どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2011年6月10日金曜日

2000年03月19日 「ステーキを食った話」


昨日土曜日は終日学校の先生の自宅へ行って庭造りを手伝ってきました。

「植栽をしたことがあるかい?いい勉強をさせてあげるよ。」と金曜日に声を掛けられてふたつ返事で引き受けました。
土曜日の朝先生が寮まで迎えにきて、どこに行くのかと思えば先生の自宅だったというわけです。

車で30分ほどの田舎村のその家には半年ほど前に引越したそうで、季節も良くなり余裕も出てきたのでいろいろ植えようということになったそう。植栽エリアの広さはせいぜい10x10メートルくらいでしょうか。
そこに数種類の低木と球根類を植えて、さらに一番日当たりの良い場所に座って落ち着けるスペースを作り、花壇の周りをレンガで縁取りするという作業内容です。
疲れましたが天気がとても良く、働いていて心地よかったです。

使用した一輪車、シャベル、フォークなどの道具類はよーく見ると「あれっ、コレ学校の備品じゃない?」ってことでかなり公私混同型の先生であることも判明しました。

昼はその村にあるフィッシュアンドチップス屋で満腹、大満足の昼食を御馳走になりました。
労働のあとは何を食っても美味いものです。

庭を完成させ、その足で近所のパブにいってビールを御馳走になっていると、「今晩は何を食べたい?」と聞かれ「オオッ、夕食まで!」と感激し、先生行きつけのドイツ料理の店に連れて行ってもらいました。
しかしドイツ料理って何だ?シャウエッセン的なソーセージくらいしか思いつかずメニューを見ていると、Steakの文字が。

思えばこちらに来てからというもの普段は学食のお粗末な「お味は二の次、量で勝負」の食事、休みの日はフィッシュアンドチップス、冷凍ピザ、菓子パン程度しか食べていなかったので、ググッとこのステーキにひかれました。
しかしここでステーキというのもずうずうしい気がしてためらっていると、先生が「このステーキにしようかな。」と言いましたので、ここぞとばかり間髪入れず「僕もそれでお願いします。」と便乗しました。

目の前に運ばれてきたステーキはニンニクの香りがたち、鉄板がジュージューといっています。
無言でひたすらステーキにかぶりつきました。
ここでまたしてもフライドポテトがでてきたのですが、ここはひとつ白いゴハンが食べたいものだと少々切なくなりました。
しかし、そんなことはさして問題ではありません。
「久し振りに肉食ったどーっ!」とカチドキをあげたくなるほど胸が高鳴りました。

ステーキといっても腰が抜けるほど高いわけでもないのですが、持ち前の貧乏性と申しますか、節約魂がそれをかなえさせないだけの話なので今後はたまにはこういったものも食べてみようかなと考えさせられる出来事でした。


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