どうして「スバラシキ英国園芸ノススメ」なのか

ちょっと読んで 「あんまり面白くないなぁ」 と思った方。
騙されたと思ってしばしお付き合い下さい。

7年間の英国留学中にしたためたメールは300を越えました。
そしてこれが 「尻上がり的」 に面白くなっていくのです。

当初の初々しい苦学生の姿から、徐々に英国に馴染んでいく様子は100%ノンフィクションのリアルストーリー。

「スバラシキ英国園芸ノススメ」の旅はまだ始まったばかりです。

2012年4月18日水曜日

2001年05月15日 「押し花」



先週は当地も気温25度という初夏を思わせる陽気が数日続き、ようやくこれで薄着で歩けると思ったのも束の間、今日からまた気温がグッと下がりぬか喜びに終りました。

さて今年は英国でJAPAN2001と称して各地で日本に因んだイベントが開かれています。

例えば来週はロンドンで日本から運んできた御神輿が出て「祭」が行われるのだそうで、これは是非アパートの隣人ビル君を連れて見に行こうかと思っています。

ケンブリッジの植物園でも6月に「The Art of OSHIBANA」と銘打って押し花教室が開かれることになっています。

講師を務めるのは日本で押し花の第一人者だという杉野さんという方。
彼とそのスタッフは準備と下見を兼ねて3月に一度ケンブリッジに来ていたので興味がありました。

植物園の最高責任者である教授からは押し花教室の通訳を頼まれたのですが、その時は出たところ勝負でいいや程度にタカをくくっていました。

ところが植物園に限らず街のいたるところにとても立派な押し花教室のチラシが置いてあって大々的に宣伝しているのを発見。
更に王立園芸協会の会報誌にも大きくその押し花教室のことを取り上げられているのを発見。

事の大きさを認識するにいたりました。
そして通訳など安請負してしまったことを後悔したのですがもはや後の祭。

大慌てで日本の担当者に連絡をとって、一体どんなことをするのか、どういう流れなのかといった資料を送ってもらい準備に取りかかりました。

送ってきた資料を見てビックリ。

ナント先方は「世界押花芸術協会」ですよ。
せめて日本押花協会とか、あるいは青梅市押花協会くらいにしておいてくれれば、などとその団体名の凄さに恐れ入ってしまったのでした。

そもそもワタクシは押花なんてこれぽっちも興味がないのになんでまた、というカンジです。

俄然被害者意識が盛り上がってきました。
まぁ愚痴っても始まらないので押花教室が開かれるその日までは「押花英会話」の習得に全力をあげて取り組む所存でございます。

どうなることやら、楽しみな気持ちが半分と、トホホという不安な気持ちが半分でしょうか。

恐らく爽やかなる笑える御報告ができるのではないかと思っていますがどうでしょう。



2012年4月10日火曜日

2001年05月09日 「買物ゲーム」


連休はいかがでしたか?

最近耳にしたニュースですが、英国で列車強盗をしたオジサンが南米で逃亡生活を送っていたらしいのですが「パブでビールが飲みたい」という望郷の念に駆られて逮捕覚悟で帰国して捕まったというのがありました。
パブでビールを飲むという行為が英国人にとってどういう深い意味があるのか、何となく分かる気がします。

さてこちらは5月だというのに相変わらず肌寒い毎日が続いています。
昨年の今頃は明らかにもっと暖かかったと記憶しているのですが、やはり異常気象なのでしょうか。

土曜日にアパートの隣室のビル君がスーパーマーケットに車で買物に行くけど一緒にどう?と誘ってくれました。

ところが彼の車に乗り込んで出発という段でエンジンが掛かりません。
どうやらバッテリーがあがってしまっているようで、日本のJAFに相当するRAC(Royal Automobile Club)に連絡をしてエンジンが掛かったのはそれから1時間後のことでした。

時刻は21:35。

スーパーは22:00で閉店します。

エンジンは掛かったもののエンジンを切ることなく少なくとも30分ほど走って充電する必要があったためスーパーの駐車場で一人が買物に走り一人が車で待機し、買物を終えたほうが今度は車の番をして・・・と超効率買物作戦を余儀なくされました。

まさかエンジンを掛けっぱなしで二人して買物に行ったら車は跡形もなくなっているでしょうし。

まさに苦渋の作戦です。

ビルは「オマエが先発で行け。時間は気にしなくていいから。まぁオレは明日でもゆっくり行けるし。」と言いますが額面通りに「アッそう」とも言えず、アパートからスーパーに向かう車の中で「野菜コーナーでアレを買って、肉売り場でコレを買って、あとはパンとミルク・・・」とイメージトレーニングをしてスーパーの駐車場に到着と同時にスーパーの入り口に向けて猛ダッシュです。

入り口ですかさず買物かごを手にして、イメージトレーニングで予行した通りに寸分の無駄もないしなやかな動きで買物を済ませました。

その所要時間はナント7分。

画期的スピードと申せましょう。
よくテレビ番組で制限時間以内に予算内の買物をするというのがありますが、まさにそれを地でいくカンジでした。

息を切らせて車に戻ると、今度はビルが血相を変えてスーパーに駆け込みます。

普段悠然とした男なので、あたふたするビルを見ていて可笑しかったです。

どうにか二人して無事に週末の食糧買出大作戦を遂行しホッとしました。

やっている本人としてはその時は無我夢中で必死でしたが、今こうやって振り返るとなんとも間抜けな買物ゲームでしたね。

何を土曜日の夜に大のオトナふたりが息を切らせてやっているのだか・・・。



2012年4月4日水曜日

2001年04月28日 「ビール祭り」



昨日ビール祭(Beer Festival)なるものに繰り出し、これが結構面白かったので謹んで御報告申し上げます。

アパートの隣室のビル君と近所のパブで飲んでいたときに、ビール祭というのがあってこれが絶対オモシロくてオススメなので今度ベリーセントエドモンズ(Bury St.Edmunds)であるビール祭に行こうよ、という誘いをいただきました。

このベリーセントエドモンズというのはケンブリッジから電車で40分ほど西に行ったところにある雰囲気の良い田舎町で、夕方仕事が終ってからビル君と出掛けました。

駅に降り立ってビール祭会場への行き方を駅員に尋ねると「ビール祭会場へはこの道を真っ直ぐ。そうね、20分も歩けば着くよ。でも帰りは倍の40分は掛かるだろうけどね。ガッハハハ。」と豪快に笑いながら教えてくれました。
どうやら帰りは酔っ払って千鳥足になるので倍以上時間が掛かると言いたかったらしく、これがイングリッシュ・ジョークというやつでしょうか。

教えに従って真っ直ぐ歩くと街の中心地の広場に出て、それに面した公民館が会場でした。

これからイヤってほどビールを飲むというのに、ビルはその会場の横にあるパブを指して「あれって英国で一番小さいパブらしいんだけど、せっかくだからあそこで一杯どう?」と言うので、ハーフパイントをウォーミングアップ代わりに飲み干し気合を入れていざ会場へ。

会場に入るには既に小さな列ができていて、入場料2ポンドを払い階段を上がって会場へ。
会場の入り口では更に1シートあたり4ポンドのビール回数券と、1パイントグラスのマイグラスを購入します。

このマイグラスはこのビール祭オリジナルでお土産に持って帰ることもできるし、返却すればデポジット2ポンドを返してくれます。

1パイントのこのグラスには丁度半分のあたりにハーフパイントの線が入っていて、自分の好きなビールの銘柄の樽まで行ってハーフパイントかワンパイントなのかを告げてその分のチケットを差し出すというシンプルな方式です。

どういったビールがあるのかというリストを握りしめ記念すべきビール祭第一歩がスタートです。

会場には31醸造所からそれぞれ3銘柄ほど出品されているのですが、それら全てを味わうのは肉体的に不可能なので、リストにある各ビールの説明を読んでだいたいの見当をつけてハーフパイントづつ頼みます。

幸いビルと二人で出掛けましたのでふたりで別の銘柄を頼んで回し飲みをすれば2倍の効率で色んなビールが味わえることになります。

味も色もアルコール度もマチマチで色んなビールで溢れています。

アルコール度数は3.4~9.6%と幅が広く、ホップの効いたもの、モルトの味が強いもの、フルーティーな味わいのものなどバラエティに富んでいます。
値段は一般的にアルコール度に比例しているようでした。

会場で知り合った酔っ払いのオジサンが飲んでいた9.6%のビールをちょっと分けてもらいましたが、ビールの概念を覆す味でした。

会場はおおむね酔っ払いが席巻しているのですが、それでも普段パブで見かけるように会話に熱中するひともいれば、ビールリストに何やら書き込みつつ真剣な面持ちでグラスを傾けるひとがいたりして観察していると飽きることがありません。

皆共通しているのはビール好きだということでしょうか。


会場の隅にはお土産コーナーがあって、コースター、ティーシャツ、傘、バッジ、タオルなどのビール関連ノベルティがところ狭しと並べてあり、僕はコースターのセットとティーシャツをついつい買ってしまいました。

自家製ビール醸造キットなるものもおいてあって、会場はまさにビール天国。

会場に到着して飲み始めたのが19:30で会場を出たのが21:50。
終バスを逃さないように時計を気にしつつ2時間20分で6パイントを飲み、ビルと回し飲みした結果24銘柄を味わうことができました。

しかし短時間でピッチをあげて飲んだため「ウーン、これはホップが効いている割にはまろやかで、どことなく硫黄っぽいが、しかしそれでいて・・・」と御託を並べていたのは最初の数杯で、あとはもう惰性で味は分からなくなっていました。

ビールを飲むだけのために時間とカネをかけてわざわざ繰り出したわけですが、それだけの価値は十分あったと満足して千鳥足で帰ってきました。

5月には地元ケンブリッジでビール祭があるとのことで今からかなり楽しみです。

ビール祭で言うところのビールとはエールビールを指しており、冬は重たく濃厚、夏は軽くてフルーティーといった具合に季節を反映させたり、地元のそれぞれの小さな醸造所が季節感を出しながら地域限定で出しているもので行った先々でその土地のビールを飲むというのは何よりの楽しみでもあります。

日本はゴールデンウイークでしょうか。
本当に良い季節になりました。
どうぞゴールドな1週間をお過ごしください。




2012年3月31日土曜日

2001年04月13日 「シロ」


シロといっても犬の名前ではありません。

実はこのまえ口元に小さなイボがポツッとできたので近所のかかりつけの医者に取ってもらいました。

この国はとても社会福祉が充実している国で、私もこの国で少ないながらも社会保険料を納めているものとして基礎的な医療を無料でうけることができるのです。

無料、ただ、フリー・・・、なんと響きの良い言葉でしょうか。

これまでラグビーで耳がチョン切れて破傷風の注射をうったときも、腰痛で動けなくなり往診してもらったときもすべてタダでした。

これはスゴイことだと思います。

さすがタバコ一箱800円するだけのことはあります(べつにタバコ税が社会保険に回っているとは思いませんが)。

病院に行っていつも困惑するのが言葉です。

「破傷風」「イボ」などその単語で説明しないと伝わらないものが医学専門用語としてヤマのようにあります。
こうなると自分の持ち合わせの語彙を超えていて辞書に頼らざるを得ません。
事故などで緊急に病院に担ぎ込まれたりしたらば当然辞書などはないわけで本当に困ります。

今回イボの件では普段つかっている植物英単語が役にたちました。

イボを取るのに液体窒素で患部を処置するのですが、この液体窒素を辞書を見ずに会話に盛り込むことに成功しました。

液体は御存知のように「liquid」で、窒素は植物3大栄養素のうちのひとつなので「nitrogen」とすぐに出てきます。
これを組み合わせて「liquid nitrogen」。
これを医者との問診時にちりばめてみますと、流れるように会話が成立するではありませんか。

なせばなる。

医者と会話が弾んだのとタダなのをいいことに「血液検査もお願いできませんでしょうか?」とおねだりしてみました。

実は昔インドに住んでいたときに肝炎を患ったことがあり、その後は完治したものの最近の酒の飲み過ぎが少々気になっていてできれば健康であるお墨付きをいただきたいという目論見です。

会社を辞めた後は定期的に血液検査を受ける機会を失っていたのでチャンスをうかがっていたのです。

医者は頷いて血液検査の手配を看護婦に指示しました。

さすがにこういった類の検査は金が掛かるのだろうと思い、恐る恐る聞いてみると「タダです」という心強い返事が。

この際英国滞在中にからだの悪いところを全部治してもらっちゃおうかなと思いますね。
でも残念ながらこれといって特に悪いところが思いつかないあたりはシアワセ者と申せましょう。

そして先日血液検査の結果を聞きにドクター・グリフィスを訪ねると、「ネガティブ(シロ)」と告げられホッとして帰ってきました。
さぁ、これで安心してまたビールを飲めるというものです。

この医者と会話をしていて気付いたことがあります。

「キミは何をしているんだい?」と聞かれ「ケンブリッジ大学の植物園でガーデナーをしています。」と答えると先方の態度が明らかに好意的に変わったことです。

その医者もケンブリッジ大学の関係者ということもありましたが、どうやらガーデナーというのはチョット良い職業のようです。

これまでも別の場面で「そうなのかも?」と思えることが何度かあったのですが。
これは「けっ、ガーデナーかよ。」と見下されるよりは遥かにグッドニュースです。

肩書きと中味が釣り合うように尊敬されるガーデナーを目指してさらに精進せねばと誓った一件でした。



2012年3月19日月曜日

2001年04月11日 「スコットランド追分」


昨年ヨークの学校でクラスメートだったロブから「イースターで休暇をとったのでスコットランドに遊びにこないか」と連絡があり、月、火と休みをとり先週の土曜日から3泊4日で出掛けてきました。

彼は現在エジンバラ大学のランドスケープセクションでトレーニーとして働いています。


彼はイングランド出身でまだスコットランド北部のハイランド地方には行ったことがないとのことで、まずは二人でネッシーで有名なネス湖最寄の街であるインヴァネスに向かいました。


エジンバラでロブと合流して更にローカル線で3時間ゆられて北上してインヴァネスに着いたころにはもうヘトヘトでした。
というのも我がケンブリッジからの距離はザッと830キロと果てしなく遠く、トータルで8時間以上もの長旅だったからです。
彼とは約半年振りの再会で車中でビールを飲みながら近況報告をしあって話が弾みました。

今回はインヴァネスというハイランド屈指の街を足がかりに近辺を散策し、あとは楽しく酒でも飲んでウマイものでも食べようじゃぁないかというもので、ノンビリしたものです。

まずはウマイものですが、初日の夜は僕がラム肉、ロブが鹿肉、2日目の昼はスコットランド名物ハギス、夜はスコティッシュサーモンのステーキ、3日目の昼がチーズバーガー、夜がパスタといったちょっと贅沢、高カロリーなラインアップです。

スコットランドはハギスとサーモンが有名ですので、それらを制したあとは少しづつトーンダウンしていっていますね。

ハギスとは羊の内臓の詰め物で、好みが分かれる食べ物です。
僕は今回はじめて正式な正統派ハギスを食べましたがなかなかどうしてイケる美味しさでした。
食感もプチプチしていて全く問題ない味です。

嫌いな人は味がどうのというよりも、それが何で出来ていて、どういう手順で作られるのかという辺りに抵抗があるのだとのこと。

B&Bという一泊朝食付きの英国の典型的な庶民の味方的な宿に泊まりましたが、これがいずれも「清潔」「暖かい」「安い」「美味しい」と大ヒットで文句なしでした。

朝食がとても美味しくて素晴らしいのですが、そのボリュームたるや尋常ではありません。

ジュース、フルーツ、シリアル、紅茶を前菜のようにこなした頃にメインの目玉焼き2個、ベーコン2枚、ソーセージ2本、ワッフル、マッシュルーム、トマト・・・と溢れんばかりに盛られた大皿が登場し、これらをトーストとともに食べていきます。
最後にトーストにマーマレードを塗りたくって紅茶を流し込んでシメです。

素晴らしい。


3日目に泊まった宿の朝食にブラックプディングという英国式朝食の典型的な食材といわれ、かねがね一度は食べてみたいと思っていたものが食卓に上がりました。

これはブタの脂と血をませて作るソーセージのようなもので、ブラックというだけあって色は黒くて見た目的にはオレオビスケットのようです。

スパイスが効いていてパサパサした食感でしたが別に驚くほどウマイわけでもなく、かといって泣きたくなるほどマズイわけでもない、フツーの味でした。
それよりも一度は食べてみたいという夢が叶ったことのほうに興奮を覚えました。

今回二人で旅行して発見したのは「ふたりで泊まると宿はお安い」という黄金律です。

これまではシングルルームで25~35ポンドあたりの攻防で大いに葛藤していたのに、今回はもっとマシなお部屋でツインなので一人あたり15~20ポンドというお値段。
しかもシングルよりもズッと見つけやすい。

ケンブリッジの自分の部屋で普段寒い思いをしていましたので、まずは部屋の暖かさがなんとも嬉しかったです。

シャワーもキレイ、トイレだってキレイ。
これが当たり前の暮らしなのかもしれないと思いつつも、ささやかなシアワセを噛締めつつフカフカのベッドでグッスリと眠ったのでした。

グッスリ眠ったのはなにも居心地が良かったからだけではありません。
そう、飲み過ぎたので倒れるように寝た、とも言えます。
ロブはビール好きの酒豪で、僕のビール好きとは次元が違います。

再会を果たしたエジンバラの駅構内のパブで2パイント。
夕食の前に、中に、後に・・・。
さすがに朝は飲みませんが昼飯の前に、中に、後に・・・、とこちらが呆気にとられるくらいよく飲みます。

これらの風習で「ラウンド」という割り勘方式があります。
これは一人が皆の分を買って、次の人が次の一杯を買って・・・と繰り返していくもの。

今回はロブと二人ですので、カウンターで「何がいい?」とロブがまず先制します。

そのグラスが空くか空かないかのタイミングで今度は僕が「何がいい?」と聞いて次のビールを買います。
そしてそれが空くころには・・・、とまぁとめどない「ふたり割り勘地獄」です。

途中でかなりキツくなってきているのに、「何がいい?」と聞かれると無意識に希望のビールの銘柄が口からでてくるというのは不思議なものです。


インヴァネスは相当北に位置するため日が長くて日没は20:20頃でしょうか。
夕食を終えてまだ明るいのでまだ宵の口と勘違いしツイツイ飲み過ぎてしまい、気が付いてみれば日が沈んだばかりなのに22時、足元はフラフラ、お腹はパンパンという4日間でした。

最悪だったのが月曜日の夜で、インヴァネスの街を歩いていたらロブが一軒のパブを指差して「ホンの軽く一杯やらないか?ここの看板にあるSDというビールはスゴク美味しいらしいよ。絶対オマエも気に入るよ。」と言われて時計を見るもまだ時刻は15:30。

「まだちょっと早いんじゃぁない?」と尻込みすると「ダイジョーブ。一杯だけ!」と半ば強引に連れ込まれてそのSDとやらを頂きました。

その後はイヤな予感が的中し、次の一杯、その次の一杯・・・と果てしなく続き、気がついてみればそのパブに4時間以上いました。
しかもビールだけで。

3日目の夕食がパスタとやや控えめであった理由はここにあって、ビールでお腹がパンパンになってしまい食事への興味が薄れたからでした。

このパスタを食べたときにも一騒動ありました。

これまでさんざん飲んで出来上がっていたので軽くパスタを食べるだけかと思いきや、着席とともにロブはビール2人分をまず注文しました。
とにかくかなり酔っていた、と。

ふたりしてカルボナーラを頼んで食べはじめたらばロブがおもむろにウエイターを呼びつけ「このカルボナーラにはベーコン一切れだけで何も具が入っていないじゃぁないか。こんなもん出すな。すぐ取り替えろ。」と大抗議です。


ウェイターはしどろもどろに「あの、コックが二人分一緒に作って具を取り分けたときにお連れ様のほうにほとんど入ってしまったのではないかと・・・」と説明するのですが、「そんなこと知るか。いいから取り替えろ。」とロブが一喝しました。
ほどなく具が異常にたっぷりのカルボナーラが運ばれてきました。

その新しい皿が運ばれてくるまでの間にロブが僕に向かって「それじゃ足りないんじゃない?これ半分あげるよ。」とテーブルに残された具のないカルボナーラを半分ドカッと僕の皿にのせて、残った半分をロブはアッという間に平らげてしまいました。

話はこれで終りません。

「あのサ、この店は何となく気に入らないね。マネージャーに勘定をまけもらうように交渉するよ。」と言うので、それはいくらなんでも強引すぎるんじゃないの、と思って黙って成り行きを見守ることにしました。

かなり大柄な女性店員をつかまえて「ちょっとマネージャーと話がしたいんだけどな。」というとなんとその女性が「ワタシがマネージャーですが。」と言います。

「実はかくかくしかじかでね・・・、パスタ2人分は払うけど、このビール2杯はまけてくれないか。」と横で聞いているこちらが赤面するほど無謀で強引な交渉をロブはやらかしましたが、そのマネージャーは「ハイ、分かりました。すみませんでした。」と明細書の「ビール×2」の部分を自分のボールペンでゴニョゴニョと消してしまいました。

二人でそのパスタ屋を出て大笑いです。
本当にこんなことが通るのかなぁと申し訳ない気分でした。

浮いたお金で飲みなおそうとの彼の提案で、「えっ、まだ飲むの?」とゲッソリしつつもまた別のパブへ・・・。


結局その晩はふたりして酩酊状態で宿に戻り、服も着替えずそのまま倒れるように眠りました。

最終日はケンブリッジまで片道8時間の長旅のため、朝8時の電車に乗ってロブとはエジンバラで別れました。


二日酔いで車中かなり眠りましたが、ずっとい座っていてお尻も痛くなったので休憩という名目でヨークで途中下車し、久々に大好物のフィッシュアンドチップスを食し、17:30ころようやくケンブリッジに戻ってきました。

電車の席は本当に狭くて足を伸ばすスペースも少なく、日本人よりも大柄な英国人からよくも不満がでないなと思います。

飲んでばかりでしたが、天気もよろしく、ハイランドらしい山並みや湖も見られて、美味しいものを食べ、暖かいベッドで熟睡して、とまずは上出来の小旅行ではなかったかと思います。

今度はロブが6月にケンブリッジに飲みに、いえ、遊びに来ると言っています。

歓迎ではありますがちょっと及び腰でもあります。








2012年3月14日水曜日

2001年03月31日 「春通信」


今日で3月も終わりです。


2001年も4分の1が終了し時の経つのは早いものだと思います。
日本ではサクラ満開のころではないでしょうか。


ケンブリッジの植物園にもサクラはありますが、一本だけポツンと寂しくしていて盛り上がりに欠けます。


サクラ並木、サクラの頃の春風、夜ザクラを飾るちょうちんの灯、屋台から漂うヤキソバや焼イカなどのニオイ・・・とそれらが相まって春を感じさせてくれるものですが、当然ながらコチラではそういったものはありません。


春といえば先週末に時計を1時間進めてサマータイムに突入しました。


最近は日の出6:38日の入19:32とイッキに日が延びて気温も日中は15度くらいまであがる陽気で春めいてきました。
これまでずっと腹筋に力を込めて寒さを凌いでいたのですがようやく腹の力も緩められそうです。


植物園ではスイセンがピークで、レンギョウが黄色い花を咲かせ、コブシ、モクレンも満開です。外で庭仕事が楽しい季節になりつつあります。


暗くて寒い英国の冬はかなり滅入るものですが、これからまた半年間は緯度の高い英国ならではの長い1日が楽しめます。


仕事のあと家に帰って食事をしてから近所のパブに出掛けて、付設のビアガーデンで裸足になって芝生のチクチクした感触を味わいながら日没まで夕陽を浴びながらノンビリとビールを飲むというのはなんともシアワセな贅沢です。


サクラ満開、春爛漫、どうぞ楽しい週末を。


2012年3月10日土曜日

2001年03月03日 「最近のニュースのことなど」


最近こちらにいて気になるニュースがふたつあります。

ひとつは口蹄疫、もうひとつは列車事故です。

口蹄疫は「foot and mouth diseases」と言うなんてことはこちらに来るまで知るはずもありませんでしたが、お蔭様でボキャブラリーも増えていきます。

で、この疫病が流行りはじめて以来ニュースはもっぱらコレばかりですが、酪農は英国ではとても重要な産業のひとつですので重大ニュースなのも頷けます。

スーパーから肉が消えるという事態には至っていませんが、状況が長引けば品薄、価格高騰を招き狂牛病の後遺症も手伝ってよろしからぬ影響があると思われます。

インターネットで日本の新聞を読んでいると、「英国に6ヶ月以上滞在した人の献血は受けつけない」という記事を目にして祖国から「オマエは感染している可能性があるので切り捨てる」と言われているようで、「冷てぇなぁ、日本はよぉ」と悲しくなりました。

狂牛病は脳ミソがスポンジ状態になって死に至るらしいですが、もともと僕の脳ミソはスポンジ状態にありますので影響はあまりないと思われます。

列車事故は1999年の秋にロンドンのパディントン近辺で大きな列車事故があって以来、大小おりまぜて事故続きの英国鉄道ですがまたしてもやってくれました。

今回は電車側には過失はなく、車が陸橋から落ちてきたために起きた事故ですが、以前ヨークに住んでいたときによく乗っていた路線だったのでちょっとゾッとしました。

電車は本来信頼できる安全な乗り物というイメージですが、最近の連続事故を見ているとそうでもないのかなと思わざるを得ません。

いずれにしましてもこのふたつのニュースは自分の生活にも大いに関係があるので、とても気になっています。