どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2011年10月13日木曜日

2000年10月16日 「修了式」


14日は植物園を休んで日帰りでヨークに出掛けていました。
なんでこんな時期に?というほどタイミングがずれていますが、修了式があったのです。

一ヵ月半振りに訪れたヨークは、やはり良いところでした。

人の多さもほどほどで、なぜかしらホッとします。
ヨークの駅から学校まではいつものようにバスに乗って行ったのですが、街を離れるほどに見慣れた田園風景が目の前に広がっていきます。

「良いねぇ。とっても良い。」と胸のなかでつぶやきながら景色に胸を躍らせていました。

時間には余裕をもってヨークに着いていたため、雑事をいくつかこなしたあとにどうしてもヨークでしておきたいことを。

そうです、なんとしてもここヨークで好物のフィッシュアンドチップスを食べておきたかったのです。
ケンブリッジでも何回か試しましたが揚げたてではなかったりと、どれもこれも期待はずれでしたのでなにはなくともフィッシュアンドチップスと決めていました。

魚にコロモをつけて揚げるという至極簡単なことが、同じ英国内でかくも味がことなるのだというのは本当に不思議です。

塩、ヴィネガーをいつもより多めに振って小雨の中をハフハフかじりつきながら歩きました。

学校の講堂の前にはすでに何人かの友人達が集まっていて、近況を報告しあってキャンパスを歩いてまわりました。

自分の丹精込めた畑はすでに今年の生徒に引き継がれ、昨年自分がしたように全てが取り除かれて肥料を鋤き込みつつ耕されている最中でした。

式は14:30から始まり、校長の長い祝辞のあとにひとりひとり修了証を貰います。

その後に賞の授与があり、僕は「ベスト・花畑」ということで賞状、トロフィー、図書券を頂戴しました。

これは本当に嬉しかったです。

カップは甲子園の優勝旗のように一年後に学校に返還しなければなりませんが「1999-2000 MASAYA TATEBAYASHI」とシッカリ刻まれています。
誕生日に約2リットルのビールをイッキ飲みして楯に名前を刻まれたことがあるのですが、それとは重みが違います。
英国に名前を残したような気になりました。

式のあとは英国らしく講堂で紅茶とビスケットが振舞われて世話になった先生やスタッフと談笑してアッという間に時間が過ぎたのでした。

式のあと寮で隣の部屋同士でクラスも同じだったロブ君とパブに行き、お互いの健闘を称えて帰りの電車までの90分間ハイペースで祝杯をあげました。


電車の時間の30分前にパブを出て向かったのはまたしてもフィッシュアンドチップス屋でした。
これまでに1日に2回食べたことはありませんでしたが、当分これが食べられないのだなと思って迷わず注文しました。
駅に向かい歩きながらハフハフと食べたのですが、正直食傷気味ではありましたがそれでも美味しく完食して電車に乗り込んだのでした。


そんな、ヨークってやっぱり良いところと実感できる一日でした。

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