どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2011年4月25日月曜日

1999年11月8日 「ミスターサマータイム」


早いものでもう11月。お元気でしょうか。
こちらでは早くもクリスマス商戦たけなわです。

申し上げたように10月23日から31日までの一週間は学校が中休みでした。前半3日間は寮に残って、休み明けにある試験にむけ「激勉」したり、学校のホールのテレビにてラグビーのワールドカップ観戦をしたり、比較的ゆっくり過ごしました。

この期間、寮にいる学生のほとんどが帰省して、それはそれは静かで平和な日々でした。

しかし寮の食堂も一週間閉鎖になってしまい、朝起きてから食べるものに困りました。
朝食は紅茶とビスケット、昼食はカップヌードル(ポットヌードルといってこちら風の独特なお味)、夕食は徒歩20分のパブでようやく人間らしいものをといった3日間でした。
この調子ですとこれからのクリスマス休暇、イースター休暇といった長期休暇のときはどうなっちゃうんでしょうか?
特にクリスマス時期は飲食店はおろかバスも電車も動きませんので餓死、あるいは孤独死しないか不安です。

一週間の休みの後半6日間はケンブリッジ、コッツウオルズの2ヶ所に行ってきました。

そもそも学生時代にホームステイしてお世話になった知人を訪ねたのですが、特にケンブリッジの「お父さん」は昨年の春サラリーマンだったときに旅行して再会したときに「会社を辞めてこっちの園芸学校にいけば?」と僕の人生を変えるアドバイスをしてくれた人です。

コッツウオルズの「お母さん」は10年振りの再会でした。
生憎「お父さん」は5年前に他界されたとのことでしたが、元気している彼女に会えてとても嬉しく思いました。

さて、このイギリスという国は鉄道網はエラく発達していていますが運賃が高いのがタマに傷です。
苦学生の僕はお安いバス旅行を迷わず選択しました。
しかもバスのチケットを学割で買いました。
学割がきく顔に見えないと笑わないで頂きたいものです。
日本で僕が「学割で」と言ったら「誰が?」と聞き返されること必至ですが、この国では正真正銘の学生です。
これにより電車で移動するよりもおおよそ半分くらいのコストで移動が可能です。
素晴らしい!

ケンブリッジにては News Agent (新聞売店)で日本経済新聞を見かけました。
ヨークの片田舎にきて2ヶ月半経ち、インターネットもあまり使えない環境で、ものすごく今の日本が知りたいっ!と矢も楯もたまらず購入するつもりで財布を出したのですが、その値段をみて腰が引けました。

ナント2.80ポンド。日本円で500円以上します。
さんざん悩んだ挙句その日には買う決心がつかず、ケンブリッジ出発の日の朝、清水の舞台から飛び降りる覚悟で日経を買いました。

その新聞のありがたさにページをめくる手が震える始末。
久し振りの日本語活字の新聞です。
とてももったいなくて一気には読めず、チョロッチョロッと読んでは「ホホーッ」「ムムムッ」「ナールホド」と3日間ほど掛けてすみずみまで読んで楽しみました。

日本で導入するか否か随分話題になった「サマータイム」も10月31日の午前12時をもって終りました。
時計の針を1時間戻したわけで、この日はいつもより1時間ゆっくり寝れます。
最近随分日が短くなったなぁと思っていたら、これにより更に拍車がかかり夕方5時前には暗くなってしまいます。

こちらではサマータイム廃止論もでているようで、仮に日本でサマータイムを採用したとしてその頃にはこちらでは廃止ということもあるかもしれませんね。

自分のパソコンの電源を入れると「サマータイムが終了し時間調整しますがよろしいですか?」というメッセージが画面上に現れ、「おおーっ、なんて賢いヤツ、お前って!」と思わずパソコンを抱きしめたい衝動に駆られました。

ケンブリッジの家に日本人の女性がホームステイしていたので久し振りに日本語で色々と話をしました。
ここで驚いたのは日本語が下手になっていたことです。ここで強調しておきたいのはあくまでも日本語が下手になっているということであって、決して英語が上手くなっているということではないということです。
なぜかとても舌足らずな不思議な感覚。山瀬まみみたいな感じです。
普段ヨークの学校には日本人はいませんので、話すのも聞くのも全て英語です。
使わないと語学は錆びるとどこかで聞きましたが、本当のようです。

でも、思考は日本語で、こうやってメールも日本語ですし、「勘定が合わないっ!!」といった銀行員時代によくみたイヤな夢もいまだにチャンと日本語で見ています。

近況としてはそんなところでしょうか。

すっかり冬らしくなり冷え込みが厳しくなってきました。
その寒さのなかポロシャツ一枚で平気な顔をして歩いている人が結構いて、鈍いのかタフなのか首をかしげてしまいます。
「そのお腹はだしちゃマズイんじゃぁないでしょうか」というボンレスハムのようなお腹のお姉さんたちも寒さに負けずにヘソ出しファッション全開で頑張っています。

日経で読みましたが、プロ野球も閉幕したそうで、今年も残り僅かになりましたが寒さに負けずにお元気にお過ごしください。

0 件のコメント:

コメントを投稿