どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2011年7月20日水曜日

2000年07月05日 「ガーデンデザインの話」


お話しておりますように授業のほとんどを終了して最終成績を待つのみとなりました。
寮でもポツポツ帰省する学生を見掛けるようになり、夏休みモードへと雰囲気が変わりつつあります。

しかしながら僕は一般のコースに加えてガーデンデザインのコースをオプションでとっているため、現在その課題に追われています。

こういった創造力を働かせなければならないことというのは一旦エンジンが掛かるとドッーっと進むのですが、それまでが結構大変だったりします。

現在取り掛かっているのがファイナルプロジェクトといってその名のとおり本コースの仕上げになるプロジェクトです。

「ファイナルに相応しい歯ごたえのあるやつを見つけてきた」先生が言うだけあって難しいです。

まず皆でマイクロバスに乗って現場の大きな個人邸に行って測量から始めました。

お金持ちのお宅らしく個人邸のくせして敷地の広さが1エーカー(ざっと1200坪!)もあります。
当初はそんなに広いとはつゆ知らずクライアントと台所で話をしながら見えた景色は庭ではなく近所の森だと思って眺めていました。

クライアントのおばさんと話していると「川に面しているのよ」と言うので、どこに川なんかあるかしらと目を凝らすと森の向こうに川らしきものが多少見え隠れします。

まさか!?と思っていたら見ていた森は今回のプロジェクトの対象地だったというわけです。

ちなみにその台所から川までざっと70メートルくらいありますでしょうか。
それを12人のクラスメートで手分けして測量したのですが、これが川に向かって相当勾配があって、雑草とぬかるんだ足元でなかなかはかどりません。

デザインといっても紙にデザインする作業は全体の半分ほどでしょうか。

あとは測量、それを紙に書けるように数値を検証しながら現場の枠図をつくる、植栽プラン作り、工事明細作り、仕様書作り、排水・散水システムの検証などに裂かれることが多く、「ガーデンデザイン」という言葉の響きからは随分かけ離れています。

英国人であればナルホドという常識的なことも僕にはそういうバックグランドがないので、工事明細作りや仕様書作りは正直言って半分くらいしか理解できていません。

デザインも平面図、立体図、断面図、植栽図、構造物仕様図など描かねばならないものが多くていつもくじけそうになります。

特に今回のように勾配のきつい場所のデザインは更に大変です。
デザインのクラスメートの友人も火曜日の夜はいつも憂鬱な気分になるとこぼしていました。

こんなメールを書いているというのは少々行き詰っているからでしょうか・・・。

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