どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2012年5月6日日曜日

2001年07月02日 「7月」



早いもので2001年も半分が過ぎてしまいました。本当に時の経つのは早いものです。

この週末は行動範囲を広げて活動的な週末を過ごしました。

土曜日はイギリスの南部、フランスへの定期船で有名なドーバーという港町に行きました。

ここはホワイトクリフといってよくテレビコマーシャルにでてくる白い切り立った岸壁が続く景勝地があります。
日本でも好きで千葉の九十九里の屏風ヶ浦に繰り出していましたが、それをスケールアップさせたようなところです。

ケンブリッジの家を4:30に車で出ましたのでドーバーには7:30には着いていました。

丘の上に立って海を見下ろすとフランス、ベルギーあたりを行き来するフェリーが沢山見え、水平線にはフランスがちょこっと見えます。
潮の香りを嗅いでそんな景色を見ていると旅心が無性にくすぐられるのでした。

本当の目的は海ではなく、そこから車で1時間ほど行ったところにシシングハーストキャッスルガーデンという超有名庭園があり、どうしてもこの夏の花盛りのころに見てみたいとかねがね思っていたのです。

ここはナショナルトラストという保護団体が管理しており、数ある英国の庭園の中で最も知られた庭だといえます。

案内書によると来園者が一定数を超えると入場制限をするという、ノンビリした英国らしからぬ、いわば人気ラーメン店のようなことが書いてあります。

10時開店、いえ、開園ですので15分前には到着し余裕で入場できました。

入園後に車の中に忘れものをしたことを思い出して駐車場に戻ると、僅か30分くらいの間に駐車場は大混雑で、さらに大型バスも乗りつけてドサーッと人の波が次々に押し寄せてきます。

大型観光バスの一台は日本人観光客を満載しており、お姉さま、おばさま、おばあさまたちがプラダ、ルイビトン、グッチといったブランドバッグもしくはリュックを背負ってあたりを闊歩しています。
不思議なもので日本人男性の姿はほとんど見かけませんでした。

話を庭に戻すとさすがに超有名庭園だけあって造り、デザイン、植栽どれをとってもニクイほど気の利いたものでタメ息がでました。

色んな庭を見てまわっていますが、英国庭園と言ってもなかには「えっ、こんな?」とちょっとヒドい庭もあります。

そして今日日曜日は7:30に家を出てオックスフォードのさらに先にあるコッツウォルズ地方に繰り出しました。

目的はやはり庭です。

ここにもシシングハーストと並び称されるヒドコートマナーガーデンがあります。

ここも大盛況で、またまた大型観光バスが次々と乗りつけます。

さらにここは英国観光の人気スポットであるコッツウォルズにあるため、日本からのツアー客も大挙しておしかけてきます。

庭にて「ほほー」などと感心してバラを眺めていると「ちょっとー、これちょーキレイっ」という会話が聞こえてきて少々興ざめではあります。

ラベンダーの人気品種でここから名前を付けたと思われるヒドコートというのがあるので、さぞやラベンダーで溢れていることかと思いきや今の季節はバラが中心でラベンダーはオマケ程度でした。

コッツウォルズはとても風情のある田舎地方で、そんな有名庭園に行かずともそこらじゅうの民家が立派に手入れをされた庭を持っていて、それがこの地方の特産であるライムストーンという黄色味をおびた石で出来た家屋と絶妙のコンビネーションを醸しています。

車でドライブしているだけでも充分楽しめます。

そんなわけで南へ西へと大移動の週末で2日間の走行距離は1000キロを越えました。

一方シメるところはシメませんといけません。

なので昼食はサンドイッチの弁当を作って持参し、ポットに入れたお湯で紅茶を作って飲むといった節約を。

マナーハウスでスコーンと紅茶をいただきながら・・・なんてのは夢のまた夢でしょうか。



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