どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2014年1月14日火曜日

2003年07月05日 「独り湖水地方へ」



スコットランドから戻り、洗濯をし、テント・寝袋を陰干し、間もなく今度は湖水地方に3泊4日で遊びに行ってきました。

何故、焦ったように遊んでいるかというと、今月一杯でヨークを引き払ってしまうと、この英国北部はかなり遠い場所となるからです。

今回の湖水地方は片道寄り道しつつノンビリ行ってもヨークからは3時間。

ガソリンも途中で給油せずにいけます。

日本でもかなり名の知れた観光地ですが、観光の中心地ウィンダミアは避けて、コニストンに2泊、ケズウィックに1泊しました。

起床し、洗顔すると村の喫茶店でフル・イングリッシュの朝食をとり(フライド・エッグ、ベーコン、ソーセージ、ビーンズ、トマト、トースト等)、当日の行動計画を練ります。

今回のテーマは「山歩き」。

朝食後、リュックに雨具、ミネラルウオーター、サンドイッチ、バナナ、チョコレート、双眼鏡、カメラなどを搭載し、18時過ぎまで毎日ひたすら山、谷を歩きまくりるというもの。

幸いに天気に恵まれ、初日以外は汗だくで山を満喫しました。



下山するとテントに戻り、ケチなシャワーを浴び一日の汗を流し、地元のパブへ。

前調査でこの地には1998年の全英最優秀ビールに選ばれた「コニストン醸造所のブルーバード」という地ビールがあると判明していたので、なんとしてもこれを飲むと意気込んで繰り出しました。

適度な運動の後、そして山の良い雰囲気も手伝って、夏風のフルーティーなこのビールはかなり美味しかったです。

ここでビールと一緒にパブで夕食にも手を出したいところですが、現在は超・緊縮財政ですので贅沢は許されず、テントに戻りパン、コールスロー、ワインをやりつつ、日が暮れるまで本、新聞を読む、といったパターンでした。

山歩きのいいところは、「気さくな山男・山女」に会うとういうことでしょうか。

すれ違うたびに挨拶を交わすのは言うに及ばず、立ち止まって話し込むことともシバシバで、これが結構楽しかったです。

特に、チャンとした地図を持っていなかったので、二股路などで「ウーム、右か、左か・・・」と悩んでいるようなときには、ホント親切に教えてくれます。

逆に僕が「コレは××で・・・」と植物のことを教えてあげると、「へー、何でそんなこと知ってるんだい?」と不思議な東洋人だったようです。

しかし、出会ってそういうやり取りをするのは、大抵50代、60代の熟年夫婦で、若い女の子のグループなどには出会わなかったです。

「キャー、お花のことそんなに詳しいんだぁー、もっともっと教えてー」・・・なんてね。

路に迷いそうになっていると前方から短パン、ポロシャツの頭の禿げたおじいさんが通りかかり、これまた親切に教えてくれました。

聞くと、定年になりこの湖水地方に居を移し、老後を山を歩いて過ごしているのだとか。

「じゃ、楽しみたまえ」と颯爽と歩き去ったその老人、カッコ良かったです。

分もああなりたいと憧れちゃいましたね。

そんな訳で、起き、食い、歩き、飲み、寝る、というシンプルな休暇、満足度はかなり高いです。

明日は例の隣村のおばあさんの庭の手入れをして「お小遣い」を少々稼ぎ、来週はケンブリッジのビル君と合流し、ロンドンにコンサートなどを観にいく予定です。

そして来週末は、ケンブリッジからジョン、とマークという二人が遊びに来て3人でイングランド北部のノーサンバランド地方に「パフィン」という風変わりな海鳥を見にいこうといっています。

こんな調子でカレンダーを見ると遊びの予定で、「ビッシリ」です。

一方、4人で暮らしていた我がアパートも既に2人が出て行き、現在50代のおじさんと二人暮らしです。

このおじさんとはあまりウマが合わないので、それが僕の「外出」に拍車をかけているともいえますが。

いずれにしても引越し準備もボチボチ始めねばなりません。

日本は梅雨時の鬱陶しい季節でしょうか。どうぞ体調万全でお元気で。

では、また。
写真は「ひたすら歩いた、快晴の湖水地方」の様子です。



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