気が付けば秋深しといった風情で随分と冷え込むようになってきました。
NYの件で今もそうですが、大揺れの9月となりました。
丁度事件当日は母とその友人が日本から遊びにきていて、ロンドンまでオペラを見に出掛けていました。
終日外出していたので、事件を知ったのはロンドンからケンブリッジに戻る電車を待つキングスクロス駅構内のパブのテレビから流れるニュースでした。
繰り返し流される映像があまりに現実離れしているので、口を開いたままテレビを見ておりました。
知人、友人も何人かNYにいるため心配だったのですがどうやら皆無事のようです。
これからいったいどうなるんでしょうか。
普段自宅と植物園の往復という平和このうえない生活を繰り返しているので、連日のテレビ報道はあたかも映画を見ているようです。
さて、このまえ林望という人の本を読みました。
ケンブリッジに滞在していたときのことを綴ったエッセーですが、そのなかで彼はケンブリッジに滞在中にルーシー・ボストンという児童書作家のマナーハウスにホームステイしたことを「英国一恵まれた日本人」と自負しています。
植物園に僕と同じくトレーニーのケイトという33歳の女の子がいます。
彼女は突然バリカンで髪の毛をバッサリ切ってきたり、獣医の彼氏と山に行って怪我をしたときに彼に麻酔なしで彼に縫合してもらったり、どこか野生的なそれでいてちょっと魅力的な女性です。
彼女に今度僕の母親が来るので観光名所巡りをすると言うと「じゃぁうちの母親の家に来たら?」と言います。
「うちは色んな日本人が来るわよ。」と言うので「実家はB&Bかなにかなの?」と聞くと「そうじゃぁないんだけど・・・。プロフェッサー・ハヤシって知ってる?」と言われハッとしました。
彼女の名前がケイト・ボストンだったことを思い出しました。
でもルーシー・ボストンが母親という年齢でもないし、ルーシーは既に他界されたと思っていましたので更に聞くとケイトはルーシーの孫だというのです。
エッセーに出てくるルーシー・ボストンのマナーハウスはルーシーの娘であるケイトの母親が住んでいるとのこと。
それを聞いて「ウッヒャー!」とたまげたものです。
すきっ歯で手巻タバコをくゆらせながら「シッシッシッ・・・」と歯の間から息を漏らせながら笑うその姿からは、そんなスゴイおばあさんの孫には見えないのですがねぇ。
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