どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2012年10月31日水曜日

2002年02月11日 「連休でしょうか」


さて今日は日曜日でしたが、植物園の週末当番だったために普段どおりに働いていました。

週末の当番は必ず二人一組でやることになっていて、今日の相棒はジョンでした。

昼飯のときに「今日仕事が終ったらウエルニーに野鳥の餌付けを見に行かないか?」と誘われ、仕事終了後、ジョンとジョンのお母さんを乗せて3人でウエルニーという湿地帯にある野鳥センターに餌付けを見に出掛けました。

ここは以前一人で出掛けてバードウオッチングの楽しさに目覚めた場所で、今の時期はアイスランドから白鳥が大群で飛来し、自然保護団体が決まった時間に餌付けをするのです。

観察小屋には餌付けの一時間半前に到着し、特等席を確保しました。

その後どんどん人が増えて18;30の餌付け開始時刻には押すな押すなの大盛況でした。


あたりが漆黒の闇に包まれた中で投光機に照らし出された水面におびただしい白鳥たちが餌が今か今かと待ち構えているのが分かります。

暗闇に白鳥たちの白い身体がまるで浮き上がるかのように目に映り、とても幻想的な光景でした。

普段植物ばかり追いかけているので、とても新鮮で楽しいひとときでした。

折角ですので写真を添付します。
フラッシュを使わなかったので手ぶれ写真になってしまいましたが雰囲気は伝わるでしょうか。

それでは楽しい3連休をお過ごしください。




2012年10月19日金曜日

2002年02月10日 「オリンピック開幕」


冬季オリンピック開幕といいながらも、テレビのスイッチをひねるとオリンピック番組はとても少なく、「ハテ、本当にオリンピックは始まったのかしら?」と首を傾げたくなります。

恐らく英国はスキーをはじめとしてウインタースポーツは今ひとつ盛んではないためではないかと想像しております。

もしこれがノルウエーなどの北欧三国あたりであれば伝えかたが違うだろうにと思います。

今日は何といっても「マーガレット王女死去」が国内のトップニュースでした。

街を歩けばそこら中に半旗が掛かっていて事の重大さがうかがえます。

今テレビではオリンピックそっちのけで盛り上がっているのは「ポップ・アイドル」という番組です。恐らく。

これはロングランの歌謡オーディション番組で、ン万人に応募者の中から予選をくぐり抜け、本選を勝ち抜いた参加者が、ふるいに掛けられて毎週一人ずつ落選し、ついに最後に残った一人がポップ・アイドルとしてデビューするというものです。

この落選を決めるのが視聴者からの電話投票で週を追うごとに熱を帯びてきて、今日がその決勝の日なのです。

決勝に残った二人はウィルとガレスという男性2人。

なんでこんなに詳しく知っているかといえば、新聞をはじめテレビ、ラジオなどマスコミの取り上げ方がスゴイので嫌でも知るところとなったのでした。

大衆紙であるザ・サンはいうに及ばずいわゆる高級紙であるザ・タイムズといった新聞、そして番組主催の局に限らず各放送局でもこの1週間は「ウィルか、はたまたガレスか?!」「アナタはどっち派?」とウルサイことウルサイこと。

まっ、平和なんですね。

さて改めて驚くべきは2002年も1ヶ月がアッという間に過ぎてしまったということです。

ウーン、早い、早すぎる。

1月は何をしていたのかと言えば、改めて振り返るに大したことは何もしておらず、淡々と植物と向かい合う、そんな日々でした。


しいて言えば、ケンブリッジ大学の単科コースで「庭園史」の受講をしているのですが、これのレポートの締め切りが1月末ということで提出のその日まで「ああでもナイ、こうでもナイ」とすったもんだしておりました。

6週間ほど前にやや小型のレポートの締め切りがあって、この時に段取りを誤ってかなりあたふたしたのを教訓に、今回は締め切りの10日前には完成して高笑いしておりました。

ところが時間があったので何度も読み返しているうちに「アラ、ここはこれよりもこっちの表現のほうがステキなのではなかろうか」とか、「ここにもっとダイナミックな意見を大胆に取り入れた場合、ものすごくアピールしちゃったりして」とか、こう後から後から修正のアイディアが湧いてきて収拾がつかなくなり、とうとう提出の前夜まで手直ししていたというわけです。


この庭園史のコースを受講して改めてイギリスの庭の奥深さと申しましょうか、イギリス人の古いもの嗜好が伺えたのでした。

フィールド・トリップと称した野外授業では16世紀頃の領主の庭園を実際に訪ね、その保存、維持、回復にまつわる話を聞いて彼らの情熱に圧倒されました。

感心半分、あきれ半分ってところでしょうか。

よく言われることですが本当に古いものを大切にしていて「古いことは良いことだ。ついでに古きゃあ古いほうが良いのだ!」という国民性のようです。

私の住んでいるボロアパートも竣工1870年ですから、堂々の「築132年!!」ということになります。

古いのは良いが、寒さとカビをもうちょっとどうにかしてくれと言いたいですが。


そんな寒さはまだ和らいだとは言えませんが、春の予感がここそこに感じられるようになってきました。

なんと言ってもスノードロップ、クロッカス、スイセンなどの春を告げる球根類が順番に見ごろを迎えようとしていますし、モクレン、ウメなどのつぼみもかなりスタンバイしています。

日照時間も日に日に延びてきて、現在は日の出07:26、日の入17:04と最盛期には16時前に真っ暗だったことを思えば格段の進歩と申せましょう。

そんな2月の模様を徒然なるままにお知らせしました。

どうぞ楽しい3連休をお過ごしください。





2012年10月14日日曜日

2002年02月05日 「スリップダウン」



お元気ですか。

私はちょっと風邪を引きまして、ダウンというほどでもないのでスリップダウンといったところです。

先週の木曜深夜と申しますか、金曜の未明、就寝中に何か背筋にゾクゾクするものを感じたのですがそれ以来調子がすぐれません。

先週末は植物園の休日当番に当たっており、土日ともに平常どおりに働き、月曜日にはかなり足元がフラフラで、午前中に温室に水をやったところでギブアップして帰ってきてしまいました。

そして今日、火曜日は喉が異常に痛んだために大事をとって仕事を休み、先ほど起きたところです。

まぁ風邪ですので放っておきゃぁ治ると信じて気楽にしています。

昨日はほとんど何も口にせずに床に就いたため、かなりの空腹を感じて「とり雑炊」を作って食べました。

風邪で頭もボーッとしているというのに我ながらマメな奴です。

消化と栄養を考慮し、かつ冷蔵庫の備蓄食料を眺めて作ったのですが、ことのほか美味しくて身体も暖まりウムウムと頷きながらモクモクと食べました。

食べ終えた後は食器も洗わねばならず、風邪でだるいので後回しにしようというサボリ心も芽生えないではなかったですが、料理、食事、後片付けが一つの動作としてもはや身体に染み付いているようで、チェッと舌打ちをしつつツイツイ全てを洗い終えてしまいました。

僕は薬はあまり好きではなく、よほどのことがないと口にしないのですが以前風邪をひいて辛かったときに買った薬の残りがあったので飲んでみました。

「LEMSIP」という、そこら中で売られている一般大衆風邪薬で、幾つかのシリーズがある中の「Max Strength」と謳ってある一番効きそうなやつです。

これは顆粒で、マグカップに入れてお湯を注いで飲むというもので味はレモン味。

まぁ気休めですね。

そんなわけで健康バカが売りの私ではありますが、ちょっとつまづいて平日の昼に手持ち無沙汰になり、このメールを書いています。

こんな日に限って窓の外は快晴!! 

神様はなかなかイジワルです。

2012年9月30日日曜日

2002年01月13日 「疲れました・・・」



疲れました・・・とは何やら遺書めいておりますが、実際少々へこんでこれを書いております。

何に疲れたか。
寒さと現在の住環境にほとほと嫌気がさしたと申しますか疲れました。

まぁ寒いと言ったってマイナス20度になったりするわけではないので大したことはないのですが、自室の寒さはなかなか厳しく辛くなってきました。

我が部屋には2つの電気式ヒーターがありますが、電気料金は家賃に含まれずに別精算となり、かつ暖房効果はそれほどではないくせに消費電力は相当なものでなかなかスイッチを入れようという気になれません。

当アパートは築およそ200年ほどの英国にてはゴク普通の建物ですが、大家がケチなため設備が古いままなのです。

特に僕の部屋は昔ながらの設備がそのまま残っており、今では全く使われなかった古いコインを電気メーターに入れると目盛が巻き上がる仕組みです。

コインは便宜上使うだけで、実際はメーターを月末と月初に測って精算することになっています。

で、この利きの悪いヒーターのスイッチを入れると電気メーターの回転がエラく早まるので、自分の脈も早まって気が休まらないというわけです。

繰り返し申し上げているように、最近は耐寒マイナス7度という寝袋にくるまって寝ていますが、フト「何で自分の家で寝袋で寝なきゃならんのよ・・・」と切なくなることもしばしば。

寝袋で寝ること自体に疑問を感じるようになりました。

加えて耐え難いのはカビです。

我が部屋は四角形をしているのですが、角部屋ということで2面が外に面していて、そこが結露して汗をかいてカビがはえるのです。

その壁に寄りかかっている、あるいは立てかけてあるもの全てがシットリと湿り、放っておくとそこにもカビがはえるというなんともいたたまれない状況です。

折角買ってきた書籍なども本棚にては壁から離して置かないと本が湿気を吸ってゴワゴワにうねってしまいかねません。

先日は換気をすべくカーテンと窓を久し振りに全開にしたところ、窓枠周囲がカビだらけならまだしも、キノコがふたつはえているのを発見して思わずめまいがしました。



料理をするにも換気扇というものがないため臭いはこもるし、換気のために窓を開ければ室温が一気に下がるという不便さ。

我が部屋は一階で表通りに面しているために、窓を開けたまま外出はおろか、トイレに行くこともままなりません。

窓を開けたまま部屋を離れて裏庭で洗濯を干している間に窓から物品が盗まれたという話も聞いたことがあります。

せめて自分が部屋にいる週末の日中は窓を開けて換気を心掛けているのですが、その間はフリースジャケットの上にダウンベストを着込み、毛糸の帽子をかぶって足から腰までは寝袋を膝掛けにして湯たんぽを抱えて過ごす、といった部屋の中でアウトドアしている不条理。

英国全ての家庭がこんなにひもじい思いをしているかといえば否で、大抵はセントラルヒーティングがホンワリときいていたり、はたまた暖かな暖炉がパチパチと音を立てて身も心も暖めてくれるという寸法です。

「COSY」もしくは「COZY」という英単語があり「暖かくて居心地の良いこと」を指します。

銀座コージーコーナーのコージーです。

冬場に知人・友人の家を訪ねたりしたときなどに「結構なお宅ですねぇ」というようなことを表現するときにこの単語を良く使います。

COSY、良い言葉です。

植物園の中にあるコテッジに住む友人の部屋に遊びに行くと、ここは植物園の温室と熱源を共有していることもあって、万年「ハワイ化」しており真冬でも暑くて窓を開けることがあるといいます。

こりゃ洗濯物も瞬間乾燥だろうなぁと羨ましくなりました。

もし仮にあと数年ケンブリッジにいるのであれば、即、ここを引き払って新しくコージーな部屋を探すところですが、僕の場合ケンブリッジ生活はあと7ヶ月です。

この寒さもあと2ヶ月ほどで緩むでしょうし、アパート解約の予告は1ヶ月前にせねばならず、諸事情をツラツラと考えるに今更の引越しはあまり現実的ではなく我慢することにしました。

アパートの隣人ビル君とも折角仲良くなって、頻繁に一緒にパブに飲みにいくようにもなりましたし。

そんな訳で前向きに「うぉーやるぜ、頑張ったるぜ!!」と盲目的に気分がノッているときは良いのですが、フト我に返り、冷静にまじまじと自分の状況を見つめたりすると、はぁぁっとタメ息が出てくるわけです。

カビはどう考えてもカラダには悪そうで、引越しのその日まで健康でいられることを神に祈る今日この頃でございます。

日本は成人の日で3連休でしょうか。

どうぞコージーな3連休をお過ごしください。


2012年9月10日月曜日

2002年01月06日 「寒いです」




日本は北海道で空港も閉鎖されたり大変な大雪なようで。
今シーズンは東京でも雪が降りましたでしょうか?

御存知のように現在の異常気象は地中海地方にも雪をもたらしているようで、ギリシア、スペイン、イタリアなども軒並み交通機関が麻痺しているようです。

田中外相もトルコで大雪に見舞われ、寝台列車で11時間揺られたとか揺られなかったとか。

まぁ異常ですね。

植物園のジョンは昨日から1週間オーストリアに行っています。

天気オタクで極端な天候を好む彼としては雪が多いのにひかれてのことだと思いますが、「スキーにもチャレンジするのだっ!」とはりきって独りで出掛けていきました。

彼の趣味のひとつが旅行で、今回も一緒に行かないかと誘われましたが彼の申し出に全て「YES」と言っていたら破産してしまいますので丁重にお断りしました。

その他にもミュンヘンに行こうだの、オーロラを見にフィンランドに行こうだの次から次へと企画が出てきて「フンフン」と聞き流すようにしています。

きわめつけは日本旅行計画です。

彼はスーパーマーケットで買物をするときに貰えるポイントをコツコツと貯めてエアマイルに変換し、そのマイレージでそろそろ日本に手が届きそうらしく、最近は顔を合わせれば「いつ帰るの、日本には?」としつこく聞いてきます。

まぁ折角の友人ですのでそれは歓迎してあげたいとは思いますが、ジョンだけのためにわざわざジョンを引き連れて帰国するような余裕はないため「もうちょっと待ったら?」とかわしています。

そんな中。

12月に植物園の21歳になるマークと話していたらばクリスマスプレゼントに話が及び、彼の壮大でロマンチックな計画を知るに至りました。

彼曰く
「クリスマスにね、ヴィッキー(彼女)にプレゼントとして日焼け止めをあげるわけよ。
そうすると何これ?ってなるでしょ。
そこでさらに次のプレゼントとしてハイってアンドーラ行きの旅行のチケットをあげるわけ。」
と鼻の穴全開で教えてくれました。

アンドーラとはスペインとフランスの国境にあるピレネー山脈にある公国です。

21歳の恋。

なかなかやるじゃないの、と思っていたらばフト彼は視線を落として「でも・・・」と言います。

「何サ。でもって?」
「これ、ジョンも一緒なんだ。」

いやいや申し訳ないけどその場で腹を抱えて笑っちゃいました。

そもそもジョンは2人が付き合い始めるころからお互いをよく知っていて、昨年も3人でシャモニーに出掛けたほどです。

因みにシャモニーではマークとヴィッキーのホテルとジョンのホテルは歩いて5分ほど離れていた、というか離したそうですが。

今度アンドーラでは同じホテルで、折角のロマンチックな気分もジョンがいい具合に醒ましてくれるのではないかというのです。

その時はアッハッハ・・・と笑っていた僕もその後ジョンの強烈な勧誘にあってアンドーラ行きに参加することとなりました。

恐らくこれはマークとヴィッキーがジョンをけしかけて、ジョンのお守りを僕に押し付けて二人の恋路を確保しようという作戦だったと思います。

まぁ理由はどうあれ、良く知る仲間だし、行ったことのない場所だしということで決めてしまいました。

まだまだずっと先の話で7月上旬です。

その頃のアンドーラはやたら暑いらしいのですが、そんな暑い思いを早くしてみたいと相変わらず寒い自分の部屋で湯たんぽを抱えながらアンドーラに思いを馳せる今日この頃です。

今日も朝から小雨が降り続き、恐らく太陽は一秒たりとも顔を見せないでしょう。

本当に洗濯物が乾かなくて困ったものです。

写真は1月2日の朝。

夜中に降った小雪、早朝に降りた霜で見事に凍った野バラ。

こういう凍り方はやはり湿度が高いからだと思われます。

2012年8月29日水曜日

2002年01月03日 「2002年」



新年明けましておめでとうございます。

暮れに御挨拶をなどと思っておりましたら、諸事情に流されて気が付けばご覧のように機を逸した御挨拶となりました。

今年は午年ということでケンブリッジから車で15分ほどいったところにニューマーケットという競馬ファンにはお馴染みのサラブラッドの産地として名高い街があり、新年御挨拶用のスナップを求めて繰り出してサラブレッドの銅像をカメラにおさめて準備は上々だったのですが。

撮った写真を改めて見てみると面白くともなんともなく、ボツにしました。

年明けはいかがお過ごしでしょうか。

私はクリスマスから元旦にかけてはゴク普通の日々を過ごしておりました。

こちらでのクリスマスは一昔前の日本のお正月にあたる「気合」の入り方で、世間はクリスマス、ボクシングデーあたりは完全に機能が失われたように静かでした。

具体的には店はお休み、公共交通機関も運休といった具合です。

25日のクリスマスだけは休みをとってアパートの隣人であるビル君の実家にお招きにあがり、心暖まるアットホームなクリスマスを過ごしました。

七面鳥のロースト、クリスマスプディング、ミンスパイ、モールドワインなどの典型的なクリスマス料理を御馳走になり、プレゼントを交換し、皆でテレビを見て、ついでにそこでうたた寝をし・・・と他人の家ながら随分とリラックスしました。


植物園はほとんどのスタッフがクリスマスから元旦まで休暇をとって植物園も静かなものでした。

僕だけが淡々と何事もなかったように通常通り6時過ぎに起床し、朝食をとり、お弁当を作り、働き、プールに通い・・・と過ごしていました。

当然大晦日も正月三が日も働いていました。

期間中は温室全般を任され、終日温室内の温度と湿度をチェックし、水を全てに施し、池の金魚にエサをやり、掃除をし、天井にはびこるコケを取り除いたりと真面目に働きました。

喜ばしいことは12月21日の冬至以降、確実に日が延びてきていることです。

「そんな大袈裟な。たかが1~2週間でしょ。」と言うことなかれ。
16時過ぎには自転車のライトを点けなければ危なかったのに、今は点灯せずともなんとか家に帰れます。

それにしても大晦日から今日までの寒さは呆れるばかりで、夜中の最低気温はマイナス8度、日中もせいぜい2度程度とかなり堪えます。

しかし、この程度の気温は日本でもマァあったことなのに、何故これほどまで堪えるのか。

最近、ハハーンと気付いたのが湿度の高さです。

東京の冬はカラッカラッに乾燥していますが、こちらは夏がカラカラ、冬はシットリということもあり体感温度が実際の気温よりも寒く感じるのではないかと思うに至りました。

自分の寝袋はマイナス7度耐寒と謳ってあるものの、最近の寒さはこれを下回るわけでやむなくヒーターをつけて寝ております。

この正月はこちらで迎える3度目の正月でした。

改めて時の経つのは早いものだと驚かされます。
何をするでもなく、酒を飲み、くだらないテレビを眺めつつボンヤリする正月って今更ながら良いもんだなぁと思ってしまいます。

「警視庁潜入24時。アナタはそのとき目撃者になる!」とかツイ見ちゃうクチなので。

今年はいよいよケンブリッジ生活にも一旦別れを告げ、再び英国北部のヨークに戻ります。

そろそろ次の展開も考えねばと思っております。

今後どうするかビジョンがあるといえばある、ないといえばないとなんとも優柔不断ではありますが、あまり力まずに自然体でやれればと思っています。




2012年8月20日月曜日

2001年12月22日 「暮れ模様」


12月21日は冬至。
日が短かくなるのは今日までで、明日からは夏に向けて日が少しづつ延びていくのかと思うとそれだけで喜ばしいものです。

因みに今日は日の出8:05、日の入15:54でした。

こうなると晴れていても日照時間はせいぜい5時間程度でしょうか。

夕暮れで手元が見えなくなるということもあり、植物園では冬の勤務時間が適用されて月曜から木曜は16:00、金曜は15:30に終ります。

早く終って何をするか。

最近とりつかれたように通っているのがプールです。

一ヶ月の定期券を購入し、ほぼ毎日1000~2000メートルをノンビリと泳いでシャワーを浴びて帰ってきます。

自分のボロアパートのショボいシャワーではなく、水圧も高め温度も高めのシャワーということも気に入ったことも通うことになった理由のひとつです。

植物園にては現在は温室の担当で、セントポーリア、トケイソウ、ラン、ヤシ、ベゴニアなどの面倒をみています。

受け持っている温室が3つあり、ふたつは最低気温18度と13度に設定されていてヌクヌクです。

こんなところに四六時中いる植物たちが羨ましくもあります。

このひとつの温室は主にシダ、コケなどがあるのですが、ここは湿度が高め、温度は低めと寒々しく、ジメジメした鬱陶しいところで、ここはさっさと済ませるようになってしまいます。

湿度を高めるためにわざと床に水をまいたりするのですが、水をまきながらジメジメした温室の窓ガラスを見ていてフト「ちょっと待てよ。これってアパートのオレの部屋と同じカンジじゃない?」と、かつて窓枠にキノコがはえたこともある自分の部屋とシダ・コケ温室が頭のなかで重なって悲しくなりました。

自分の部屋は相変わらず寒いのですが、この前購入したマイナス7度まで耐える寝袋に包まることで寝ている間に寒さを感じることはなくなりました。

しかしフト「なんで自分の部屋でキャンプ生活まがいの生活をしてるのだ?」という疑問がわいてきます。

この時期はクリスマス会、忘年会と忙しいのは万国共通のようで、多少のスタイルの違いはあれども忙しい毎日です。

21日はお昼から植物園内でほぼ全スタッフが集合してクリスマス昼食会がありました。

これが事実上の仕事納めになる人がほとんどで、「ではまた来年。メリークリスマス!」などと言って散っていきました。

その後近所のパブで何人かで飲み始め、気が付けば22時をまわっておりました。

同じパブで7時間も飲んでいたことになります。

千鳥足で帰宅し寝袋に滑り込みヌクヌクと快眠をむさぼったのでした。

皆はクリスマス休暇なれども、ワタクシは25日だけは休みますが、あとは大晦日も正月も通常通りに働きます。

別に一緒に過ごす家族がいるわけでもなく、寒い自宅にいるよりは元気一杯温室で働いたほうが快適というものです。

皆と同じ時期に有給休暇を使うよりは、ここはセーブして後でゆっくり旅行でもして過ごしたほうが賢明だという作戦です。

また、この時期は特別手当も出てお徳でもあります。

12月は大学ラグビー伝統の一戦であるオックスフォード大学対ケンブリッジ大学がイングランドラグビーの聖地トゥイケナムであり、休みをとって見にいきました。

現在オックスフォードのラグビー部には元関東学院大の渕上、元早稲田大の西岡の二人が在籍していて、二人の活躍を期待していたのですが生憎リザーブのまま出場機会はありませんでした。

この名門伝統校の各選手のプロフィールを見ていると、元アメリカ代表、元オーストラリア代表といったラグビーで名を馳せた人もいれば、思わず首をかしげてしまうような選手もいます。

皆エリート中のエリートだけあって「医学博士課程」「経済学修士課程」などの説明があるのですが、横に掲載されている顔写真は皆前科者のような人相でそのギャップが面白いです。

試合中は曇りときどき晴れといった具合でしたが、じっと座っていると寒いというのは昨年観戦して学習していましたので、今回はウイスキーのボトルを持ち込んでチビチビと舐めつつ暖をとる作戦をとりました。

「舐める」作戦であったのに気が付けばついつい飲んでしまい、気が付けばボトル半分を消費し身体は暖まったものの、帰り道はフラフラしてしまいました。

来年3月には関東学院、慶応、早稲田の3校が週ごとにケンブリッジ大学と対戦します。

日本からケンブリッジに週替わりで来て試合してくれるとは、自分にとっては夢のような企画で今からとても楽しみです。

先々週ジョンと行ったバードウオッチングも久々のヒットでした。

ケンブリッジから車で1時間ほどいったノーフォーク州のウェルニーという大湿地帯に集まる水鳥は一見の価値アリと聞いていましたので二人で出掛けました。

決まった時間に自然保護のレンジャーが餌付けをするのですが、そこに集まる白鳥などの水鳥たちの数に圧倒されました。

目の前で優雅に戯れる彼らの様子を双眼鏡越しに見ていても全く飽きることがなく、あっという間に時間が過ぎていきました。

外はかなり寒かったのですが、有難いことに観察小屋の中は暖房が効いていて助かりました。

水に首を突っ込んで逆立ちのような格好でエサを探すもの、体ごとかなりの長時間潜水してエサをとるものなど多種多様です。

もし野鳥のことを知っていて「あれは××でカナダから飛んできた」などと分かるとなお一層面白いのでしょうが、生憎現在は植物のことを覚えるのに精一杯です。

そういったわけで元気に働き、飲み、泳ぎ、学び、眠り、食べ・・・と特別なことは何もないながらも、まずまず楽しい暮れ模様です。