どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2015年3月20日金曜日

2004年08月08日 「暑中お見舞い申し上げます」


暑中お見舞い申し上げます。

東京では40度を記録したなどと聞いていますが、お元気でしょうか。

当地も涼しさがウリの国の筈ではありますが、さすがに最近は28度、29度あたりを行ったり来たりの日が続いています。

日本に比べればたいしたことはありませんが、それでもそれなりに湿度も高く不快といえば不快。

我がオンボロ車にはエアコンなんてものは付いていませんので、日中に車に乗る際は窓全開にして背中を背もたれにつけずにアクロバティックな姿勢で運転しています。

背中をつけると大量の汗をかいてしまいます。

そもそもこの国にはエアコンというものはあまり必要がなく、一般家庭にエアコンが付いているというのは稀ではないでしょうか。

車にしても「メルセデス」「サーブ」「ボルボ」あたりには付いているでしょうが、一般大衆車にはそんなものはありません。(でした)

しかし、ラジオに流れる車のCMを聞いてみると「エアコン標準装備デス」と謳う車が増えてきましたので、その辺で差別化を図ろうという魂胆だと思われます。

当然にして我が家にもエアコンなんてものはありませんので、現在は部屋の窓を全開でこれをしたためています。

さて、「試験が終わりましたぁ」などとメールを書いて一ヶ月以上経ちます。

試験が終わり、ドイツのボンに研修に出掛け、その後叔父叔母が来英、しばらくおいてその後ケンブリッジ大の植物園の仲間の結婚式、そして毎年恒例行事となったケンブリッジのフォークフェスティバル・・・・とまあなんだかんだと慌しくしていました。

その間メールを送ろうとしたところ、原因不明の送信不可能症候群に見舞われ、「送っても送っても送れない」困った状況に日々悶々としておりました。

この送信不可能症候群をロンドン在住の日本人のお医者様に相談したところ(シャレじゃありませんよ)、相談後約一週間たった今日解決法に関してアイディアを頂戴し、こうやって久し振りにメールを送ることが出来ている訳です。

ありがたや。

書くことはいろいろありそうなもんですが、ありすぎて何から書いたものやらですので、まずは最近のことをふたつ。

「ケンブリッジ・フォーク・フェスティバル」と「ロンドン・ビア・フェスティバル」。

フォークフェスティバルはケンブリッジに暮していたときの隣人ビル君とその仲間に誘われて3年前に行ったのがきっかけで、以来毎年恒例行事になっています。

今年が3回目(フェスティバル自体は今年40回目)で、木、金、土、日の4日間。

近所の広大な空き地が「キャンプ地」として提供され、僕らはここにテントを張り、朝起きて朝食をとった後、うだうだ、ゴロゴロと新聞を読んだり、早々とビールを飲んだりし、昼頃から会場に繰り出した後はひたすら呑み、無駄話をし、日光浴をし、演奏を聴く・・・。

これを4日間繰り返します。

食事は4日間屋台などのいわゆるジャンクフードで、さすがに4日目にはいささかゲンナリですが、なんのなんの。

日曜日の23:00頃にフィナーレとなり、そのままテントで最後の一泊をして、月曜にはいそいそと荷造りをし、久し振りにケンブリッジでノンビリしたいのを堪え車を飛ばしてキューまで戻ってきました。

その月曜日の夕方には今期最後の植物名の試験があったのです。

悲しきかな、学生。

ビアフェスティバルはつい昨日の話。

そもそもビアフェスティバルというのはCAMRA (Campaign For Real Ale)という地ビール振興会みたいな団体が主催しているもので、各地の地ビールを集めて開くビール祭りのこと。

各地で規模もまちまちであるのですが、このロンドンのオリンピアであるのが規模も最大(450種のビール!!)で「ウーム、一度は行ってみたいものだ・・・」とかねがね思っていたので、ついに念願かなったという訳です。

会場は「見本市」などが開かれる大型の体育館のような場所で、その場に酔払いが2000人以上はいたでしょうか。英国各地のビールをハーフ・パイント(284cc)を勘に頼って10杯程飲んだでしょうか。

440種飲み損ねてしまっているっ!

いつものことながら、味がちゃんと分かるのは最初の3杯くらいまでで後は、ご機嫌な酔っ払いのオッサンと化してしまうので困ったものです。

英国最大を謳うだけあって、ビールの品揃えもさることながら、関連グッズ(シャツ、小物、グラス、アンティーク品など)販売も充実しており、更に「パブ・ゲーム」(一回1ポンド払い、輪投げであるとか、積み木崩しだとかで点数により賞品が貰える)という、たわいもないゲームに興じたりムードは予想をはるかに超えたイイモンでした。

一緒に行ったクラスメートのクリスと二人で「閉店」まで堪能してきました。


普段の節約生活をよそにかなり散財した気がしますが、まあこんなのもたまにはよろしいかと。

ビア・フェスティバルの会場の写真とすっかり出来上がってしまったワタクシとクリス君の二人を暑中お見舞いがわりにお送りいたします。

暑い最中と思いますがどうぞお元気で。

では、また。