どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2016年2月9日火曜日

2004年10月11日 「秋~悲しき近況など」



つい昨日、忙しくなってきたけど調子は良いカンジです、なんてことをいったばかりですが・・・。

今朝は日曜日だってのに、6時半から起きて、月曜日にある植物名の試験に向け机に向かい、朝食もしっかりと作って食べて、「今日はやることが山ほどあるあるのだ。時間はムダには出来ん」と庭仕事のバイトに繰り出すべく我が愛車(自転車)で出掛けようとしました。

そこで見た光景を理解するのにしばらく時間が掛かりました。

というのは自転車が無いのです。

さらに地面にはチェーン錠が落ちています。

「アレ、酔ってパブに自転車を置いてきたっけかな・・・」などとつらつらと考えつつ、落ちていたチェーン錠を拾い上げて納得。

盗まれたのです。

どうやら犯人は昨晩僕が帰宅した21:00から今までの間に明らかに狙いをつけて僕の自転車を奪っていったようです。

というのは、自転車の盗難は結構頻繁にあることなので、かなりシッカリとした鍵をつけており、気まぐれで失敬、といったものではなく専用の鍵カッターを使った大胆なプロの犯行です。

無残に切られた鍵の残骸をみて力が抜けましたが、ここまでくると「あっぱれ!お見事!!」と褒めたくなってしまいますね。


これで盗られるのだったら何をしても無駄といったところです。

まあこんなことは英国ではよくあることなので、「超・高級自転車」には乗っておらず、かといってそれなりに遠出など快適に出来るものというコンセプトで自転車を選びましたので、そりゃショックですが、回復もまあまあ早いです。

困るのは、この自転車につけてあった前後のライトも自転車ごと消え失せたこと、鍵も壊されたこと。

自転車は必需品で無いと生活に支障をきたしますので、気持ちを入れ替え早速新車を買いましたが、これに合わせてライト前後と鍵をも新調せねばならず、かなりの痛手です。

自転車屋で店員の「×××ポンドです」という声を聞いて思わず「アウチっ!!」と言ってしまったほどです。

鍵は今度はまさにケチらず最高のものを買いましたが、これとてその気になったプロが狙えば赤子の首をひねるが如く、でしょう。

警察に知らせたところで出てくる確率はほぼゼロでしょう。

でも大家夫婦はかなり同情してくれて、警察に被害届を出して、それをもとに「大家の自転車だった」ということにして大家の「家財保険」を請求してくれるとのこと。

上手くいくかは分かりませんがいずれにしても有難いことではあります。

英国に来て、犯罪の憂き目にはこれまで遭ったことがなかったので、ちょっとショックです。

でもこれが自転車でよかったな、とも。

これがパソコンだったり、あるいは自分自身だったりして怪我はたまた命を落とすようなことでなくて良かったです。

おかげで今日の予定は狂いっぱなしで困ったモンです。

自転車を新調したってのにちっとも嬉しくないですよ。

アンニュイな日曜日の夕方でございます。

ではまた。ごきげんよう。


タテバヤシ

追伸)このアンニュイって今日の今日まで「日本語」だと思っていましたが違うんですね。
変換しようとしても全然ダメなので辞書を引いてみたらナント、ENNUI、フランス語だったとは知りませんでした。
知ってました?