どうやら夏休みシリーズの様相を呈してきましたが、今回はイングランド北東部のノーサンバランド地方(Northumberland)へ、ケンブリッジの植物園のジョンとマークの3人で「パフィン」という風変わりな海鳥を見に出掛けておりました。
言い出しっぺはジョンで、「パフィンをこのビデオにおさめたいのだ」という要望に従い、マークと僕はこの地方はパフィンは別としても海も山もいける風光明媚な場所なので「行こう行こう」と盛り上がり実現しました。
マークは彼女のヴィッキーを置いてきての3泊4日の旅で、主導権を握られている彼としては大英断の旅です。
天気オタクのジョンが「この4日間は保証するっ!!」と宣言しただけに4日間とも快晴。
海鳥を見る遊覧船ツアー、田舎道のハイキング、庭園巡り、そして仕上げは地元のパブでご当地ビール・・・と4日間はアッという間に過ぎたのでした。
海鳥を見るツアーでナショナル・トラスト所有のファーン島(Farne Island)に上陸すると、そこにはおびただしい海鳥が巣を作り子育てをしています。
子供を守らんかなと、我々の頭をツツキに鳥たちが襲いかかってきます。
最初にビデオ撮影に夢中なジョンが頭をつつかれた時はマークと僕は二人して腹を抱えて笑っていたのが、そのうちにそんな余裕がなくなるくらいに激しい猛攻撃。
船上でガイドが「帽子をかぶることをオススメします」と言っていた意味がようやく身をもって理解できました。
今回もジョンはみせてくれました。
「キャンプはねぇ・・・」と尻込みしていたくせに、初日の夜の天気が良く快適だったことに加え、神秘的な満月と宵闇のなんとも幻想的な空が気にいったようで、毎朝「今日もここにしよう」と自らキャンプ料金を管理人に払いに行っていました。
「いいねぇ、キャンプ。オレも大分アウトドアのベテランに見えるだろう?」とまあ現金なものです。
しかし、彼にとって致命的な大問題がキャンプ生活には隠されていたのです。
それは「バッテリー」。
彼のビデオ狂い振りは時に閉口モノですが、それはバッテリーあってこそ。
通常は3つの予備バッテリーを使い分け一日を凌ぐのですが、3泊4日は無理です。
「どうすんだろうね」とマークと話していたら、ジョンはスックと立ち上がり充電器を握りしめ、やおらお隣のキャンピングカーで来ていたおばさんに、「これ充電してもらえませんか?」。
マークと僕はのけぞってしまいましたが、キャンプ場の人々というのはえてして気さくで、「いいわよ、いいわよ」とジョンをキャンピングカーに招き入れたのでした。
キャンピングカーの窓越しに僕とマークに向かってガッツ・ポーズを見せるジョン。
僕らは更にのけぞってしまいました。
翌朝、ベーコンとタマゴで朝食等といって前日にスーパーで買い出してあったものを料理しようとしたところ、「燃料買い忘れた!!」とジョン。
マークと僕は、朝食諦めモードになったところ、ジョンが再びナベを抱えて、隣のキャンピングカーに。
「火を貸してくれませんか?」といって、見事にベーコンとタマゴを料理してきてしまいました。
様子を見に来たおばさんが、紅茶も差し上げましょうか?と言ってくれマークと僕は大恐縮しつつ「ハイ」と答えると、ジョンは「コーヒーがあったら、コーヒーの方が良いんですが。」
結局、紅茶、コーヒーなどをすすりつつ、美味しい朝食ではありましたが。
そんな笑いの絶えない旅で、一人旅もいいけどこうして気の置けない友人と楽しく旅をするっていうのも良いモンです。
僕はこれからケンブリッジに向かい、土曜日は温室の責任者のロブと奥さんのモニカと3人でサンドイッチで行われている「全英オープン」を観にいきます。
日曜日はそのロブの誕生日で、奥さんのモニカがロブに内緒でパーティーを企画しているとのこと。
来週一杯は、約一年振りにケンブリッジの植物園で働くことになっています。
トレーニーとしての期間を終え、もうこの植物園で働くことは無いだろうと思っていたのに、短期間とはいえ再び皆と働けるということで今からワクワクしています。
あとは引越しです。
この4年間で荷物がおびただしく増えていることに驚かされます。
取りあえずモノゴトを前に進めることが大切だと言い聞かせつつ。
それでは、また。
写真は
1.ホーリー島 (ボートを切って倉庫に。この発想がステキ)
2.朝食準備中
3.英国園芸史上の巨匠、ジーキル女史による植栽とされる庭
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