どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2014年2月24日月曜日

2003年07月27日 「10日間」


前略。

現在7月27日午前9時半。

ケンブリッジのジョン宅の居間の床に座り、これを書いています。

18日の午後にヨークを出てかれこれ10日目。

19日(土)はイングランド南部のサンドイッチという街にあるロイヤル・セントジョージに全英オープンを見にいきました。

これは自分としては毎年の恒例行事になっているもので、今回が4回目。

昨年一緒に観戦に行った温室の責任者ロブと、今回はその奥さんモニカも加わり3人での観戦です。

天気は「クソ」がつく程「クソ良く」、昨年の雨の中7月だというのに凍えたのとは大違いです。

やはり自分は「独り派」なのでしょうか。

ロブもモニカも好きなのですが、こういった状況では自分の興味に従って自由にしたいという気持ちが強く、初観戦のモニカが大興奮で朝8時半の到着とともに最終18番のグリーン横のスタンドに陣取り、「ここで全ての選手を観る!!」と力強く主張。

って、ちょっと待ってよというカンジです。

なぜって第一組のスタートは9時でそれが18番に来るのは早くても12時半頃ですよ。

それまでジーっと誰もいない芝生を観ているわけですかい?

ワタクシは二人の気分を害さないように何とかそこを離れ選手の練習の様子を伺ったり、折角の英国を代表するゴルフコースですのでその美しさを堪能すべく歩いたり、パビリオン内のお土産屋をひやかして歩いたりして過ごしました。

あと何ともやり切れなかったのは、二人がアツアツで二人の世界に入ってしまうことでしょうか。

何事かあるとムーチョ、ムーチョとキスをし、アタクシはまさに門外
漢。(オレにもキスしてくれと言っている訳ではない)

例年、観戦していることを知ったロブが一緒に行きたいと言って昨年一緒にいったのが始まりで、そもそもはワタクシの恒例行事なのですゾ、と。

帰路の途中、「来年も行こうね、そして再来年のセント・アンドリュースは楽しみだね」と言っていましたが、ワタクシとしてはフクザツです。

その後は21日~25日まではケンブリッジ大学の植物園で日中は約一年振りに皆と一緒に働き、楽しい汗を流し、夜毎パブに繰り出したり、ケンブリッジの川でパンディングという舟遊びに興じたり、スヌーカーというビリヤードの巨大版をしにいったりと、アッという間でした。

昨日土曜日は、ジョンとケンブリッジから車で約20分のところにあるリントンという小さな街を散策し、その後その街にあるワイナリーを見学。



気候が主要因ですが白ワインしか作れないらしく、最後にテイスティングさせてもらった感想は・・・・、「何も気候の合わないところで無理して作るこたぁないじゃないか」ってところでしょうか。


夕方にはラズベリー摘みに行き二人で約3キロ半摘み、ジョン宅に帰るやいなやジョンの妹のジーン、お母さんのアンと家族総出でジャムを作り、その出来たてのジャムとをトーストにたっぷりと塗りさっき食べたばかりです。

これはシンプルながらウマかったです。

そんな10日間でしたが、これからヨークに帰ります。

今月一杯でアパートの契約が切れるので、荷物を運び出す一方、9月からの住まいがまだ決まらない為、取り敢えずケンブリッジの植物園の事務所の片隅に置かせてもらうことになりました。

30日には完全に引き払い、31日~8月3日はケンブリッジの昨年同様フォークフェスティバルで、4日間テント生活をしつつ、ビールを飲みつつ、フォークミュージックを楽しむ、という計画です。

過密スケジュールですが、全ては「遊び」ですので良しとしましょう

それではまた。