どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2011年5月6日金曜日

1999年12月11日 「寿司を食べた話」

最近こちらの男性と結婚してヨークに住んでいるという同じ年くらいの日本人女性と知り合いました。

現地情報にも明るく旦那も良い人で、この前は食事に招待されました。
内心日本食を期待していたのですが、伝統的英国料理をおいしく御馳走になりました。

彼女の情報によると「TESCO の寿司はまあまあイケるよ」ということでした。
このTESCO というのは英国を代表する大型スーパーマーケットです。
ヨークでは車でくる人をターゲットにしているせいか結構不便なところにあります。

この前、クラスメートから中古自転車を貰ったので、自転車を飛ばしてTESCOに向かいました。

まずは試しに、なんて言いながら期待で胸は一杯でした。
寿司が売っていそうなコーナーに走ると、ありました、寿司! 
パッケージを見るとちゃんとSushiとあり下手な日本語の字で寿司とも書いてあります。

「オオーッ、オオーーッ!!」

大興奮でその寿司を手にとり5.99ポンド(約1080円)レジに急ぎました。
向かい風もなんのその自転車をエッサエッサとこいで、途中酒屋に寄ってビールを買って寮へと。
もう廊下ではスキップです。
改めて机の上にうやうやしく置いて記念写真を一枚。

赤身の赤がイヤに毒々しいけど、これもマグロっぽくっていいじゃないか、と感激に浸りつつパックを開けました。

「・・・・・・。箸がない。」
「まあいい、そんなこたぁ、スシが食べられれば。」

「・・・・・・。醤油がない。」
「まあいい、そんなこたぁ。まずはこの真っ赤なマグロから。」

パクっと一気に頬張ると
「・・・・・・。マグロじゃない・・・。」

なんとこの赤いものの正体はマグロではなく赤ピーマンをスモーク炒めしたものだったのです。

実際食べてみるとそれは寿司ではありませんでした。
タマゴは一応タマゴですが味付けが微妙だし、とても薄くスライスしてあります。
サーモンはスモークサーモンで半乾き状態。
強いて言えばエビがまあまあイケました。
しかし肝心のゴハンがまずくて、パサパサのゴワゴワ。

食べすすむうちに無性に悲しくなってきました。
遠路はるばる自転車をこいで大枚を叩いた結果がこれか、と。
かえって味覚上の望郷感を呼び覚ましてしまったようでなんともやり切れませんでした。
6ポンドもあればパブで相当贅沢できたのにと後悔しきりです。

しかし、こうやって文化は歪曲されて伝わっていくのですね。
どこをどうしたらゴハンに赤ピーマンをのせて寿司として売ろうというアイディアがでてくるのでしょう? 
責任者でてこいっ!!

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