どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2012年6月24日日曜日

2001年10月03日 「Cool」




近所のパブの暖炉には早くも灯が入り秋から冬へと急速に季節は進んでいるように思われます。


9月は何といってもNYテロ事件で世間は大揺れでした。


9月14日には植物園でも午前11時から3分間黙祷を捧げました。


テレビは相変わらすこればかりです。


こちらでは9月から新年度でして僕もケンブリッジ生活2年目を迎えるにあたり「勉強量を増やす」「運動量を増やす」「酒量を減らす」といういわば「2増1減作戦」を目論んだのですが、フタをあけてみれば全てがその逆の方向へと向いてしまうというなんとも情けない1ヶ月でした。


現在植物園では高山植物とロックガーデンの担当なのですが、9月から新たにトレーニーとして加わったベン(正式名=ベンジャミン・キャロル シカゴ出身)とペアを組んで仕事をしています。


アメリカ出身の彼と終日一緒にいると「米語」と「英語」の違いに気付かされ、ときにはそのあまりの違いに大笑いしてしまいます。


彼の口からでるアメリカン・アクセントの英語は「Cool !」「Oh my god !」のオンパレードです。


イギリス人も言わないことはないですが、その頻度が違います。


抑揚、強弱などを変えて使い分けているようです。


例のNYの貿易センタービルに飛行機が突っ込む瞬間、中継の音声はひたすら「Oh my god !」ではなかったでしょうか。


「Cool !」は「カッコエエ!」とか「シブイ!」という意味なんでしょうが、彼といるともうなんでもかんでもCoolです。


今日は温室内で作業をしていたら珍しい花のつぼみを見つけて「That’s cool man!!」と興奮するのでこっちはちょっと力が抜けました。
女子高生がなんでもかんでも「かっわいいー」と言うのと似てますでしょうか。


あと9月のトピックスとしては「例の寝袋に究極のオプションを追加した」というのがあります。


申し上げておりますように日に日に気温が下がってきましたので試しに寝袋を試してみたところ、ことのほか快適で一人悦に入っておりました。


その話を隣室のビルとパブで飲んでいるときに話したらば、「そんなに頻繁に使うのならライナーを買ったらいいんじゃぁない?」というアドバイスをしてくれました。


これは言わば寝袋のシーツみたいなもので、汚れたらこれだけ洗えばキレイになり寝袋は長持ちするというスグレ物です。


なぜ究極かといえば、このライナーには色んな素材があるのですが、この度は奮発してシルクにしたからです。


早速試してみたところ最高の肌触りでシビレました。


ベン風に言えばCool!!でしょうか。


普段が節約、貧乏生活なのにシルクに包まり眠るとはお城に住む王子のようでなんとも贅沢じゃあございませんか。


そんなわけで野望は大きく、結果は小さくという9月でしたが早くも10月の到来です。


落葉樹はボチボチと紅葉を始めました。


これから約1ヶ月半はオータム・カラーといって紅葉がとてもキレイな季節です。


毎日カメラを抱えて日々の変化を追いかけています。


同時に日照時間も12月21日の冬至に向けてグングンと短くなり、なんとも憂鬱な気分です。


まぁ今年は寝袋様がこの憂鬱さを和らげてくれるとは思いますが・・・。

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