした。

普段植物ばかり追いかけているので、とても新鮮で楽しいひとときでした。

折角ですので写真を添付します。
フラッシュを使わなかったので手ぶれ写真になってしまいましたが雰囲気は伝わるでしょうか。

それでは楽しい3連休をお過ごしください。




2012年10月19日金曜日

2002年02月10日 「オリンピック開幕」


冬季オリンピック開幕といいながらも、テレビのスイッチをひねるとオリンピック番組はとても少なく、「ハテ、本当にオリンピックは始まったのかしら?」と首を傾げたくなります。

恐らく英国はスキーをはじめとしてウインタースポーツは今ひとつ盛んではないためではないかと想像しております。

もしこれがノルウエーなどの北欧三国あたりであれば伝えかたが違うだろうにと思います。

今日は何といっても「マーガレット王女死去」が国内のトップニュースでした。

街を歩けばそこら中に半旗が掛かっていて事の重大さがうかがえます。

今テレビではオリンピックそっちのけで盛り上がっているのは「ポップ・アイドル」という番組です。恐らく。

これはロングランの歌謡オーディション番組で、ン万人に応募者の中から予選をくぐり抜け、本選を勝ち抜いた参加者が、ふるいに掛けられて毎週一人ずつ落選し、ついに最後に残った一人がポップ・アイドルとしてデビューするというものです。

この落選を決めるのが視聴者からの電話投票で週を追うごとに熱を帯びてきて、今日がその決勝の日なのです。

決勝に残った二人はウィルとガレスという男性2人。

なんでこんなに詳しく知っているかといえば、新聞をはじめテレビ、ラジオなどマスコミの取り上げ方がスゴイので嫌でも知るところとなったのでした。

大衆紙であるザ・サンはいうに及ばずいわゆる高級紙であるザ・タイムズといった新聞、そして番組主催の局に限らず各放送局でもこの1週間は「ウィルか、はたまたガレスか?!」「アナタはどっち派?」とウルサイことウルサイこと。

まっ、平和なんですね。

さて改めて驚くべきは2002年も1ヶ月がアッという間に過ぎてしまったということです。

ウーン、早い、早すぎる。

1月は何をしていたのかと言えば、改めて振り返るに大したことは何もしておらず、淡々と植物と向かい合う、そんな日々でした。


しいて言えば、ケンブリッジ大学の単科コースで「庭園史」の受講をしているのですが、これのレポートの締め切りが1月末ということで提出のその日まで「ああでもナイ、こうでもナイ」とすったもんだしておりました。

6週間ほど前にやや小型のレポートの締め切りがあって、この時に段取りを誤ってかなりあたふたしたのを教訓に、今回は締め切りの10日前には完成して高笑いしておりました。

ところが時間があったので何度も読み返しているうちに「アラ、ここはこれよりもこっちの表現のほうがステキなのではなかろうか」とか、「ここにもっとダイナミックな意見を大胆に取り入れた場合、ものすごくアピールしちゃったりして」とか、こう後から後から修正のアイディアが湧いてきて収拾がつかなくなり、とうとう提出の前夜まで手直ししていたというわけです。


この庭園史のコースを受講して改めてイギリスの庭の奥深さと申しましょうか、イギリス人の古いもの嗜好が伺えたのでした。

フィールド・トリップと称した野外授業では16世紀頃の領主の庭園を実際に訪ね、その保存、維持、回復にまつわる話を聞いて彼らの情熱に圧倒されました。

感心半分、あきれ半分ってところでしょうか。

よく言われることですが本当に古いものを大切にしていて「古いことは良いことだ。ついでに古きゃあ古いほうが良いのだ!」という国民性のようです。

私の住んでいるボロアパートも竣工1870年ですから、堂々の「築132年!!」ということになります。

古いのは良いが、寒さとカビをもうちょっとどうにかしてくれと言いたいですが。


そんな寒さはまだ和らいだとは言えませんが、春の予感がここそこに感じられるようになってきました。

なんと言ってもスノードロップ、クロッカス、スイセンなどの春を告げる球根類が順番に見ごろを迎えようとしていますし、モクレン、ウメなどのつぼみもかなりスタンバイしています。

日照時間も日に日に延びてきて、現在は日の出07:26、日の入17:04と最盛期には16時前に真っ暗だったことを思えば格段の進歩と申せましょう。

そんな2月の模様を徒然なるままにお知らせしました。

どうぞ楽しい3連休をお過ごしください。





2012年10月14日日曜日

2002年02月05日 「スリップダウン」



お元気ですか。

私はちょっと風邪を引きまして、ダウンというほどでもないのでスリップダウンといったところです。

先週の木曜深夜と申しますか、金曜の未明、就寝中に何か背筋にゾクゾクするものを感じたのですがそれ以来調子がすぐれません。

先週末は植物園の休日当番に当たっており、土日ともに平常どおりに働き、月曜日にはかなり足元がフラフラで、午前中に温室に水をやったところでギブアップして帰ってきてしまいました。

そして今日、火曜日は喉が異常に痛んだために大事をとって仕事を休み、先ほど起きたところです。

まぁ風邪ですので放っておきゃぁ治ると信じて気楽にしています。

昨日はほとんど何も口にせずに床に就いたため、かなりの空腹を感じて「とり雑炊」を作って食べました。

風邪で頭もボーッとしているというのに我ながらマメな奴です。

消化と栄養を考慮し、かつ冷蔵庫の備蓄食料を眺めて作ったのですが、ことのほか美味しくて身体も暖まりウムウムと頷きながらモクモクと食べました。

食べ終えた後は食器も洗わねばならず、風邪でだるいので後回しにしようというサボリ心も芽生えないではなかったですが、料理、食事、後片付けが一つの動作としてもはや身体に染み付いているようで、チェッと舌打ちをしつつツイツイ全てを洗い終えてしまいました。

僕は薬はあまり好きではなく、よほどのことがないと口にしないのですが以前風邪をひいて辛かったときに買った薬の残りがあったので飲んでみました。

「LEMSIP」という、そこら中で売られている一般大衆風邪薬で、幾つかのシリーズがある中の「Max Strength」と謳ってある一番効きそうなやつです。

これは顆粒で、マグカップに入れてお湯を注いで飲むというもので味はレモン味。

まぁ気休めですね。

そんなわけで健康バカが売りの私ではありますが、ちょっとつまづいて平日の昼に手持ち無沙汰になり、このメールを書いています。

こんな日に限って窓の外は快晴!! 

神様はなかなかイジワルです。