どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2012年10月19日金曜日

2002年02月10日 「オリンピック開幕」


冬季オリンピック開幕といいながらも、テレビのスイッチをひねるとオリンピック番組はとても少なく、「ハテ、本当にオリンピックは始まったのかしら?」と首を傾げたくなります。

恐らく英国はスキーをはじめとしてウインタースポーツは今ひとつ盛んではないためではないかと想像しております。

もしこれがノルウエーなどの北欧三国あたりであれば伝えかたが違うだろうにと思います。

今日は何といっても「マーガレット王女死去」が国内のトップニュースでした。

街を歩けばそこら中に半旗が掛かっていて事の重大さがうかがえます。

今テレビではオリンピックそっちのけで盛り上がっているのは「ポップ・アイドル」という番組です。恐らく。

これはロングランの歌謡オーディション番組で、ン万人に応募者の中から予選をくぐり抜け、本選を勝ち抜いた参加者が、ふるいに掛けられて毎週一人ずつ落選し、ついに最後に残った一人がポップ・アイドルとしてデビューするというものです。

この落選を決めるのが視聴者からの電話投票で週を追うごとに熱を帯びてきて、今日がその決勝の日なのです。

決勝に残った二人はウィルとガレスという男性2人。

なんでこんなに詳しく知っているかといえば、新聞をはじめテレビ、ラジオなどマスコミの取り上げ方がスゴイので嫌でも知るところとなったのでした。

大衆紙であるザ・サンはいうに及ばずいわゆる高級紙であるザ・タイムズといった新聞、そして番組主催の局に限らず各放送局でもこの1週間は「ウィルか、はたまたガレスか?!」「アナタはどっち派?」とウルサイことウルサイこと。

まっ、平和なんですね。

さて改めて驚くべきは2002年も1ヶ月がアッという間に過ぎてしまったということです。

ウーン、早い、早すぎる。

1月は何をしていたのかと言えば、改めて振り返るに大したことは何もしておらず、淡々と植物と向かい合う、そんな日々でした。


しいて言えば、ケンブリッジ大学の単科コースで「庭園史」の受講をしているのですが、これのレポートの締め切りが1月末ということで提出のその日まで「ああでもナイ、こうでもナイ」とすったもんだしておりました。

6週間ほど前にやや小型のレポートの締め切りがあって、この時に段取りを誤ってかなりあたふたしたのを教訓に、今回は締め切りの10日前には完成して高笑いしておりました。

ところが時間があったので何度も読み返しているうちに「アラ、ここはこれよりもこっちの表現のほうがステキなのではなかろうか」とか、「ここにもっとダイナミックな意見を大胆に取り入れた場合、ものすごくアピールしちゃったりして」とか、こう後から後から修正のアイディアが湧いてきて収拾がつかなくなり、とうとう提出の前夜まで手直ししていたというわけです。


この庭園史のコースを受講して改めてイギリスの庭の奥深さと申しましょうか、イギリス人の古いもの嗜好が伺えたのでした。

フィールド・トリップと称した野外授業では16世紀頃の領主の庭園を実際に訪ね、その保存、維持、回復にまつわる話を聞いて彼らの情熱に圧倒されました。

感心半分、あきれ半分ってところでしょうか。

よく言われることですが本当に古いものを大切にしていて「古いことは良いことだ。ついでに古きゃあ古いほうが良いのだ!」という国民性のようです。

私の住んでいるボロアパートも竣工1870年ですから、堂々の「築132年!!」ということになります。

古いのは良いが、寒さとカビをもうちょっとどうにかしてくれと言いたいですが。


そんな寒さはまだ和らいだとは言えませんが、春の予感がここそこに感じられるようになってきました。

なんと言ってもスノードロップ、クロッカス、スイセンなどの春を告げる球根類が順番に見ごろを迎えようとしていますし、モクレン、ウメなどのつぼみもかなりスタンバイしています。

日照時間も日に日に延びてきて、現在は日の出07:26、日の入17:04と最盛期には16時前に真っ暗だったことを思えば格段の進歩と申せましょう。

そんな2月の模様を徒然なるままにお知らせしました。

どうぞ楽しい3連休をお過ごしください。





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