昨日ビール祭(Beer Festival)なるものに繰り出し、これが結構面白かったので謹んで御報告申し上げます。
アパートの隣室のビル君と近所のパブで飲んでいたときに、ビール祭というのがあってこれが絶対オモシロくてオススメなので今度ベリーセントエドモンズ(Bury St.Edmunds)であるビール祭に行こうよ、という誘いをいただきました。
このベリーセントエドモンズというのはケンブリッジから電車で40分ほど西に行ったところにある雰囲気の良い田舎町で、夕方仕事が終ってからビル君と出掛けました。
駅に降り立ってビール祭会場への行き方を駅員に尋ねると「ビール祭会場へはこの道を真っ直ぐ。そうね、20分も歩けば着くよ。でも帰りは倍の40分は掛かるだろうけどね。ガッハハハ。」と豪快に笑いながら教えてくれました。
どうやら帰りは酔っ払って千鳥足になるので倍以上時間が掛かると言いたかったらしく、これがイングリッシュ・ジョークというやつでしょうか。
教えに従って真っ直ぐ歩くと街の中心地の広場に出て、それに面した公民館が会場でした。
これからイヤってほどビールを飲むというのに、ビルはその会場の横にあるパブを指して「あれって英国で一番小さいパブらしいんだけど、せっかくだからあそこで一杯どう?」と言うので、ハーフパイントをウォーミングアップ代わりに飲み干し気合を入れていざ会場へ。
会場に入るには既に小さな列ができていて、入場料2ポンドを払い階段を上がって会場へ。
会場の入り口では更に1シートあたり4ポンドのビール回数券と、1パイントグラスのマイグラスを購入します。
このマイグラスはこのビール祭オリジナルでお土産に持って帰ることもできるし、返却すればデポジット2ポンドを返してくれます。
1パイントのこのグラスには丁度半分のあたりにハーフパイントの線が入っていて、自分の好きなビールの銘柄の樽まで行ってハーフパイントかワンパイントなのかを告げてその分のチケットを差し出すというシンプルな方式です。
どういったビールがあるのかというリストを握りしめ記念すべきビール祭第一歩がスタートです。
会場には31醸造所からそれぞれ3銘柄ほど出品されているのですが、それら全てを味わうのは肉体的に不可能なので、リストにある各ビールの説明を読んでだいたいの見当をつけてハーフパイントづつ頼みます。
幸いビルと二人で出掛けましたのでふたりで別の銘柄を頼んで回し飲みをすれば2倍の効率で色んなビールが味わえることになります。
味も色もアルコール度もマチマチで色んなビールで溢れています。
アルコール度数は3.4~9.6%と幅が広く、ホップの効いたもの、モルトの味が強いもの、フルーティーな味わいのものなどバラエティに富んでいます。
値段は一般的にアルコール度に比例しているようでした。
会場で知り合った酔っ払いのオジサンが飲んでいた9.6%のビールをちょっと分けてもらいましたが、ビールの概念を覆す味でした。
会場はおおむね酔っ払いが席巻しているのですが、それでも普段パブで見かけるように会話に熱中するひともいれば、ビールリストに何やら書き込みつつ真剣な面持ちでグラスを傾けるひとがいたりして観察していると飽きることがありません。
皆共通しているのはビール好きだということでしょうか。
会場の隅にはお土産コーナーがあって、コースター、ティーシャツ、傘、バッジ、タオルなどのビール関連ノベルティがところ狭しと並べてあり、僕はコースターのセットとティーシャツをついつい買ってしまいました。
自家製ビール醸造キットなるものもおいてあって、会場はまさにビール天国。
会場に到着して飲み始めたのが19:30で会場を出たのが21:50。
終バスを逃さないように時計を気にしつつ2時間20分で6パイントを飲み、ビルと回し飲みした結果24銘柄を味わうことができました。
しかし短時間でピッチをあげて飲んだため「ウーン、これはホップが効いている割にはまろやかで、どことなく硫黄っぽいが、しかしそれでいて・・・」と御託を並べていたのは最初の数杯で、あとはもう惰性で味は分からなくなっていました。
ビールを飲むだけのために時間とカネをかけてわざわざ繰り出したわけですが、それだけの価値は十分あったと満足して千鳥足で帰ってきました。
5月には地元ケンブリッジでビール祭があるとのことで今からかなり楽しみです。
ビール祭で言うところのビールとはエールビールを指しており、冬は重たく濃厚、夏は軽くてフルーティーといった具合に季節を反映させたり、地元のそれぞれの小さな醸造所が季節感を出しながら地域限定で出しているもので行った先々でその土地のビールを飲むというのは何よりの楽しみでもあります。
日本はゴールデンウイークでしょうか。
本当に良い季節になりました。
どうぞゴールドな1週間をお過ごしください。
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