こんな題名をつけると、バチがあたりそうな今回の話。
かつて銀行員時代の同期で現在ロンドン支店に勤務している友人が7年の勤めを果たし、この度帰国するということになりました。
彼とはかつてのラグビー仲間でもあり、新人研修以来の仲で、渡英以来もたまに会ったりして、「ああー同期って良いもんだ・・・」と銀行を辞めてしまったにもかかわらず懇意にしてもらい、心強く感じておりました。
そんな彼が今週火曜日イースター休暇明け、帰国直前に催した職場仲間の送別会に招いてくれて、学校が終わるやいなや、相変わらず自転車をかっ飛ばして金融街「シティー」にある飲み屋まで馳せ参じたのでした。
当然ながら皆してスーツ。
山登りみたいな格好をしているのは僕だけでしたが、それでも皆暖かく迎えてくれ楽しいひと時を過ごしたのでした。
「名刺交換」
この風習はサラリーマンを辞め、日本を離れた今はほとんど馴染みがなく、皆の様子を観察しているとなんとも不思議な風情でした。
僕も名刺は貰うものの、差し上げるような名刺などあるはずもなくちょっと肩身が狭い気がしました。
しかしそれにしましても、皆様「デキル」という顔立ち、立ち振る舞い、仕草、語り口で、「ハレー、オレもこの会社に数年前、本当に働いていたのか??」と首を傾げたくなります。
いずれにしても、普段の自分とは全く違う世界を垣間見た気がして、新鮮でした。
さて、ほろ酔い気分で自転車を走らせ気分良く帰宅する途中に、「オオ、そうそう、タマゴ、パン、牛乳を切らしていたのダ」と思い立ち、スーパーに寄りました。
なんだかんだと買って、合計額が9ポンド少々。
レジでカードを使うか、現金で払うか思案した結果、財布から10ポンド紙幣を取り出して現金払い。
レシートを受け取って、荷物をリュックに詰めてスーパーを後にしようとした時に、「アレっ?財布は?」。
全てのポケットに無く、リュックをひっくり返しても無い。
慌てて何度も同じ場所を探しても無い。
そんなバカな!だってつい今レジで財布開けて現金を出したんですよ。
その財布が消えるなんて。
レジのお兄ちゃんに聞いても知らないと言う。
想像するに、レジ台に置いたまんまで、次の客が「ラッキー」と持っていってしまったとしか考えられない訳です。
無いものは仕方が無いと消沈し自宅までたどり着き、冷静に財布に何が入っていたか考えました。
キャッシュカード、学生証、図書館会員カード、プールのメンバーカード、ナショナルトラストのメンバーカード、免許証、スーパーの会員カード。
幸い現金は紙幣無しのコインのみで約300円(幸いというか情けない気もしますが)。
早速銀行に電話するも深夜で繋がらず、翌日朝イチで被害の無いことを確認してストップしました。
気が重かったのは、全てのカードを再発行しなければならないことと、新しく財布を買わなくてはならないこと。
いずれもしなくていいものなら避けておきたい事柄です。
「どうすっかー、今日は新しい財布を買いに行くかぁー。おっと、300円しか無いんだった。買えないよぉ、なんにも。新しいカードが来るまで・・・」
なーんて脳天気なことを考えていたら、今朝の郵便配達が、「書留デース」(配達記録)とやってきました。
「また大家宛てだな」と思い受け取ると、なんと宛名はワタクシ。
ひょっとして!!と思って封を切ると中から出きました、財布が。
カードは全て無事。
コインはどこかへ失せていましたがそんなことは問題ではありません。
差出人の住所を見るとロンドン南東部。
僕が住んでいるのは南西部。
例えるなら、渋谷で失くした財布が足立区で拾われて送られてきたということでしょうか。
それにしても、この国でなくなった財布が出てくる、というか送られてくるなんてのは奇跡みたいなもんではないでしょうか。
そんなことを言うもんではないとは思いますが、なかなかどうしてこの国のモラルはさほど高くないと思われ、自動車のハンドルに盗難防止の鍵を掛けたり、自転車にも大袈裟な鍵をつけたり、家を空ける際のアラームなど、100%平和とは言い難い状況を知っていましたので。
どうお礼したものかとも思いますが、まずはお礼の手紙でもしたためようと思っています。
でも、スーパーで使ったばかりの財布を置き忘れる自分が一番悪いと反省する次第。
これがボケの始まりでないことを祈るばかりです。
春爛漫で花がどうしてもキレイなので今回もちょっと。
シクラメンです。
日本ですと、どうしてもクリスマス時期に鉢植えで見かけるのが多
いですが、地植えのシクラメンは大木の袂(たもと)などの日陰の湿気の多い場所を好みます。
鉢植えと違って、ナチュラルで可憐なシクラメンです。
では、また。