どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2014年6月18日水曜日

2003年10月26日 「最後の晩餐」




ヒジョーに気まずい気分でこれを書いています。

今日夕方植物園から戻ると、ダイニング・ルームに物々しく食器がセットされており、「何事か?」と思っていると、そこに大家さんが。

「今日はネコの送別会なんだ」

またまたガチョーンって感じです。

例のネコ・アレルギー騒動以来、ネコは別の場所で引き取ってもらいます、なんて言っていたもののその後もネコちゃんは居続け、「まさかこのままあと3年ないがしろってことはあるまいな」、と不安を感じつつも「いつネコさんは貰われていくのですか?」と聞くわけにもいかず、どうしたものかと思っていた矢先。

旦那は「気にしなくていいんだ。これでいいんだから」と言いますが、奥さんはやはり何処かやり切れなさそう。

今晩は一応ネコの送別会ということで、ちょっと特別に食事をするんだよ、という説明に、「うわー、なんかとても気まずいカンジ」と、僕はすごすごと自室に引き込み、試験勉強などをしたりしているわけです。

いざネコが居なくなるとなると、キッチンのドアに開けた猫用のフラップ付き出入り口もどこか虚しさが漂います。

これでいよいよこれからは、よっぽどの理由が無ければ引越しはならないという事態になりました。

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と、ここまで書いてメールを送信せずにサボっていました。

今日は10月26日日曜日。

昨晩、ついにサマータイムが終了し、時計の針を一時間戻し、本格的な冬に向けての秒読み体制に突入です。


今年は夏の熱波を始め、全体的に暖かく10月の2週目まで短パンで粘っていたのですが、それでも最近は急に冷え込むようになり、昨日ユニクロ・リッチモンド店にてフリースのエリマキを購入し来る冬に備えたのでした。

サマータイムが終了・・・という話題は何となく毎年メールに書いている気がして、これが5回目ですか。

そうかー、5年も居るのかぁ(正確には5年目)と他人事のように思ってしまいます。

そういえば、ワタクシ、時代の証人となりました。とはいってもそんな大袈裟なものではないのですが。

キューはヒースロー空港に近いこともあり、旅客機がかなりの低空で頭上をバンバン通過して行き、飛行機マニアにはたまらない場所と思われます。

僕も時折ポケモンが描いてあるANAなどを見かけると、「おおっ、母国より12時間掛けて飛んできたのか。ご苦労っ!」と労をねぎらったりします。

金曜日の夕方16:00。

なんと3機のコンコルドが立て続けにほぼ1分おきに頭上を通り過ぎていったのでした。

この日がコンコルドの最後の日となっていて、ヒースロー空港は相当賑わったようです。

まさに轟音をとどろかせながら独特の機影が頭上を駆け抜ける様もこれが最後なのか、と思うと貴重な体験だったかも、と感慨に耽ったりしてしまいます。

今日はこれからケンブリッジの植物園で開催される「アップルデー」というイベントに繰り出し、約2ヶ月振りにケンブリッジ仲間と会う予定です。

写真一枚目は、韓国人のクラスメート、ジューンと紅葉見事なハンテンボクをバックに。
天気良好。

二枚目は、キューの中のクイーンズ・ガーデンにて。
斜めから射す太陽と、厚い雲がなかなかドラマチックなので。

では、また。

2014年6月3日火曜日

2003年09月26日 「ネコ騒動・起承転結」



こんな展開があるとは・・・。

お知らせしていますネコ騒動、意外な展開をみせてきました。

「起」・・・ネコ・アレルギーを承知の上で楽天的に「ま、なんとかなるさ」と入居。

「承」・・・なんとかなるさ作戦が行き詰まり、転居を前提に大家に事態を告白。

とこれが前回まで。

ぼくのシナリオでは、「それなら仕方がない。どこかまた良い所をさがしてね。」と新たなる住まいを求めて引越しをするのだ、と思っていたのですが。

「転」・・・今朝台所で紅茶を入れる大家の旦那さんと鉢合わせになり、「どうだい?調子は」と聞かれたので、
「イエ、その、奥様から聞いているとは思いますが、実はネコがですね・・・」と言うと、
「オオっ、それね。もう何ら心配はいらないから」というので、要領が飲み込めずにキョトンとしていると、
「あのネコは、あるところで引き取ってもらうことにしたから。いやね、僕もネコはあんまり好きじゃあなかったんで、丁度良かったよ」といたずらっぽく笑うのでした。

シェーっ!!っていう感じでしょうか。

そんな、ついこの前来たばかりの得体の知れない日本人が「ネコ・アレルギー」だからという理由で、長年連れ添ったネコをそんな簡単に里子に出しちゃって良いんでしょうか??

逆を言えば、これは大変な責任を背負い込んじゃったんでは??、と頭を抱えてしまう始末。

一日中ずっとこのことが頭から離れず、若きウエテルのごとく悩みました。

今後はちょっとやそっとじゃあここを出れない、ということです。

本件について相談にのってもらっている学校の担当者もビックリといった感じで、
「アナタ、気に入られたのねぇー」と呆れるやら、感心するやら。

「結」に持っていくにはまだ時期尚早だと思うので、今後も事態を冷静に客観的に受け止めていきたいと思います。

波乱万丈の新生活デス。