どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2012年9月10日月曜日

2002年01月06日 「寒いです」




日本は北海道で空港も閉鎖されたり大変な大雪なようで。
今シーズンは東京でも雪が降りましたでしょうか?

御存知のように現在の異常気象は地中海地方にも雪をもたらしているようで、ギリシア、スペイン、イタリアなども軒並み交通機関が麻痺しているようです。

田中外相もトルコで大雪に見舞われ、寝台列車で11時間揺られたとか揺られなかったとか。

まぁ異常ですね。

植物園のジョンは昨日から1週間オーストリアに行っています。

天気オタクで極端な天候を好む彼としては雪が多いのにひかれてのことだと思いますが、「スキーにもチャレンジするのだっ!」とはりきって独りで出掛けていきました。

彼の趣味のひとつが旅行で、今回も一緒に行かないかと誘われましたが彼の申し出に全て「YES」と言っていたら破産してしまいますので丁重にお断りしました。

その他にもミュンヘンに行こうだの、オーロラを見にフィンランドに行こうだの次から次へと企画が出てきて「フンフン」と聞き流すようにしています。

きわめつけは日本旅行計画です。

彼はスーパーマーケットで買物をするときに貰えるポイントをコツコツと貯めてエアマイルに変換し、そのマイレージでそろそろ日本に手が届きそうらしく、最近は顔を合わせれば「いつ帰るの、日本には?」としつこく聞いてきます。

まぁ折角の友人ですのでそれは歓迎してあげたいとは思いますが、ジョンだけのためにわざわざジョンを引き連れて帰国するような余裕はないため「もうちょっと待ったら?」とかわしています。

そんな中。

12月に植物園の21歳になるマークと話していたらばクリスマスプレゼントに話が及び、彼の壮大でロマンチックな計画を知るに至りました。

彼曰く
「クリスマスにね、ヴィッキー(彼女)にプレゼントとして日焼け止めをあげるわけよ。
そうすると何これ?ってなるでしょ。
そこでさらに次のプレゼントとしてハイってアンドーラ行きの旅行のチケットをあげるわけ。」
と鼻の穴全開で教えてくれました。

アンドーラとはスペインとフランスの国境にあるピレネー山脈にある公国です。

21歳の恋。

なかなかやるじゃないの、と思っていたらばフト彼は視線を落として「でも・・・」と言います。

「何サ。でもって?」
「これ、ジョンも一緒なんだ。」

いやいや申し訳ないけどその場で腹を抱えて笑っちゃいました。

そもそもジョンは2人が付き合い始めるころからお互いをよく知っていて、昨年も3人でシャモニーに出掛けたほどです。

因みにシャモニーではマークとヴィッキーのホテルとジョンのホテルは歩いて5分ほど離れていた、というか離したそうですが。

今度アンドーラでは同じホテルで、折角のロマンチックな気分もジョンがいい具合に醒ましてくれるのではないかというのです。

その時はアッハッハ・・・と笑っていた僕もその後ジョンの強烈な勧誘にあってアンドーラ行きに参加することとなりました。

恐らくこれはマークとヴィッキーがジョンをけしかけて、ジョンのお守りを僕に押し付けて二人の恋路を確保しようという作戦だったと思います。

まぁ理由はどうあれ、良く知る仲間だし、行ったことのない場所だしということで決めてしまいました。

まだまだずっと先の話で7月上旬です。

その頃のアンドーラはやたら暑いらしいのですが、そんな暑い思いを早くしてみたいと相変わらず寒い自分の部屋で湯たんぽを抱えながらアンドーラに思いを馳せる今日この頃です。

今日も朝から小雨が降り続き、恐らく太陽は一秒たりとも顔を見せないでしょう。

本当に洗濯物が乾かなくて困ったものです。

写真は1月2日の朝。

夜中に降った小雪、早朝に降りた霜で見事に凍った野バラ。

こういう凍り方はやはり湿度が高いからだと思われます。

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