どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2011年7月29日金曜日

2000年07月17日 「友人の話」


クラスも一緒で寮でもたまたま隣の部屋同士ということで仲良くなったロブ君の自宅に週末招待されました。

彼は僕よりもひとつ年下ですが、とてもモチベーションが高く、成績もかれがクラスでトップでした。
試験やレポートも彼に随分アドバイスしてもらいましたし刺激にもなりました。

また生活面でも現代英国人気質を身をもって教えてくれました。
秋から僕はケンブリッジ大学に行きますが、彼はエジンバラ大学に行って、来年このカレッジで再会しようと言っています。

昼にお父さんのクリスが車で迎えに来てくれて、彼の家で軽く昼食を御馳走になってからクリス、ロブと僕の3人でゴルフをし、夕食はお母さんのマギーのお手製ローストビーフを御馳走になってその晩は泊めていただきました。

翌日は朝食後彼の住む街Witherbyというこじんまりとして雰囲気のよろしい街を散歩し、家に戻りテレビを見つつ、昼食にピザを御馳走になって、昼過ぎに寮まで送って頂いたという2日間でした。

寮に戻ってあらためて有難いことだったと感激しています。

英国を紹介した本などによくあるように、夕食に招待されるのは特別なことであって、まして一泊まで招待していただいたこと。
そして家族全員でもてなしていただいたことに感激しました。

夕食は典型的な英国のもてなし料理なのだと思われるローストビーフ、ヨークシャープディング、ニンジン、ブロッコリーなどの温野菜、マッシュドポテトを頂いたのですが、本当に美味しかったです。
肉も柔らかくグレービーソースもインスタントではなくて自家製の本物ソースでした。
そんな味覚上の美味しさもさることながら心のこもったホスピタリティに感激したわけです。

食事をしながら、我々の授業の話、思い出深い先生の話、寮の不味い食事の話、日本の話などで大いに盛り上がり、普段の無味乾燥な食欲を満たすためだけの食事とは違うあたたかいひとときを過ごしました。

「こういう食事にお招き頂くのは特別のことと理解していますが、本当に美味しく、そして感激しています。」と言うと、
マギーが「そうね。日本の家庭でお客様をもてなすときにはどういうものを御馳走するのかしら?」と質問されてちょっと考え込んでしまいました。

気のおけない人とする家庭的な食事と言えば鍋ものかなと思って鍋の話をしました。
鍋であれば英国でも素材は揃いそうなので、帰国するまでになんとか鍋料理をふるまいたいものだと思いました。


ゴルフはクリスがメンバーになっているThe Alwoodley G.C.という先週トーナメントもあったという名門コースに連れていってもらいました。
コースはヒースが生い茂る典型的英国ゴルフコースでラフも深くて難しかったのですが、かろうじて100は切れて、クリスに迷惑がかからなくて良かったと胸をなでおろしました。

キャディはいなくて、自分でバッグを担ぐか、カートを引くか。
スタートはインから、アウトからという発想はないようで常に1番から。
自宅から車で10分ほどのところにコースはあって、料金もゲストで15ポンド程度。
18ホールを通して回り、あとは靴だけ履き替えてクラブハウスでビールを飲むといったかんじで、いろんな意味で無駄がないなぁと感心しました。

ロブの家は結構な邸宅で敷地はざっと200坪くらいでしょうか。
1920年に建てられた家だそうでそれを10年前に購入してリフォームしてキレイに使っています。

庭も芝がキレイに刈られて、通好みの植物が植わっているあたりかなりの園芸好きなのでしょう。


庭の隅にレンガ造りでパーゴラが備わった腰掛けるスペースがありました。
聞くとクリスがマギーの誕生日祝いに建てたものだとか。
昼過ぎからそこには陽があたる場所になっているらしく、午後はそこに腰掛けて紅茶でも飲みつつ本を読んだりするのだとか。
気が利いているよなぁと感心ばかりしていました。

ふと彼が日本に来たとして、果たしてどんなもてなしが自分に出来るのだろうかと考え込んでしまいました。
そんな2日間でした。

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