どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2011年12月27日火曜日

2000年12月10日 「師走」



早いもので2000年も残り20日間となりました。
暮れの仕事の追い込み、そして忘年会とお忙しくされていることと思います。


当方は特に変わったこともなく平穏に植物園と家を往復する毎日を過ごしています。


世間的にはクリスマスでして、ラジオではクリスマスソングが流れ、街はクリスマスショッピングをする人で活気に溢れています。


普段日曜は休業をうたう店もどうやら12月に限って開けるところもあるようです。
街には電飾、大小のクリスマスツリーが飾られていますが、それほどたいしたものではありません。


この週末にアパートの隣室のビル君が「車で買物に行くけど一緒に来るかい?」と誘ってくれたので渡りに舟とばかりについていきました。
彼と行くのは街のはずれにある大きなスーパーマーケットで、車であればビールのまとめ買いなどもできるので助かります。


「オモシロイもの見せるよ。」と言って帰り道にちょっと寄り道して見せてくれたのが300メートル離れた先からでも認識できるほどド派手な電飾で家と庭をうずめた「全身メリークリスマス」なオメデタイお家でした。


しかもその配色が何やらヒンズー教のお祭を髣髴させるようなもので、見ているこちらが照れてしまうほど派手なもの。


ビルが「電気代が相当かかるだろうなぁ」とボソッと口にしたのですが妙に頷けました。


そのビルが「クリマスはどうするの?」というので、「ン、別に。普段通り植物園かな。」と答えると、
「我らのアパートには8人が住んでいるけどクリスマスにアパートにいるのはオマエだけになるぞ。よければオレの実家に来てノンビリ過ごしてもいいのヨ。」
と有難い申し出をしてくれました。


実は有難いことに僕が一人寂しくクリスマスを迎えることを心配してくれてクリスマスに来ないかと声を掛けてくれている英国人が現時点でビルを含めて7人もいて、思わぬ「タテバヤシ人気」にどうしたものかと思っていたところだったのです。


折角のクリスマスというスペシャルな時期のお誘いなのでお断りするのも悪いし、かといってカラダはひとつだし。
有難いことです。


一人でクリスマスを過ごす場合にはいつもより上等な肉を買って、いつもより上等なワインをあけて、英国らしくクリスマスプディングなんか食べちゃって、とにかくちょっと贅沢をしていつもより「上等な」気分を満喫すればいいかなという計画でした。
それでも充分シアワセかな、と。


来週はイベントが盛沢山で、火曜日にヴァーシティマッチといってケンブリッジ大学対オックスフォード大学のラグビーの試合がロンドン郊外のイングランドラグビーの聖地、トィッケナムであるので植物園を休んで見にいきます。


金曜日仕事が終ってからはヨークの学校にいって友人達と飲もうという段取りになっており、レンタカーを飛ばして遠路遥々飲みにいってきます。


当然フィッシュアンドチップスを満腹食べることも目的のひとつです。


そんな師走模様です。
どうぞ風邪などひかれませんように。

2011年12月19日月曜日

2000年11月23日 「会議紛糾」



今日植物園で午前中のお茶の時間のあとに所属セクションの打ち合わせがあるとのことでメンバー6人が残りました。


議題は「新植物園構想について」。


なにやら大袈裟ですが、来る2007年を目処に新管理棟を建て、そこに総合的植物園の英知を結集するという構想があり、これをリーダー会議で話し合ってきてそれを我々下々のスタッフに知らせるのが主な内容でした。


はっきり申し上げて2007年には僕ら1年契約のトレーニーはこの植物園にいるはずもないのですが、それでも味噌っかす扱いせずにちゃんと輪に入れてくれるというのは有難いことです。


続いて議題は現在の当セクションの問題点に移りました。


そのセクションは「草本セクション」と「分類花壇セクション」に二分され、前者はドイツ人女性アン、後者はイギリス人男性ジョンがリーダーです。
そして我々下々のものがそのどちらで働くかは明確な色分けがされていないため、その日によってアンとジョンが話し合ってそれぞれの作業内容に応じて二人の間をいったりきたりしているというわけです。


アン、ジョンどちらが上ということもなく並列な関係であるため、意志伝達経路がバラバラでお互いに不具合があるようでした。


ときとして彼らをすっ飛ばして植物園の責任者じきじきに我々に指示が飛んできたりして話は更にややこしくなります。
アンもジョンもコミュニケーションがうまくとれないことと、仕事に追われている感があってストレスを感じているようでした。


話が盛り上がってきてついにアンとジョンがお互いの仕事の進め方に不満を言い始めて、一気に緊迫した雰囲気になってきました。
とはいってもお互い罵倒しあうというものではなく、言いたいことを主張するといった印象で、熱くなっているようで結構冷静だったりします。


ジョンが「その仕事はオレの給料の中には含まれていない。」「オレの担当の仕事ではないから興味がない。」とズバズバ言うのを横で聞いていてこっちがちょっとハラハラしてしまいました。


僕は腕組をして「ウム、ウム」「ウーム」などとお互いの顔を交互に見てはうなずいて日和見主義的な態度でしたが、
「日本人って黙って聞いているだけで何を考えているのだか。」
と思われるのもシャクだったので、
「お互いの仕事を週単位で書き出して、そのためには道具と人手がそれぞれどれだけ必要で所要時間はどれくらいだという見通しをチャンと立てて、それをお互い交換したらどうですかね。そしてそれを植物園の責任者にもあらかじめ渡しておいてよっぽどの急用でない限り彼からの突発的な仕事を極力排除するというのはどうですかね。」
と言うと妙に感心され、しばらくそれを試してみようということになったようでした。


彼らの間を行き来しているものとしては普段から「結構行き当たりばったりだなぁ」と思っていたので、当然といえば当然の提案ではありましたが。


日本式の打ち合わせしか経験がなかった自分としてはなかなか興味深いミーティングでした。

2011年12月14日水曜日

2000年11月20日 「キリスト」


土曜日の昼過ぎに普段はほとんど鳴ることのない電話が鳴りました。



「もしもしマサヤ?エリザベスだけど。明日ヒマ?良ければお昼ご飯を食べにこない?」と電話口の女性は言います。


「誰?エリザベスって??」と基本的かつとても重要な疑問がわきました。
ケンブリッジにエリザベスなんて知り合いはいません。


よくよく話を聞くと以前ヨークでニコルという女の子を介して会ったことのある人のようでした。
でもあまり記憶が定かではありません。


ニコルはスコットランド出身の奔放な女の子でヨークの学校で一緒でした。
僕がケンブリッジの植物園にいると知ると、知り合いがいるからと言って以前尋ねてきたことがあります。
そのとき彼女が泊まっていたのがこのエリザベスの家でした。
彼女らは同じ宗派の教会での知り合いらしく、言い換えればそれだけの関係のようでした。


ニコルがケンブリッジに来たときにエリザベスの家に招かれて食事もしたのですが、もはやすっかりそんなことは記憶にありません。


で、今回のお誘い。


しかも仲介役のニコルはいません。
電話を切ったあと一人悩みました。
そんなに親しいというわけでもないし、どういった会話をすればいいのか。


そもそもエリザベスって名前すらすぐに思い出せなかったのに、彼女の家族の名前は全く忘却の彼方です。


「今日は御招待いただきありがとうございます。で、アナタのお名前は?」などと聞けるはずもなく、かといって名前を呼ばないのはもっと失礼だし。


結局ニコルに連絡をとって、家族の名前を予習して彼女の家に向かいました。


しかし、一度会っただけの怪しげな東洋人を自宅に招くというその意図は何処にあるのだろうと考えをめぐらせました。


疑ってはいけませんが、映画「ミザリー」のように気が付いたら縛られてなどと考えないでもありませんでした。


ちょっと重要なのがその日が日曜日であり、お昼ということはサンデーランチであるという部分です。


伝統的な英国の家庭では日曜日は安息日でいつもよりもゆっくり朝寝して、軽い朝食のあと教会におもむき礼拝をして、帰宅後遅めの盛大な昼食をとり、家族でゆっくり団欒して夕食はホンの軽めにというのが典型的かつ伝統的な過ごし方です。


このサンデーランチのもつ意味合いはとても大きく、家族水入らずなのが基本と聞いたことがありましたので僕のような人間が行って本当にいいのかと再び不安になりました。


英国名物であるローストビーフ、ローストラム、ローストポークなどのロースト料理が振舞われるのは一般に週に1回この日曜日のお昼だけです。


その特別な状況を考えれば考えるほど不安と緊張が煽られるばかり。
手ぶらで行くわけにもいかず、とはいってもランチでアルコールというのもどうかと思案して手土産の定番であるワインを断念し、お菓子屋でトフィーというキャラメルのようなお菓子を購入して意を決して雨の中自転車を走らせました。


ずぶぬれになった僕をとても親切に迎えてくれて、タオルで身体を拭いているともう一人のゲストだというロンが現れました。「ヨカッタ、一人じゃなくて」とホッとして自己紹介するとロンも教会での知り合いだとのことでした。


ほどなくサンデーランチの準備が整い、皆でダイニングルームに着席し食事前にクリスチャンらしくお祈りがありました。


家長であるレオンがお祈りを捧げるのですが声が低くボソボソ言うので聞き取れません。
最後に「アーメン」と唱和して食事が始まりました。


ローストポークと温野菜の付け合せで、デザートにリンゴのクラムブルとアイスクリームという英国人にしてはアッサリとしたシンプルなものでしたがとても美味しかったです。


食事中は「どうしてこの国にきたのか」「何を今しているのか」「これからどうするのか」といった定番の質問に答えながらいろんな話をしていると、普段独りで黙々と食事をしているせいか、どことなく満ちた気分になっていきました。


そしてついにくるだろうなと予想しつつも恐れていた宗教の話題に。


僕はまったくの無宗教な無責任な男でして「どう思う?」「日本はどうなの?」なんて話を向けられると「ンー、日本は基本的には、アー、仏教国ですが、ウー、そのなんと申しますか物質主義と申しますか、ソノー、今の若い人のあいだでは・・・」などとシドロモドロもいいところで、改めてこの無宗教感覚というか無教養な自分を恥ずかしく思うのでした。


話が弾んで三時間ほどがアッという間に過ぎ、ロンが「そろそろ夕方の礼拝に行かねば。」といってお開きとなったのでした。


ケンブリッジはヨークに比べると都会で行き交う人々はどことなく冷たい印象をもっていたのですが、キリスト教の博愛精神のもと新たな友好の輪が広まったことはなんとも有難いことだと思います。


そんなサンデーの午後でした。


2011年11月28日月曜日

2000年11月19日 「夢」



平和な週末を過ごしています。

整理整頓、掃除、洗濯などをこなし、テレビにてイングランドvsオーストラリアのラグビーの試合を観戦し、借りてきたビデオを鑑賞し、アルコールを嗜んで・・・とリラックスしております。

金曜日の深夜というか土曜日の早朝はしし座流星群が見れるとのことで、午前3時に目覚ましをセットして植物園に出掛けました。

街中は街灯が明るいので植物園のなかならよく見えるかなという魂胆でした。

結果は月が明るすぎたことと、曇りがちだったために期待したほどは見えませんでしたが、それでも約1時間のあいだに30個以上見えたでしょうか。

こちらではそれほどしし座流星群などと騒いではおらず、ラジオや新聞でちょっと触れる程度で、朝3時に口を開けて空を見上げている不審者は僕くらいのようでした。

寒さもありアパートに足早に戻り2度寝をきめたのですが、そのときに夢をみました。

植物園の花壇をの手入れをしていると手入れをしたばかりの場所に金髪で3歳くらいの子供が踏み入れてきました。
僕はその子供の横にいた金髪のお母さんに「あのー、すみませんけど花壇に入らないでくださいませんか。」と遠慮がちに注意するというもの。

それだけの夢です。

しかし金髪のお母さんには英語ではなく、しっかり日本語で注意していました。

英語で夢をみるなんてことは、それこそ「夢」ってかんじでしょうか。

2011年11月16日水曜日

2000年11月11日 「自転車」


あれよあれよと日が短くなって現在は日の出7:12、日の入16:17となりました。
12月21日の冬至に向けてさらに日は短くなっていきます。

こうなると植物園から家路につくころは暗くて、自転車に乗るときにはライトが不可欠となります。

この国の自転車事情というのも日本のそれとはかなり異なっていると感じます。

まず自転車の扱いと申しますか、立場はあくまでも自動車同様、車両だということが徹底されています。

よって自転車は車道をはしるのが原則で、車道には丁寧に自転車用のレーンがひいてある場合が多いです。

当たり前といってしまえばそれまでですが、皆さん信号もキッチリ守っています。
赤でも車が来なけりゃ行け行けとやっていた僕の感覚からすると皆とても優等生で、何もそこまでやらなくてもというくらいジッと青になるのを待っています。

信号を待つその人をよく見ると頭にはヘルメット、身体には蛍光反射テープのタスキをかけています。

これはどうやら任意のようですが、かなりの人がそんな格好をして自転車に乗っています。

自転車で左折、右折時にはキッチリと曲がりたい方向に腕をまっすぐ伸ばして方向指示します。
そして夜間にこの方向指示をより確実なものにするため、両手首に蛍光反射テープを巻いている人もいます。

夜間自転車の前方にはライト、後方には赤い尾灯をつけるのは義務であり、違反の場合は罰金があるらしく、例外なく皆ピカピカしています。

日本でよく見かける無灯火、二人乗りはまずこの国では見かけません。

郷に入れば郷にしたがえ。
そんなわけでいつしか僕も「ここは左ダッ」というときにはシャキーンと左手を水平に伸ばしアピールに努めるようになりました。

ほんのちょっとだけそこに見える郵便ポストまで歩道を自転車で逆走したときの「ナニ、この東洋人はまったく。危ないわねー。」という冷たくてスルドイ視線を忘れることができません。

ケンブリッジという街は英国内でもオックスフォードと並んで自転車で有名な街で、自転車屋の数も他の街に比べると圧倒的に多いですし、皆自転車で街を行き交っています。

それにはちょっとした理由があるのかなと想像します。
朝、夕の自動車による市内の渋滞が激しくてラッシュ時にはニッチモサッチもいかなくなるので、できる限り自転車をつかって渋滞を避けようとしているのではないかと。

そして学生の街ですのでコストの安い自転車がポピュラーなのではないかと思う次第です。

自転車の盗難も異常に多いようで、「そんな大袈裟な・・・」と呆れるほど頑丈な鍵をしている人をよく見かけます。

植物園の自転車好きの若手スタッフのマークは「この自転車はアルミフレームで10キロ切ってるのヨ。」と自慢していましたが、その鍵が3キロもあって何のための軽量化なのかと思うと笑ってしまいます。

余談ですが彼の自転車は前方に強力なライトを装備しており、そのライトのためのバッテリーが数キロあるという重さで、せっかくのアルミフレームが泣きます。

僕が現在乗っている自転車はヨークのクラスメイトがホレッとくれたものでボロボロのヨレヨレ自転車です。

サドルは裂け、あちこちに錆が浮き、油不足のためか「キーコキーコ」と神経にさわる音がしますが、僕はこれでちょうど良かったかなと思っています。

良い自転車を買ってもすぐに盗られてしまうのが関の山ですし、アパートの駐輪場は雨ざらしですから。
このボロを狙う輩はそうそういないと思われます。

そんなわけで無いと相当不便するケンブリッジ自転車事情についてお知らせしました。



2011年11月11日金曜日

2000年11月04日 「洪水」



御存知でしたでしょうか。

現在当地は1947年以来の水害に見舞われております。
しかも最大の被害がでているのがなんとヨークです。

先月末から雨が多く風も強く「オオッ、荒れてる荒れてる」とは思っていましたが、そのときの洪水被害はヨークのようなイングランド北部ではなくケント、エセックスといった南部でした。
ロンドンにいる銀行員時代の友人によると、出張のときに乗った飛行機の窓から見えた景色はニュースでの報道通り一面水浸しだったらしいです。
そして降り続ける雨が今度は北部に及び、もともと水はけのよくない土地にもってきての大雨で大被害を巻き起こしたということのようです。

昨日ヨークの学校に電話をしてみましたが、学校には被害はでていないらしいですがヨークの街の中心地はカヌーやカヤックが大活躍しているのだとか。

地元ニュースはもちろん、CNNのワールドニュースでもかなり大きく取り上げられています。

ところが日本のメディアに目を向けてみるとほとんど触れられておらず、改めてお互いの温度差というか「遠い国同士なのね」と感じてしまいました。

今日土曜日は快晴なのですが明日は再び大雨の予報がでていて、イングランド北部は戦々恐々としています。

僕が現在いるケンブリッジはさほど深刻な被害はでておらず平和なものですが、もし洪水があったら僕の部屋は1階で、道路とほぼ同じ高さにあるので一発でアウトだと思われます。

日本は小春日和の平和な3連休かと思います。

僕は風邪を完治させるべくこの週末はおとなしくしているつもりです。

では、また。



2011年11月5日土曜日

2000年11月03日 「風邪をひきました」



風邪を引きました。

大したことはないのですが。

最近植物園でははやっていて、順番に風邪をひいているようなかんじです。

しかし、僕の場合は流行にながされたというよりも今週から本格的に通いだしたプールが原因ではないかと思っています。

先週ようやく「ケンブリッジ市民カード・学生版」というものをつくりました。
これによりプールが格安で利用できるというので一ヶ月の定期を購入して毎日通うことにしました。
定期は通常5000円しますが、このカードを使って購入すると1800円になります。

スバラシイ。

最近は暗くなるのも早くて夜間ジョギングするのは安全上やや問題もあるし寒さでケガのリスクも増えるのですが、プールはそれらの問題点をみごとにクリアしています。
植物園のスタッフには一時間の昼休みをつかって泳ぎに行く輩もいるほどです。

昨晩はケンブリッジ郊外に住む英国人の知人宅に招かれ夕食を御馳走になりました。
そこである決定的なことに気付きました。

彼の家はとても暖かいのです。

というか僕のアパートの部屋が異常に寒いのです。

以前書いたかもしれませんが当アパートにはセントラルヒーティングシステムがなくて電気ラジエーターで暖をとることになっています。電気代をケチるあまり、なかなかスイッチを入れないためいつも底冷えのする部屋となっています。

ささやかな自己防衛策として寝袋を買ってそれを膝掛けにしたりしていました。

この前スーパーマーケットで電子レンジで暖めるゴムの湯たんぽを発見して即購入しました。
英国人の友人によると通常3000円くらいするものらしく、1200円ほどで手に入れた僕は相当得意でした。

この湯たんぽは厚いゴムの密閉された容器のなかに謎の液体が入っていて、これを丸ごと電子レンジに入れて2分ほどチンすると出来上がりというシロモノです。

あとはやけどしないように専用のキルトの袋にいれて使います。

あるときは膝の上に、あるときは布団にしのばせ、「これでこの冬は乗り切ったも同然なのダ!」と高笑いしていたのに、他人様のおウチはこんなにも暖かいのか、と思うと自分のしょうもない苦労がとても虚しいものに思えてきてしまいました。

もうひとつの我が部屋の大きな欠陥があります。
それは換気扇がないことです。料理は大いに楽しむものの、キッチンがあるわけでもなくて部屋の隅にオーブンレンジがあるといった程度のもので本格的に料理をすることを前提としていません。

換気扇がなくて料理をすれば当然全てのニオイが部屋中に充満します。
布団も服も全て燻製になってしまいます。

仕方なく料理中窓を開けるのですが、冬の冷たい空気が容赦なく入り込んできてしまうので、そこそこの換気を終えると窓を閉めます。
また部屋の温度が下がります。

洗濯物は北向きである我が部屋の中に干しているのですが、脱水機のパワー不足なのかキッチリ絞れていないようで、ときおり一週間かけて部屋に干してあることもあります。

日中の外出時に窓を開け放していくわけにもいかず、かといって中庭にも天候が不順すぎてアテにならず安心して干していけません。

この前洗ったばかりのシャツの袖に手を通したところ「なんか臭うゾ」とクンクンとシャツのニオイを嗅いでみると、いろんな料理のニオイが混ざった不思議なニオイがしてガックリしてしまいました。

これにはちょっと悲しくなり、冬場のみ近所のコインランドリーの乾燥機を使おうと考え方を改めた次第です。

節約も過ぎて風邪を引いたり、燻製シャツを着たりというのは方向性を完全に見誤っており、今後は改善を図っていきたいと思っています。

そんな11月の日々です。
日本は文化の日でしょうか。
どうぞ3連休お楽しみください。