どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2012年2月20日月曜日

2001年02月19日 「おいしい生活」



最近ちょっと良いものを購入しました。


トースターです。


パンを食べる機会が多いながらトースターというものを持っておらず、これまでずっと生パンでした。
去年は学校の食堂にトースターがあったのですが、アパート暮らしを始めてからは「たまにはカリッとサクッといきたいねぇ」と思いながら半年間過ごしてきました。


そんなおり、近所の中古品「なんでも屋」に行ったときに目に飛び込んできたのがこのトースターでした。


お値段4ポンド也。


トースターの底には焦げたパンくずがまだへばりついていたりして、誰が使っていたのかも分からず不気味な部分もあったのですが、熱を発する機械だけに問題なかろう、キレイだ、と言い聞かせながらレジへと向かいました。


レジにてちゃんと動くかこの場でデモンストレーションしてくれと頼んでちゃんとふたつあるスロットの中が赤く熱くなるのを確認して4ポンドを払ってスキップしながら家路につきました。


故障品をつかまされてはなるまい、とデモを目の前で依頼するあたり随分とこちらの生活に染まってきた気がします。


そんなわけで最近はほんのり香ばしく温かいトーストにたっぷりとバターをぬって美味しく頂戴しています。


トースターを買ってから僕の食生活に変化がでてきました。


これまでの朝食は野菜が多く、手軽で腹持ちがするという観点から毎週日曜日の夕方にチキンクリームシチューを1週間分仕込んで、これを毎朝お椀に取り分けて温めてクロワッサンと食べていました。


シチューは良いとして、毎朝クロワッサンというのはやや健康面で不安があり、これに換えて美味しいシチューのお供にトーストを抜擢したわけであります。


シチューもさすがに毎日同じものを食べていると飽きてきてしまい、最近すっかり定着してきたのが伝統的英国風朝食です。


これはベーコン、ソーセージ、目玉焼き、焼きトマト、焼きマッシュルームなどを大きな皿に盛り付けトーストを添え、さらにその上からベイクドビーンズという大豆のトマトソースのようなものをかけて食べるものです。
ボリューム満点でウマイです。
恐らく2年前であればそれほど美味いと思わなかったでしょうが、最近はどうやら味覚もこちら風に染まってきたようです。


突然開眼した理由はローストティンというオーブンを使ってロースト料理をつくるときに使う金属の専用皿を買ってからオーブンを活用するようになったからです。


この皿にあとで洗うのが楽なようにアルミフォイルを敷いて、その上にソーセージ、ベーコン、トマト、マッシュルームをのせて15~20分オーブンに入れれば出来上がりです。


その間に目玉焼きとトーストを作り、ベークドビーンズを電子レンジで温めて絶妙のタイミングでそれらすべてをひとつの皿にのせれば完成です。


肉体労働だけに身体が資本。
朝からモリモリ食べています。


これにとどまらずオーブンはその活躍の場を広げ、キッパーとローストラムといった純英国料理にも食卓に登場するようになりました。


キッパーというのはアパートの隣人であるビル君に勧められて食べてみたのがきっかけですが、その美味さに脱帽し、最近はちょっとやみつきです。


辞書を引いてみると燻製のニシンであるとのことですが、とても怪しげな黄色をしており、そのままオーブンに入れれば出来上がりです。


これの上にバターをのせてトーストと食べるのですが魚とパンがこれほど合うとは意外です。


本来は朝食に供されるべき食材らしいのですが、僕は週末のお昼などによく食べます。


さらにウレシイのはお値段がお手頃だということで一腹がざっと70円ほどでしょうか。


早い、安い、美味いとなにやら牛丼のようなやつです。


スーパーマーケットに買物に行くと牛、豚、ラムなどの肉の塊がドドーンと売られていて、見かけるたびに「うー、かぶりつきたい」という衝動に駆られていたのですが、このローストティンを買ったことによって夢が現実のものとなりました。


パブにおいてはサンデーローストといって日曜日のお昼にこの特別料理を食べるのが伝統的な風習のようで、僕も何回かビーフ、ポーク、ターキー、ラムといったローストを試したのですが、個人的に一番美味いと思ったのがラムでした。


ラムは子羊の肉でちょっとクセがあるのでミントソース、マスタードなどを使って食べるのですが、程よい歯ごたえ、独特の風味、ミントソースとの相性などがとても好きで、いつか自分で作ってお腹を満たしたいと思っていました。


スーパーで堂々850グラムの塊を買ってきて、ローストティンに据えて周りにタマネギ、ニンニク、マッシュルーム、ローズマリーを添えて80分間190度でじっくりとローストします。


出来上がるとこれを切り分けて、マッシュドポテト、ニンジン、グリーンピースといった温野菜を添えてグレービーソースをかけて完成。


これまた感動的な美味さで、一人で唸りながら肉をほおばりました。


パブで食べるローストよりも美味しい気がしたのは手前ミソってやつでしょうか。
850グラムもありますので、2食分楽しめます。


飽きないかという心配は御無用。
なんのなんのです。


白いゴハンを炊いて日本的な食事もしています。
自炊が美味しくかつ安上がりで楽しいので最近はよっぽどのことがないと外では食べようとは思わなくなりました。


自分でもここまで自炊が苦にならないとは意外でしたが文句は言いますまい。
しばし今ここでしか食べられないものをトコトン食べておこうと考えております。


こんなことを書いておきながら最後の晩餐で何が食べたいかと問われれば寿司になっちゃうのですが。


今月は28日までですから、今月も残り10日ですね。


早いものです。


どうぞお風邪などひかれませんようお元気でお過ごしください。

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