どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2012年8月7日火曜日

2001年12月05日 「ふんで、けって」


ハタと気付いてみれば12月です。

今年ものこり僅か、時の経つのは早いものです。

最近のニュースとしては「ジョージ・ハリソン逝く」が当日は大騒ぎでしたが、熱の冷めるのも早かった気がします。

日英共通の話題と思われるのは「ハリーポッター」でしょうか。

こちらは原産国だけにラジオ、新聞、テレビなどでも大きく取り上げられていますが、この騒ぎも公開当日から1週間程度でしょうか。

こうやって考えると英国人というのは結構淡白な感じもしますね。

さて今日は「こんなにツイていないなんて・・・」と思わずタメ息がでたノンフィクションストーリーです。

現在は温室の担当をしていて、日々15度前後の温室でヌクヌクとしているのですが、ここに猫が一匹迷い込んできました。

この猫は当植物園の責任者であるティムの飼い猫ですが、温室にては招かざる客ということで「ネコ様つまみ出し作戦」を決行することとなりました。

実はワタクシはこう見えて結構デリケートな人間でネコアレルギーなのです。
ネコ捕獲にあたり、噛まれて引掻かれた跡が数分後に赤くミミズ腫れになり、痒みもしばらくひかず困ったものです。


続いてサボテン展示の温室内の花壇に新たに砂を敷き詰め美化を図るという任務を遂行中にサボテンとサボテンの間に分け入って砂を撒くために屈んだところお尻をズボンの上からチクッと一刺しされました。

思わずアウッと叫ぶほどの鋭い痛み。

作業も終わりに近づいたころ、屈んだ姿勢から起き上がる際にサボテンにおでこから突っ込んでしまいました。

これはシャレにならない痛さで、慌てて手をおでこに当ててみるとおでこに無数のサボテンのトゲが刺さっているのが感じてとれます。

「一体どんな具合なのか?」と洗面所の鏡をのぞきこんで卒倒しそうになりました。

おでこにはグサグサグサっとトゲが無数に刺さっており、さながら「トゲ地帯」を形成しています。

もう大慌てで温室のボスであるロブのもとに助けを求めて走りました。

彼は笑いながらトゲ抜きで一本ずつ抜いてくれたのですが、「目に見えるトゲは全部取った。」と言い切るロブをよそに手をおでこにかざすとまだザラザラ、チクチクします。

そのうち自然に抜けると言われましたが心配です。

もう職業病とあきらめるしかなさそうです。

そして家にもどり夕食を終え食器を洗っていたら洗剤で手が滑り大型のサラダボールを粉砕してしまいました。
ハッと手を見ると薬指から血がポタポタと・・・。

そんな訳でネコにやられ、サボテンにやられ、サラダボールにやられ踏んだり蹴ったりの1日でした。

サラダボールもまた買わねばならず身も心も財布もズタズタです。

今日はもうこれ以上何も起きないことを祈るばかりです。

まだチクチク違和感のあるおでこをなでつつ、皆様のご健康をお祈り申し上げる次第です。





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