どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2012年7月31日火曜日

2001年11月23日 「スペイン後日談」



以前のバルセロナ話にちょっと付け足しです。

今回の旅行でジョンの、というか英国人の実質主義みたいなものを肌身で感じました。

これはジョンがたまたまそうなのかもしれませんが、当たらずとも遠からずだと思います。

まず彼はファッションには全く興味はなく「庭仕事」「天気」「株投資」「養蜂」「ポイントがたまるスーパーでの買物」「旅行」「ワイン」「チーズ」といったものに関心が注がれています。

自分は日本人であり、これまで日本で暮らしてきて日本人らしい画一的な価値観が知らず知らず染み付いているようなのですが、ジョンといるとその違いに気付かされます。

着るものにはブランド品は見当たらず質素そのものです。

暖かくて身体を守れれば良しといったかんじです。

ワイン、チーズというと何となくお洒落な印象を持つかもしれませんが、それは日本でお洒落なものとして広がったというか広げた人がいるからだと思いますが、こちらでのそれはもっと実質的なもので、まずもって一本ン万円のワインなどは滅多にお目にかかれません。

ジョンとよくワインを買いに行きますが、彼がウーンウーンと悩んでいるのはいつも4ポンド以下のワインです。

これはスゴク高くて良いワインだと自慢していたのが13ポンドでしたから。

今回は3泊4日の旅ということでかなり駆け足だったものの、随所に英国人らしい落ち着きというかゆったり感を発揮していました。

朝食もさっさと食べてホテルを一刻も早く出ることがこれまでの僕の発想でしたが、彼は毎朝1時間半くらいかけてゆっくりと食べながら昨日の面白かったこと、今日の行動予定などについて話をしたり新聞を読んだりととにかく余裕なのです。

夕刻も一旦ホテルに戻ってシャワーを浴びた後すぐに夕食のために外出するのかと思いきや、ホテルの部屋のバルコニーに椅子を持ち出して優雅にワインを一杯、といった具合です。

寸暇を惜しんでより多くの名所を飛び回る日本人の観光スタイルとはかなり隔たりがあります。
どちらが良いとは一概に言えませんが、このジョンという男からはまだまだ学ぶことがある気がしてなりません。


バルセロナ往復に使った格安飛行機ですが、注意深く新聞広告などを見ているとロンドン→タブリン片道1ポンドなんていうものもあります。

どうしたらこういうことが可能なのかわかりませんが、とにかく実在します。

ただし片道ですので復路が結構高かったり、その他に条件がついたりします。
当然空港利用税は含まれていません。

せっかく英国にいるのだからこういった格安飛行機を使ってより多くのヨーロッパの国を見たいものだと思います。

バルセロナから戻る際に飛行場でチェックインを済ませてソファーに座っていると、「GO」という今回利用した格安飛行機が着陸するのが見えました。

時間は午前10:35。

これは僕らがバルセロナ往路に乗ってきたのと同じパターンの飛行機です。

そして僕らが乗る復路の出発予定時刻は11:15。

すなわち着陸して乗客・荷物を降ろしてから次の乗客・荷物をのせて離陸するまでがナント40分ということです。

機内清掃などもなされているとは思われず、席にビスケットのこぼれカスが落ちていたのもうなずけたのでした。

機内誌によるとロンドン、バルセロナ間の飛行時間が2時間。
登載可能燃料が2万リットル。
1時間あたりの燃料消費が3千リットル、ロンドン、バルセロナ往復でも1万2千リットル。

ということは当初から機体整備、燃料補給は見込まずにトンボ帰りを意図したフライトスケジュールになっているということです。
恐らくパイロットも客室乗務員も交代無しでしょう。

更に想像するに1日にロンドン~バルセロナは2便づつあるので機体は一旦ロンドンに戻ると夕方の運行までの4時間で整備、燃料補給をする無駄のないハードスケジュールなのではないかと思われます。

乗員も2往復だったらこれはスゴイですが、さすがにそれはないでしょうが。

今や全盛の格安飛行機には色々と面白い舞台裏がありそうです。

そんなバルセロナ後日談でした。




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